日本で最後に開催されたCWCは、レアル・マドリードと鹿島が決勝で対戦した [写真]=Getty Images
5日、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長が、ウェブ会見を実施。国際サッカー連盟(FIFA)の協議会で決定した事項について説明した。
FIFAは4日の会合で、2021年度のFIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)において、同年度から拡大予定だった24チーム参加形式での開催を止め、現行フォーマットである7チーム参加として、日本での開催を決めた。これにより、新型コロナウイルスの影響で2021年2月へと延期になっているカタール開催の2020年度大会と合わせ、2021年にCWCが2回開催されることなる。
田嶋会長は決定の経緯について、2016年まで日本で同大会を開催していた運営実績、東京オリンピック開催に伴うスタジアム等の整備などが評価され、日本での開催を打診されたと説明した。また、2021年に設立100周年を迎えるJFAだが、節目の年に東京で開催が予定されていた国際サッカー連盟総会(FIFA Congress)のキャンセルとウェブでの開催になったことも報告。FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長から、「CWCは日本が育てた大会」「JFAが100周年を迎えることもあり、日本で開催したい」という言葉があったことも説明された。
また、「拡大開催となるCWCでも日本は手を挙げていましたが、財政面などの理由もあり、(2021年からは)中国開催となりました。ただ、拡大開催ではなくなったので、今までと同じということで日本だろう」というFIFA内での議論があったと説明。中国開催からの変更になったことは「これまでの運用実績や東京オリンピックの施設踏まえ」日本が選ばれたと話している。
開催時期については、「決定はしていませんが、ヨーロッパのカレンダーを考えると、クリスマス直前の週末開催が流れとしてある」と、従来のカレンダーでの開催を想定。Jリーグや天皇杯があり、EAFF E-1サッカー選手権の開催も予定していたため、調整が必要であると続けた。
新型コロナウイルスの状況や東京オリンピックの開催自体も不透明な中での決定となるが、訪日客などの扱いについては「もちろん議論はありました」とし、「日本がノウハウを持っているからという話は実際に出ました」と、オリンピック開催も視野に入れての決定となったようだ。観客の有無については「可能な限り、フル(満員)でやれれば、という話はされましたし、ワクチンの問題などありますが、私の希望もそうです」と、状況を見ながらの判断となるが、満員での開催を望んでいることが総意であったと説明した。なお、「すでに一報は入れましたが、進められるようにしたい」と、国と今後協議を重ねていく姿勢も示している。
「昨日の会議ほど、『日本』というワードが出た日はなかった」と話す田嶋会長。協議会では女性選手の産休規定などが承認されたが、2021年から開幕するWEリーグが先んじて女性選手との契約などについてルールを定めたことに対して「先駆けて進めたことに対して、お褒めの言葉もいただきました」とし、産休中の給与3分の2保証、産休となった選手の離脱期間における戦力補填、授乳できる設備提供などが定められたため、「WEリーグはほぼカバーしていますが、足りなければ追加してもらうよう岡島喜久子チェアに伝えます」と、ルール整備を進める。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト