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「ここで間違いなかった」…菊地と河本の背中を追って成長を続ける大宮DF山越

2016.07.16

浦和戦での先発出場が濃厚の山越 [写真]=Getty Images

 大宮アルディージャのルーキーDF山越康平は、ここまでの歩みに手応えを感じている。

「ここで間違いなかった」

 明治大学時代、高さと対人の強さを武器に、大学屈指のセンターバックとして名を馳せた山越は、複数のJクラブによる競合の末、大宮への加入を決断。「大宮で守備の要になりたい」と誓った。

 ここまで、明治安田生命J1リーグ戦8試合、ヤマザキナビスコカップ(決勝トーナメントよりYBCルヴァンカップに改称)6試合に出場。リーグ戦での初先発は、1st第13節のサガン鳥栖戦だった。第12節で主将の菊地光将が負傷したことにより、山越に出番が回ってきたのだ。「主力にけが人が出た時に自分を使ってもらえていることは、渋谷(洋樹)監督に感謝しなければいけないし、期待に応えないといけないという気持ちがある」。その鳥栖戦では、相手エースの豊田陽平にゴールを許さず、持ち味に自信を深めた。「豊田選手に競り合いで結構勝つことができたので、改めて自分の武器であるヘディングはJリーグでも通用するなと感じました」

 その後、第15節まで3試合連続でフル出場を果たした。「一瞬で失点につながるようなミスをした試合もあったけど、それも含めて良い経験を積めているので、順調な1年目だと思います。今後は、細かなミスをもっとなくしていきたい」。そんな新人に対し、ベテランのGK加藤順大は「新人というよりやれて当たり前の選手。不安はないです」と期待を寄せる。

 山越が大宮を選んだことについて「間違いなかった」と述べたのは、1年目から試合に出場できているからという理由だけではない。堅守を誇る大宮で主力を担うセンターバックの菊地と河本裕之の存在も、大きな理由の一つだ。「2人は本当にすごい選手。すごく勉強になるし、大宮が勝ち点を取れているのは2人がいるからこそと言っても過言ではないと思う。そういう選手のプレーを間近で見られることは幸せなこと」

 もちろん、2人の代役にとどまるつもりはない。「2人の良いところを盗みながらも、越えていかなきゃいけないと思っています。そのためには、日々の練習がすべてなので、1日1日しっかりと取り組んでいきたい」

 2ndステージ第3節のガンバ大阪戦では、菊地が負傷したことにより、81分から途中出場した。出場時間はわずかだったが、難しい時間帯で投入された中でも、アデミウソンら強力FW陣を相手に冷静に対応。「やっぱり外国人選手に怖さはありましたけど、シンプルにプレーすることを心掛けました」(山越)。ルーキーらしからぬ落ち着きと、堂々とした振る舞いも彼の強みだ。

 2ndステージ第4節の浦和レッズ戦は、菊地の代役として先発起用される可能性が高まっている。山越は、「もし監督に使ってもらえたら、ファーストステージの時はこっちのミスで失点して難しい試合になってしまったので、ゼロで抑えられるようにしたい。ダービーは本当に大舞台ですし、楽しみです」と、“さいたまダービー”初出場へ意欲を見せた。

 大宮の選手たちはG大阪戦の「勝ち点1」に満足しておらず、「勝てる試合内容だった」と口をそろえている。「これから上に行くために、レッズは倒さなければいけない相手」と山越。リーグ戦5連勝中と波に乗るライバルを相手に結果を残すことができれば、レギュラー争いにおいて大きなアピールになることは間違いない。

「大宮で守備の要になる」。その目標を果たすため、そして大宮のプライドを懸けて大一番に臨む23歳のプレーに注目したい。

文=平柳麻衣

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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