名古屋に押し込まれながらも、大阪が引き分けリーグ優勝は第2戦へと持ち越しとなった [写真]=本田好伸
28日、Fリーグ2014/2015 powered by inゼリーのプレーオフファイナルラウンドが愛知県のテバオーシャンアリーナで行われた。リーグ1位の名古屋オーシャンズに1勝のアドバンテージが与えられ、2戦先勝でシーズン優勝が決まる試合はシュライカー大阪が4-4の引き分けに持ち込み、翌日の第2戦での決戦へと望みをつないだ。
リーグ戦5位でプレーオフに進出しながらも、1stラウンドでバサジィ大分に勝利し、2ndラウンドでバルドラール浦安を退けて王者に挑んだ大阪。彼らにとってこの試合は、「優先順位は明日につなげることが一番」(木暮賢一郎監督)と、引き分け以上で2戦目に持ち込むことが最低条件だった。
優勝に向けて高い集中力を示した両者は、序盤から緊迫した展開を生み出していく。その中で先制したのは名古屋だった。6分、CKを獲得した名古屋は吉川智貴からのパスを受けた前鈍内マティアス・エルナンが左サイドでシュートを放つと、DFに当たってコースが変わったボールはゴールへと転がり込んだ。
一方、先制を許した大阪も得意のパワープレーで反撃を試みる。すると9分、相手が前掛かりになった隙を突き稲田瑞穂、林浩平とつなげると、最後はゴール右のヴィニシウスがシュートを突き刺し試合を振り出しに戻した。しかし直後の10分、名古屋は右サイドの渡邉知晃が中央へとパスをつなげ、八木聖人がシュートを決めて再び名古屋がリードを奪う。
それでも食らい付く大阪も17分、カウンターから稲田がGKとの一対一を制して再び同点として前半を折り返した。一進一退の攻防を見せる試合は後半に入っても互いに譲らず、手に汗握る展開が続いていた。その中で勝ち越しゴールを挙げたのは大阪。28分、右サイドでパスを受けた村上哲哉がシュートを放つと、ボールはゴールへと吸い込まれた。
するとここから名古屋が一気にギアチェンジ。リーグ戦得点王の森岡薫を筆頭に大阪陣内に攻め込むと何度かの決定機を生み出すものの、大阪も集中したDFで対応してゴールを許さない。そして迎えた33分、大阪は右サイドの加藤未渚実からの折り返しを受けたヴィニシウスが流し込みリードを2点に広げることに成功した。ここでリードを守り切りたい大阪だったが、試合は10分を切ったところでいよいよ名古屋のベンチが慌ただしくなってくる。
名古屋は33分からペドロ・コスタでのパワープレーを開始し、今度は35分にGKをラファエル・サカイと交代。直後のプレーでサカイがゴール前に侵入すると、右サイドでフリーのセルジーニョが決めて名古屋が1点差に追い付く。さらに36分、カウンターから森岡からのパスを受けた渡邉がゴール前へと折り返すと、走り込んだ森岡が合わせて試合は再び振り出しに戻った。
勢い付く名古屋はこのままパワープレーを続けるかと思われたが、「勝ちたい気持ちもあったしいろいろ駆け引きをしてもよかったかなと考えるが、冷静に考えて最後はパワープレーにいかなかった。同点で試合を終えても悪くはない状況で、点を取れれば(それが一番いい)と選手を送り出した」(ビクトル・アコスタ監督)と、パワープレーを継続しない攻撃を選択した。
大阪は最後まで勝ち越しを狙いながらも、逆に名古屋の猛攻に苦しむ展開が続いていくが互いにゴールは生まれない。そして試合はそのまま4-4でタイムアップ。これで大阪は最大の目的を達成し、翌日の第2戦へとつなげ、名古屋にとっては手痛い引き分けとなった。
プレーオフファイナルラウンドは、仮に大阪が勝利して1勝1分けで並んだ場合、延長戦にて決着を付けることになる。それ以外、つまり名古屋の勝利もしくは引き分けの場合は名古屋のリーグ8連覇が決まる。「もう勝つしかない。気持ちを切り替えてしっかりと勝ってシーズンを締めくくりたい」(吉川)、「プレーオフを経験していない選手がこの試合を経験できたので、第2戦は大阪の本当の強さ、1年間の集大成を見せる」(佐藤亮)と、両チームの主将が意気込みを語った。果たして今シーズンの優勝はどちらが手にするのか。
Fリーグ2014/2015 powered by inゼリー プレーオフファイナルラウンド第1戦
開催日:2015年2月28日
会場:テバオーシャンアリーナ/愛知県
[試合結果]
14:00 名古屋オーシャンズ 4-4 シュライカー大阪
写真・文◆本田好伸