全北現代とのACL準々決勝第2戦は出場停止の宇佐美[写真]=GAMBA OSAKA
8月26日に行われた全北現代とガンバ大阪のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝ラウンド・準々決勝第1戦。先発のピッチに立った宇佐美貴史は、立ち上がりから相手のDFチェ・チョルスンのマンマークに苦しめられた。思えば、試合前日の公式会見で全北現代のチェ・ガンヒ監督はG大阪の警戒すべき選手として宇佐美とパトリックの名前を挙げていたが、蓋を開けてみれば、宇佐美にはまさかのマンマーク。また、パトリックもセンターバックのDFキム・ヒョンイルに徹底して封じられ、前半は特にガンバが誇る2トップは完全に沈黙した。
それを打開すべく後半から倉田秋を投入。宇佐美を左サイドに移すなど、ポジションを動かしながら相手の裏のスペースを取るなどして数回は攻撃の形を作り出したが「最終的なスコアを見ての通り、相手が最後までハードワークをしたということ」と長谷川健太監督。失点せずに試合を終えられたことには手応えを語りながらも、チームきっての得点源が封じられ、無得点で終えたことに悔しさをにじませた。
だが一方で、「基本的には勝てばいい試合なので。アウェイゴールを与えたくないとか、ゼロで進めたいとかあまり考え過ぎずに、ホームで勝つことだけを考えて90分戦えばいいと思う(長谷川監督)」と言うように、第1戦の結果により、第2戦の戦い方はより明確になったと言える。
大きく言えばキーポイントは2つ。「アウェイゴールを与えないこと」そして「得点を奪うこと」。特に後者は、エース宇佐美が警告の累積で出場停止となる中で、結果を左右するカギとなる。その攻撃について、第1戦を体感した宇佐美に攻略ポイントを聞いた。
──第2戦の見どころを教えてください。
宇佐美 0-0からスタートするだけに、全北はおそらく、アウェイゴールを取りに出てくるはず。どっちかが引いて消極的になるようなこともなく、打ち合いになると思うし、お互いに個の技術力があるチーム同士なので、面白い試合になると思います。
──第1戦を戦った上での、相手の警戒すべきポイントは?
宇佐美 相手の左サイドからの攻撃ですね。第1戦では、ほとんど左サイドMFのレオナルドのところから攻撃がスタートする感じだったし、プラス、決定力もあり、後ろの選手を生かせるポストワークもある。ただ組織で戦うというより、個の質を生かした展開が多いですからね。組織のところでは攻守が切り替わった瞬間など緩いところもあったんですけど、それも個で何とかする感じもあったので。まず、その個のところで負けないことは大事だと思う。
──宇佐美選手ご自身は、第1戦はマンマークをつけられ、ほとんど仕事をさせてもらえませんでしたが、相手の守備を体感した中で、そこを切り崩す攻撃をどんなふうにイメージしますか?
宇佐美 相手も点を取りに出てくると予想して、の話ですが、それをうまく生かしたショートカウンターは有効かな、と。そのへんのリスク管理は第1戦もルーズになるところも多かったですしね。粘り強く守りながらも、そのルーズになったところをうまく攻略しながら攻撃を仕掛けられれば決定的な形を作れる回数は増えると思います。
──応援してくれるサポーターへメッセージをお願いします。
宇佐美 僕は警告累積で出場できませんが、今のガンバの勢いがあれば十分乗り越えてくれるはず。僕もチームを信じて結果を待ちたいし、サポーターの皆さんにもチームを信じて応援してもらえればと思っています。
9月12日に開催された直近のJ1リーグ・鹿島アントラーズ戦では、6連勝中の首位・鹿島をアウェイの地で撃破。完封勝利とはいかなかったものの、攻守にバランスの取れた内容で白星を掴み、16日に開催される全北現代との決戦に弾みをつけた。あとは『三冠王者』のプライドを胸にこの一戦を勝ち切るのみ。同じ志を持って戦ってくれる、心強き、ホームのサポーターを味方につけて。