就任会見に臨んだ小倉隆史新監督(中央)
名古屋グランパスの新監督に就任した小倉隆史氏が25日、名古屋市内のホテルで就任記者会見に臨み「より多くの笑顔と喜びをクラブに関わるすべての人と分かち合いたい」と意気込みを述べた。
50人を超える報道陣が注目する中で、小倉新監督は「目指すチームスタイルのキーワードは『スマートさ』、『テクニカル』、『共感』である。自分自身の言葉で表現すると、『5人目の動き』というサッカースタイルになる」とした上で、「しかしながら、(そうしたサッカーが)明日からすぐにできることではないと重々承知ですし、長期的な視点で見なければスタイルは確立されない。まずは、そのスタイルを作り上げるために土台が必要になる。そのために根本的な戦う姿勢をグランパスとして持っていかないといけない。チームスタイルを確立しながら、戦う集団、厳しさを持つチームにしていきたい」と当面の目標と課題を強調した。
2005年に現役を引退し、指導者の経験はないものの、「自分自身に監督経験がないことや、クラブの現状を考えると(今回の監督就任の話は)非常にリスクがあると分かっている。しかし、今回14年ぶりに(GM補佐として)クラブに戻ってきて、グランパスに対する育ててもらった気持ちや思いが込み上がってきて、何とかしたいなと思っていた。より良いクラブにする、その実現に向けて今回の話を引き受けた」と要請を受諾した理由を語った。
加えて、GM兼任の意義について「(若手時代に所属したオランダのクラブでは)クラブとしてのスタイルを持っているからこそ、地域のファン・サポーターが強く応援するということを感じた。グランパスもそうならないといけないと感じていた。そしてスタイルを確立し、それをファン・サポーター、地域の方々に発信すること、証明することによって、グランパスの存在意義が増すのではないかと感じている。非常にチャレンジングで大きな仕事だが自分自身の力を最大限発揮したい」と語った。
2010年以降リーグ優勝から遠ざかっているチームを託された小倉監督は「クラブとして一つになることが必要になる。選手・スタッフの信頼関係を確固たるものにしながら一つになり、全身全霊で目標に向かうことで、ファン・サポーターの信頼を勝ち得るのではないかと思う。そしてより多くの笑顔と喜びをクラブに関わるすべての人と分かち合いたい」と覚悟を示した。
クラブ側は中長期的な視点でチーム再建を小倉氏に託した。会見に同席した久米一正社長は「今年から愛されたいクラブ宣言を出した。その上でクラブとして、どうしたら愛されるかを真摯に考えている。そういうことを踏まえながら、新しい風を吹かすために小倉監督と話を進めてきた。指名したからには全面的にバックアップをして、皆さまから愛される名古屋グランパスにしていきたい」と小倉氏の監督就任に至った経緯を説明した。
現在42歳の小倉氏は四日市中央工高から1992年に名古屋に入団。99年まで在籍し、その後は東京ヴェルディ1969(現・東京ヴェルディ)、コンサドーレ札幌に所属し、2005年にヴァンフォーレ甲府で現役を引退。今年6月からGM補佐に就任し、選手補強などチームづくりに携わってきた。
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By サッカーキング編集部
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