8月もいよいよ終盤戦…。しかし、まだまだ暑い夏は続く! そこで今回、『サッカーキング』では“夏といえば湘南!”ということで、ジャパニーズレゲエの最前線を進む湘南乃風の”ヴォイス・マジシャン” ことHAN-KUNと、湘南ベルマーレの生え抜きかつ背番号10を背負う菊池大介選手による“湘南対談”を実施。
長く生活をする湘南エリアの素晴らしさや思い出、さらには2人の“湘南おすすめスポット”も紹介してもらいました。夏休みも残りわずか。今年の夏を目いっぱい満喫するためにも、2人のインタビューを見て、湘南へ出かけよう!
インタビュー=小松春生
写真=兼子愼一郎、岩本良介
お二人はこれまで交流がありましたか?
HAN-KUN 遊びに行ったことはないですね。僕は以前からベルマーレが好きで、菊池選手のことも一方的に好きで。たまたま出かけた先でお会いしたことがあったんですけど、そこから余計に気になる存在になっちゃって(笑)。
HAN-KUNさんはずっと湘南ベルマーレを応援されているということで。
HAN-KUN サッカーがすごく好きで、ずっと関心を持って見てきたんですけど、反町康治さん、坂本紘司さんと対談させていただいたことをきっかけに、ベルマーレに気持ちが一本になりました。
菊池選手は湘南乃風のことはご存知…。
菊池大介 もちろん! いつも聴いていて、今回のHAN-KUNさんの新曲も早速聴いていて。
HAN-KUN もっと言って!
菊池大介 最高なんですよ!(笑)本当にすごくいい曲ですよ。
テレビ神奈川で放送中の『Spiritベルマーレ』のテーマソング(HAN-KUN『TO THE TOP』)にもなっていますからね。音楽はよく聴かれるんですか?
菊池大介 はい。湘南乃風さんやHAN-KUNさんの曲はもちろんですし、湘南に住んでいるので、夏っぽいサーフミュージックや平井大さん、Def Techさんの曲を聴くことが多いです。試合の前なども音楽を聴いてテンションを高めたりしますね。
HAN-KUN 試合前とかに聴いてもらえるのは、メチャクチャうれしいですね。ホームゲームの時にスタジアムで歌わせていただいたこともありますし、試合前の選手入場のときに湘南乃風の楽曲を使ってもらったりして。好きなチームが入場する時は、それだけで見ているこちら側もテンションが上がっていくし、そこに自分たちの曲が流れると、一緒に戦っているような気持ちになって、より入り込める感覚になります。
では、ここからは湘南という街についていろいろとうかがっていきます。HAN-KUNさん、菊池選手はいつ頃から湘南エリアにお住まいですか?
HAN-KUN 僕は生まれも育ちも鎌倉です。
菊池大介 僕は生まれが横浜ですが、親が転勤族だったので各地を巡って、中学校の3年間は長野県で過ごしました。高校に行くタイミングで湘南のユースに声をかけてもらって、そこから住んでいます。なので、10年くらい経ちました。
長くお住まいのお二人が見る湘南の良さとはなんでしょうか?
菊池大介 まずは海がすぐ近くにあるということですね。今、住んでいる場所も海の近くなんですが、自分にとってはリフレッシュできる大切な場所です。飼っている犬とよく散歩にも行きますね。あと、鎌倉もリラックスできる場所です。そういった場所が近くにたくさんあるということが自分にとって大きいと感じています。
HAN-KUN 人も海も自然もそうですし、鎌倉で言えば昔ながらの佇まいを守っていて。そこから藤沢に行くと街になり、過去との融合する部分が見られて、いろいろな顔がありますよね。あとは海岸線で発展してきたストリートカルチャー。サーフィン、スケート、ダンス、音楽…。サブカルと言われているものが融合して、そこの中で境がなく、みんなが友達で、一緒にムーブメントを起こそうという気持ちをこの街、この土地から学んできて。そこからさらにスポーツをやっている人たちともつながれる。夢を持つというか、何かに向かって頑張っている人たちが自然とつながっていけるような土地ですね。
菊池大介 湘南での生活が長いので、知り合いになる方もいて、お茶をしに行くだけでも気持ちが楽になります。土地への愛着がありますし、周りの方たちも家族のような、僕にとって大きな存在です。
これまでで湘南とご自身の間での特別な思い出はありますか? 菊池選手は高校時代から湘南での生活ですが。
菊池大介 高校時代は、ずっとトップチームでプレーさせてもらっていたので、文化祭や修学旅行といった学生らしいことができませんでした。だから青春をしたかったですね。
HAN-KUN やろうか、文化祭?! やりましょうよ! 俺も高校にあまり行けていなかったし。行っていない理由は違うかもしれないけど(笑)。
僕は、今はなくなってしまったんですけど、茅ケ崎にあったクラブで湘南乃風のメンバーと知り合えたことですね。そこから少しずつ自分の音楽というものを勉強していって。そこから藤沢とかにもクラブがあって、全部が国道134号線でつながっていたんです。そのエリアで育たせてもらった、学ばせてもらったことが大きいですね。音楽と海という関係が密接だなと感じました。みんなが湘南に遊びに来たとき、音楽も一緒に思い出にして帰るという感覚があって、湘南に来た人の思い出になるような音楽を作りたいなと思いました。自分の思い出というより、誰かの思い出を作りたい、という気持ちが強いですね。
湘南に来た人の思い出に残るという部分では、サッカーも同じ面があります。
菊池大介 自分は高校時代からお世話になっていますし、湘南の子どもたちが自分たちの試合を見に来て、「将来はベルマーレに入りたい」と思ってもらわなければいけないと考えています。そういう役目が自分たちにはあると思っていますし、地域の人たち、子どもたちのためにも、躍動感のある、試合に勝っても負けても、何かを持って帰ってもらえるような、夢のある試合をしなければいけない、という気持ちは常に持っています。
お二人の夏の過ごし方についてもおうかがいします。Jリーグは夏場に試合数が増えるので、菊池選手はなかなか夏休みというわけにはいかないと思いますが。
菊池大介 基本的には1週間に1日オフがあるので、そこでサッカーを忘れはしませんけど、リセットして、しっかりリフレッシュすることを心がけています。
HAN-KUN レゲエに限らず、音楽も夏が一番ライブの増える時期なので、「遊びに行きてーなー」とは毎年思っているかもしれないです(笑)。でも、好きの延長で仕事にさせてもらっている部分があって、それ自体が遊びに通じていることでもあるので、幸せな悩みです。オフがあるときにしっかりとリフレッシュして、切り替えるということは菊池選手と一緒ですね。あとは文化祭がやりたいです(笑)。
夏、湘南に遊びに来た人へおすすめするスポットはありますか?
菊池大介 鎌倉ですね。僕にとってのパワースポットです。街並みもそうですし、オシャレなお店もたくさんあって。ヒマがあれば行くほど、好きな場所です。
HAN-KUN 僕も地元でもあるので鎌倉ですね。平塚は夏に七夕まつりがあって、藤沢も江の島があって、それぞれの良さがあるんですけど、湘南の中で唯一街並みが違う場所が鎌倉で。歴史を感じてもらえるし、お寺と海の距離感が素晴らしいです。日本中でもこんなに海と近い距離にお寺がたくさんある場所はなかなかないんじゃないかなと。そこは感じてもらいたいですね。鎌倉大仏も海を見ていますから。
湘南に来たら、こう遊べ!という楽しみ方はありますか?
HAN-KUN 海はもちろんですけど、花火大会もいいですね。打ち上げ数は多くないですけど、そこに合わせての街の盛り上がりもそうですし、すごく好きで、ぜひ感じてもらいたいです。鎌倉だと滑川という川を降りていくと、火の粉が飛んでくるくらい大迫力で見られるので。屋形船に乗ってみると真下からみることもできたりして。
海や砂浜といった湘南の王道の遊び方以外の楽しみ方はありますか?
HAN-KUN 山側ですね。源氏山とか銭洗弁天近辺だと、マイナスイオンを体中で浴びることができますね。
菊池大介 今の家が山も近くて、マイナスイオンは浴びています。僕は結構田舎育ちなので、静かな場所が好きなんです。
これから、もっと湘南を盛り上げていきたいとお考えかと思います。湘南の人間としてどういった活動をされていきたいですか?
HAN-KUN 自分がやっていることが最大の武器になると思っているので、いい音楽を作って、少しでも湘南の街に目が行くような入り口になりたいですね。さらにそこから、僕は音楽と合わせてサッカーがすごく好きなので、ベルマーレと一緒に、強い結束の下で広げていける方法、さっき冗談半分に文化祭でもやろうかと言いましたけど、なにか大きなフェスティバルができたら、サッカーが少し遠い存在でも音楽から入ることができるし、逆にサッカーが大好きな人に音楽も聞いてもらえるという、お互いにカルチャーの融合ができると思うので。それ自体が町おこしにもなりますし、そういったことができたらなと思います。
菊池大介 まずは湘南地域の子どもたちに試合を見に来てもらって、刺激を持って帰ってもらいたいですし、そういった子たちが将来、湘南ベルマーレを背負っていく存在になってくれれば、自分たちはすごく幸せなことです。あとは、練習や試合といった厳しいものを乗り越えて、湘南乃風さんの素晴らしい音楽を聴いてモチベーションを高めてやっていきたいです。それと文化祭(笑)。例えば、ファン感謝デーとかでも、そういったことができればすごく楽しいだろうし、ファンの方も盛り上がるでしょうし。さらに自分たちのファンにもなってくれればうれしいです。みんなで盛り上げていきたいですね。
最後に湘南のアピールをお願いします!
