■大宮アルディージャ J1残留決定と熊谷開催で高いモチベーションを保てるか
6試合を残して来季のJ1残留を決めた。優勝を争うクラブであれば、まったくニュースにもならないだろう。しかし、毎年のようにシーズン終盤まで残留争いを繰り広げてきた大宮アルディージャにとっては、大ニュースだ。しかも、リーグ戦前節で大宮が勝利したのはサンフレッチェ広島。1stステージの対戦では相手にならず、完敗を喫したが、この試合では劣勢の時間にしっかりと耐え、CKからのチャンスを逃さずにFW江坂任が得意のヘディングで決勝点を挙げた。ここからさらに上位を目指したいところなのだが、J1残留が確定したことによって、気の緩みが出てしまう危険性もある。渋谷洋樹監督が、どのようにモチベーションを高めていくかがポイントだ。
今節の対戦相手である川崎フロンターレには、1stステージの最終節で0-2と敗れている。そのリベンジと捉えるのもありだろう。また、今節は年に一度の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で開催される特別なゲームでもある。普段は大宮まで試合を見にいけないという人たちにも、大宮を知ってもらうチャンスだ。J2だった昨季は、ここでセレッソ大阪に敗れているだけに、2年連続での黒星は避けたいところだろう。
広島戦ではマテウスが負傷し、今節は出場できない見込み。今季、ゴール欠乏症に陥っているムルジャが先発に入り、2試合連続ゴールに期待が掛かる江坂がマテウス不在となる右サイドハーフで起用されると予想する。リーグ戦は直近5試合で無敗だが、2ndステージに入ってから連勝がない。2ndステージ首位の相手に勝ち、上位を狙えるチームであることを示せるか。(totoONE編集部)
■川崎フロンターレ CS進出決定なるか、エース大久保は再び量産体制へ
勝敗のポイントとしては、両者のセットプレーを挙げたい。リーグ戦前節アビスパ福岡戦での川崎は、攻め込みながらもゴールが奪えない展開の中、セットプレーによる得点で試合を動かすことに成功した。流れの中で相手を崩すことができるチームではあるが、やはりセットプレーでスコアを動かせるに越したことはない。エアバトルに長けたエドゥアルドが先発復帰したこともあり、今節も迫力あるセットプレーからの得点に期待だ。
また、セットプレーには守備面で気をつけたい。前節の大宮は、流れの中では防戦一方になりながらも、CKからのチャンスをモノにして広島相手に勝利をつかんでいる。セットプレーで打開してくる相手の集中力には気をつけたい。
先発に関しては、前節のアビスパ福岡戦で機能した田坂祐介のセンターバック起用を継続する可能性がありそうだ。試合展開によっては、三好康児や森谷賢太郎がトップ下に入る形や、前回の大宮戦同様に、左サイドに中村憲剛が配置される組み合わせもありそうだ。奈良竜樹や小宮山尊信など長期離脱者も練習復帰を遂げており、戦力が充実しつつあるのも終盤戦の戦いに向けて楽しみでもある。
リーグ戦残り6試合になり、得点王争いもいよいよ佳境に突入する。1位のピーター・ウタカを追いかける3年連続得点王の大久保嘉人は、2点差の状況を「射程圏内」としながらも、「でも自分も点を取り続けないといけないから」と気を引き締める。天皇杯のブラウブリッツ秋田戦、前節福岡戦と公式戦2試合連続得点中となり、再び量産体制に入ってきた。
今節に勝てば年間3位以内が確定となる。目標は年間優勝だが、今節でチャンピオンシップ出場権を得ておきたい。(いしかわごう)