7月31日、小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会「EXILE CUP 2016」の四国大会が、高知県立春野総合運動公園 多目的広場で開催された。晴れ渡る空の下、たった一つの“四国大会代表”の座を懸けて集まったのは、四国圏のクラブチームや少年団、計48チーム。今年は各地区大会合計のエントリー数、出場数ともに過去最多となり、参加者は4000名を超える見込みで、大会史上最大規模での開催となる。
開会式では、応援に駆け付けた劇団EXILEの秋山真太郎さんと小野塚勇人さん、DEEPのRYOさんが登場し、子どもたちを激励。EXILEのパフォーマーÜSAさんが考案した「EXダンス体操」でウォーミングアップを行うと、会場は笑顔に包まれた。
開会式を終え、いよいよ予選リーグがスタート。予選リーグは、48チームをAからLまでの12ブロックに分けて行われ、各ブロックの1位12チーム、各ブロック2位の成績上位4チーム、計16チームが決勝トーナメント進出となる。厳しい暑さをものともせず、6つのコートではハイレベルな戦いが繰り広げられた。
注目を集めたのは、攻守の切り替えが早く、多彩な攻撃パターンで得点を積み重ねたBブロックの大西キッカーズ(愛媛)。予選リーグを6-0、7-2、7-1と危なげなく3連勝し、決勝トーナメントに勝ち上がった。
Iブロックでは、波乱が巻き起こった。昨年、個々のテクニックの高さを武器に「EXILE CUP 2015」四国大会を制した泉野FC(高知)が、2試合目でArancio Giocare(高知)を相手に1-2で敗れると、続く3試合目はSFC坂出(香川)相手に0-8と完敗。優勝候補筆頭とも言われた強豪が、グループリーグで姿を消すこととなった。
その他、素早いプレッシングを徹底し勝利を重ねたFブロックのFC佐古(徳島)、全ブロックの中で最多得失点27を叩き出したIブロックSFC坂出など、強豪チームがそれぞれの特長を見せつけ、決勝トーナメント進出を果たした。
激戦を勝ち抜いた16チームによる決勝トーナメント。予選リーグでは大差のつく試合が多く見られたが、決勝トーナメントでは1回戦からPK戦にもつれ込む試合や、終了間際のゴールが決勝点になる試合など、最後まで気の抜けない拮抗した展開が多く見られた。
迎えた決勝戦。チームワークのとれたプレーで勝ち上がったFC佐古と対峙したのは、決勝トーメントをわずか1失点で勝ち抜いてきた大西キッカーズだ。試合直前のアナウンスが入り、両チームの選手が音楽に合わせ入場。決勝に臨む選手たちのモチベーションは高まるばかりだった。
決勝戦は開始早々にゲームが動く。FC佐古が中央でボールをつなぎ、立ち上がりのスキをついて先制に成功。出鼻をくじかれた大西キッカーズは、直後に直接FKを獲得し、強烈なシュートを放つもこれはクロスバーに直撃した。
その後も大西キッカーズに惜しいチャンスが続くと、前半6分、ついに同点に成功。しかし、直後にFC佐古がコーナーキックからゴールを挙げ、再びリードする展開で前半を折り返した。
後半は、FC佐古の強固な守備が目立った。自陣にブロックを敷き、徹底したマンツーマンディフェンスで大西キッカーズの攻撃を阻止。最後まで全力で走り続けた大西キッカーズだったが、追加点を奪うことはできず、2-1のスコアでFC佐古が勝利を収めた。
試合後、FC佐古の天野正樹は「今日大事にしていたのは、フォアチェックと素早いプレスで相手を自由にさせないこと。それがうまくいっていたから、優勝という結果につながったのだと思います」と勝因を振り返った。
決勝を終え、勝利したうれしさと安堵で涙を流したのは、背番号10を背負うエースの梅津優大君だ。「決勝では緊張したけど、チームのみんなが声を出してくれて、後半はリラックスしてプレーできました。四国代表として、決勝大会でもチームワークの良さを見せていきたいです」
大会通算14ゴールを決め、チームを優勝に導いた梅津君。彼を中心とした、FC佐古のチームワークあふれるフットサルが、決勝大会でも見られることに期待したい。
取材=松岡寛人 写真=白川裕一
By サッカーキング編集部
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