HAN-KUN 湘南は海も最高だし、内陸もそうだし、街自体にすごく魅力があるので、どこに住んでも間違いないです。平塚、逗子、鎌倉…、どこに住んでも湘南の空気を味わえると思っているし、そこから何かしらのつながりが絶対に生まれると思っているので。楽しい、魅力がたくさんつまった街なので、ぜひ遊びに来てください。
菊池大介 HAN-KUNが全部言ってくれました(笑)。確かにここにしかない空気感はありますし、他では味わえないリラックスした空間がこの地域にはあるので。素晴らしい場所なので、いろいろな人に来てもらって、盛り上がってほしいですね。
HAN-KUN&菊池大介 湘南エリアおすすめスポット
●match point 鎌倉店
昼はカレーをメインとしたダイニング、夜は豊富なお酒を取りそろえるバーとして、2つの顔を持つ。13年前に逗子店の姉妹店としてオープンしたお店の看板メニューはもちろんカレー。料理を担当する店長がカレー粉からこだわり、マイルドな口当たりに仕上がっている。多数そろえるお酒もバーテンダーがお気に入りのものを用意し、特にワインはおすすめとのこと。「落ち着いたお客様が多く、静かな雰囲気は鎌倉ならではですね」というお店で、たびたび訪れるという菊池選手もリフレッシュ?
住所:神奈川県鎌倉市扇ガ谷 1-8-6 (地図:https://goo.gl/maps/Wb1ZEtPefTz)
●4Rule
鎌倉・由比ガ浜通りに面したビーチファッションを中心としたセレクトショップ。サーフィン歴30年という店長が自らデザインしたアイテムが並ぶ。よく訪れる菊池選手とは「兄弟のような関係」と語る店長は、人との触れ合いを大事にしたいとの思いから4年前にお店をオープンし、「みんなが楽しめる」ことをコンセプトに掲げる。
住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜2-5-22(地図:https://goo.gl/maps/ARHfD32KYnJ2)
●国道134号線
横須賀から大磯まで、“湘南エリア”をなぞるように海沿いを走る国道134号は、HAN-KUNもストリートカルチャーをこの道沿いのいろいろな場所で知ったと話すとおり、サーフアイテムやストリート系ファッションを扱うショップ、メニューはもちろん外観やインテリアにまでこだわったカフェなどが並ぶ。江の島近辺は夏場、海水浴客で人の海に。一方で鎌倉近辺は寺社仏閣が沿道にあるなど、歴史を感じさせる場所もあり、様々な顔を見せる約60キロの道となっている。
●湘南ベルマーレひらつかビーチパーク
1990年、相模湾活性化イベント「サーフ’90」開催を契機に、未来型ビーチの一つとして誕生。ビーチバレーやビーチサッカーなどのビーチスポーツが1年中楽しめる。当初は平塚市が運営していたが、現在は湘南ひらつかビーチクラブと湘南ベルマーレの共同事業として運営。無料で各コートが使え、付近の住民や近年のビーチバレー五輪代表選手も練習で使用しており、7~8月は海水浴場も併設。湘南ベルマーレの選手たちもトレーニングで使用するなど、気軽に楽しむ人からプロレベルまで広くビーチスポーツに触れることができる。東京五輪を4年後に控え、さらなるビーチスポーツの拡大と発展に貢献することを目指す。
住所:神奈川県平塚市高浜台33−1(地図:https://goo.gl/maps/EoUAEkZp8w32)
●カフェ ナチュール
平塚の山側、小高い丘にある緑のテーマパーク・木村植物園内に構える。ドッグランが敷地内にあり、同店もペットを連れての利用OK。犬を連れて散歩をすることをリフレッシュにしている菊池選手もおすすめで、ワンちゃん用メニューもあり。フランス語で「自然」を意味する「ナチュール」を店名にしているとおり、メニューに使用するハーブなどは自家製で、店長が自ら園内で栽培をしている。「喧騒から離れて、静かな環境で過ごす良さを感じています」と店長が話す同店でマイナスイオンを感じて、リフレッシュしてみては?
住所:神奈川県平塚市土屋241(地図:https://goo.gl/maps/EgtRM5VmFT12)
■Information■
HAN-KUN
『Island Vibes』発売中
Disc1:Albam/Disc2:Mix CD ¥2,315+ 税
先日、ニューヨークにおけるワールド・ミュージックのランドマークとして知られるS.O.B’Sにて、ライブを大盛況のうちに終了した湘南乃風の”ヴォイス・マジシャン” ことHAN-KUN。そのHAN-KUN がこの度、およそ2 年振りとなるニューアルバムの発売が決定!
HAN-KUN公式HPへ
■特報!!■
8月27日(土)に開催される明治安田生命J1リーグ セカンドステージ第10節、vsガンバ大阪@Shonan BMW スタジアム平塚にてHAN-KUNのライブが開催! 詳細は湘南ベルマーレ公式HPにて!!
湘南ベルマーレ公式HPへ
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長