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EXILE CUP 北海道大会が開催…抜群のチームワークを見せたAGGRE U-12が2連覇を達成

2016.08.16

 小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2016」の北海道大会が3日、札幌市東区の札幌サッカーアミューズメントパークで開催された。9月17日に行われる決勝大会へのたった一つの出場権を懸けて、道内各地から集まった36チームが激突した。7回目を迎えた今年は、全国のトータルでエントリーチーム数、出場者数ともに過去最高となり、出場者は4000人を超える見込み。大会史上最大規模での開催となるだけに、北海道代表の座もますます重みを増すことになった。

 開会式には劇団EXILEの青柳翔さんと八木将康さん、DOBERMAN INFINITYの5人全員、DEEPのRYOさんが駆け付けた。あいさつに立った札幌出身の青柳さんが「自分もサッカーをやっていたので、応援に来られてうれしい。がんばってほしい」とエールを送れば、DOBERMAN INFINITYのメンバーも「今日という時間は今日しかない」(GSさん)、「楽しむことを一番にプレーして」(KUBO-Cさん)などと激励した。

 おなじみの「EXダンス体操」ではEXILE PROFESSIONAL GYM 札幌校のインストラクター、U-KIさんからアドバイスを受けると一気にグルーヴ感が高まり、ウォーミングアップも完璧に。4チーム9組に分かれた予選リーグで戦いの火ぶたが切って落とされた。

 この日は、朝こそ空に薄く雲がかかっていたが、昼までには真夏の太陽がギラギラと照り出して、人工芝からはゆらゆらと湿気が立ち上る。だが、この酷暑のコンディションを北国のサッカー少年たちはものともせず、ピッチ上を元気いっぱいに駆け回った。早いパス回しでチャンスをうかがうチーム、それをさせまいとタイトにプレスをかけるチーム、ボールを奪えばすかさずゴールを狙う積極的なチーム……。むせ返る空気をはね退けるように、予選リーグからゲームは白熱した。一昨年まで2連覇したSTS千歳ペレーダが2勝しながら得失点差で3位となり、決勝トーナメントに進出できないほどの激戦だ。

 各組1位と2位のうち成績上位7チームの合計16チームによる決勝トーナメントでは、組み合わせ抽選で大会スペシャルサポーターであるEXILEのÜSAさんが登場するサプライズも。そして、争いはさらにし烈さを増す。1回戦8試合のうち、PK戦でやっと勝負が決した試合が半数の4つにものぼった。

 PK戦までもつれない試合でもナイスゲームが続き、昨年3位のSS.LAVOROに元町北サッカー少年団Aが挑んだ一戦も見応えがあった。スペースを巧みに使った組織プレーで勝ち上がってきた元町北A。だが、実力者のSS.LAVOROはそのスマートさを封じ、2-0で撃破した。

 頂点を目指す戦いが混とんとする中、準決勝ではディフェンディング・チャンピオンのAGGRE U-12がkitago jr FSCに苦しめられる。開始早々にヴィエールチ・ジャンニ・令君が一直線にドリブル突破して先制すると、八重樫陸君もこぼれ球を右足でフィニッシュ。kitago jr FSCが2点のリードを奪った。だが、ここからAGGRE U-12が底力を発揮。瀧澤天君の3点とGK松浦青空君のFKからの1点で、4-2で突き放した。kitago jr FSCの八重樫君は「悔しい。いっぱい練習してもっとうまくなりたい」と唇をかんだ。

 そして、決勝は準決勝のもう一方の山でPK戦の末に上野幌西サッカースポーツ少年団を下したSS.LAVOROとAGGRE U-12の組み合わせとなった。SS.LAVOROは基本のボールさばきを丹念に磨き上げ、6月の大会で全道に進出している強豪。今大会は一昨年の準優勝に続き、昨年も4強まで進んでおり、あと一歩の悔しさを晴らそうと強い気持ちで臨んだ。

 だが、その野望に立ちふさがったのがAGGRE U−12の名前通りのアグレッシブなプレーだった。5年生エースの瀧澤君を中心に、全員が今大会の7試合で成長していったかのように、前でプレスをかけて躍動した。瀧澤君の左足と三好陽翔君の右足で2点を挙げて前半を折り返す。

 後半は、SS.LAVOROが「GKの位置がずれていたので、サイドネットに速いシュートなら入る」という竹腰勇湧主将の狙い通りのゴールで1点差に詰め寄る。だが、終了間際、AGGRE U-12の堺悠翔君のCKが絶妙の位置に上がり、そこに飛び込んだ瀧澤君が「どこに上げるか2人でずっと打ち合わせていた。これまでで最高のゴール」と振り返ったダイビングヘッドで勝負を決めた。

 3-1で終了の笛。SS.LAVOROは、またしても頂点に立てなかった。池田光康代表は「今まで通り、楽しいサッカーをし、プレッシャーに勝てるようにしたい」と話し、竹腰主将は「一対一で的確なドリブルとパスの判断ができなかった。今後、そこを練習し、次の目標の大会で全道に行きたい」と前を向いた。

 2連覇を達成したAGGRE U−12のMVPを挙げるなら瀧澤君だろう。ゴールに直結するポジショニング、ドリブルの突破力、左足の威力などセンスが光った。加えて、勝利の鍵になったのは、蛯澤匠吾総監督が「プレッシャーのかかる中で、技術的にも上達した」と評価した三好陽翔君だ。ボールを持った時も全体の状況を把握できる視野の広さを身につけ、ゲームメークする立役者になった。

 何よりも、全員がピッチに上がり、チームワークを発揮できたことが大きい。目指すは、昨年は1勝もできなかった全国大会での躍進だ。メンバーは「今大会で手応えを得た」(松浦君)、「いっぱい点を取って、みんなで協力して、笑って勝てるように頑張りたい」(三好君)、「初めての全国大会で自分がどこまで通用するか確かめたい」(瀧澤君)、「昨年はレベルの高さに阻まれたけど、その経験を生かして走り勝ちたい」(香西擢玖主将)と、気合いを入れている。

取材=高野祐太 写真=兼村竜介

By サッカーキング編集部

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