[写真]=Getty Images
「2019年シーズンは自分が中心になってやろうと意識していたし、責任感も感じていた。それをタイトルにつなげられなかったのは、『鹿島のセンターバック』として物足りないですね。鹿島のセンターバックである以上、今日みたいなミスはなくさなきゃいけない。(大岩)剛さんにも『どんな時でも堂々とした立ち振る舞いをしろ』とずっと言われてきましたし、それをこれからの成長で表現していくしかないと思います」
新国立競技場のこけら落としとなった2020年元日の天皇杯決勝。常勝軍団・鹿島アントラーズは21冠目を目指してヴィッセル神戸との一戦に挑んだが、序盤から相手を受ける形になり、主導権を握られた。内田篤人は「システムのギャップもあったし、要因は1つじゃない」と分析したが、理想的な入りができなかったことは間違いない。
センターバックの犬飼智也も悪い流れに飲み込まれ、18分にルーカス・ポドルスキの折り返しに反応した藤本憲明との接触でオウンゴールを献上。メンタル的に大きなダメージを食らった。
そのショックが癒えないまま迎えた38分。西大伍のクロスに飛び込むもまさかのクリアミス。背後にいた藤本に押し込まれ、2点目を奪われるという失態を演じてしまったのだ。
「あれは明らかに自分のミス。右足を出すか、左足を出すか、少し迷った部分もありますけど、どっちにしてもセフティーにやらなきゃいけなかった。あのまま1-0で行ってれば自分たちの時間が来ていたと思うし、本当に悔いが残ります」と屈辱感を噛み締めるしかなかった。
鹿島は後半に入るとペースをつかみ、相手ゴールに迫っただけに、前半の2失点は本当に痛かった。そのままタイムアップの笛を聞くことになり、大岩監督へタイトルを贈ることができなかった。犬飼は試合後、ロッカールームで号泣したという。
2018年に清水エスパルスから移籍してきた際、鹿島の最終ラインには昌子源と植田直通という日本代表選手が在籍していた。犬飼にチャンスが巡ってきたのは同年夏、植田がベルギーへ移籍し、昌子もケガで長期離脱したことで徐々に出番が増えていった。サガン鳥栖から加わったチョン・スンヒョンとのコンビネーションに磨きがかかり、アジアチャンピオンズリーグ初制覇にも貢献。クラブワールドカップにも参戦し、過去にないハイレベルな舞台を経験していった。
直後に昌子がフランスへ赴いたこともあり、2019年シーズンの彼はDFの要としてチーム全体を統率するという大役を託された。秋田豊、大岩、岩政大樹、昌子ら「鹿島のセンターバック」と言われる偉大な面々と同じような存在感を発揮させるべく、指揮官もさまざまな要求を犬飼に突きつけた。期待に応えようと、本人もかつてないほど声を出して周囲を鼓舞し、献身的に味方のサポートに入るなど、多彩な仕事をこなすようになった。その一挙手一投足からは、清水や松本山雅時代とは比べ物にならないほどの責任感や意識の高さが表れていた。
しかし、「タイトル」という結果が伴わなければ、“常勝・鹿島”の要とは認めてもらえない。厳しい現実を天皇杯決勝で突きつけられ、自分をどう進化させていくべきかを真剣に考えているに違いない。
「やっぱり鹿島は勝利に対する姿勢は変えちゃいけないし、そこだけはブレてはいけない。新シーズンの開幕からそういう戦いぶりを見せられるようにしたいと思ってます」
2020年の鹿島は変革のシーズンを迎える。2017年夏から指揮を執った大岩監督が去り、ザーゴ新監督が就任。コーチングスタッフもガラリと入れ替わった。選手も1年半コンビを組んだチョン・スンヒョンが去っただけでなく、中村充孝や山口一真らが移籍。奈良竜樹や杉岡大暉らJ1で実績を残してきたプレーヤーが加わり、新たなチーム作りがスタートしている。
DF陣では天皇杯決勝を戦ったブエノ、成長著しい町田裕樹と関川郁万が残り、そこに奈良が入るという陣容で、さらに外国人選手が加入する可能性もある。大岩監督の寵愛を受けてきた犬飼と言えども、どういう扱いを受けるのか全くの未知数と言わざるを得ない状況だ。それでも、大岩監督から言われてきた「鹿島のセンターバック」としての自覚は持ち続けることだけは忘れてはいけない。そのうえで、細かいミスをなくし、強力な発言力やリーダーシップを示せるようになれば、彼はステップアップできるはずだ。
天皇杯決勝からわずか1週間程度のオフを経て、鹿島は今週8日から始動する。強行日程の中でも、犬飼には持ち前のタフさと逞しさを見せつけてもらう必要がある。悔し涙から始まった2020年を笑顔で締めくくれるかどうか。それは彼自身の努力と結果にかかっていると言っても過言ではない。
文=元川悦子
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By 元川悦子