今野泰幸(右) [写真]=佐藤博之
爽やかな快晴に恵まれた憲法記念日の3日に行われた横浜F・マリノス対ガンバ大阪戦。3万5000人を超える大観衆が集結する中、中村俊輔と遠藤保仁の両司令塔を筆頭に何人もの日本代表経験者が先発出場したが、ピッチにいるはずの選手が1人足りなかった。ザックジャパンの守備の要・今野泰幸である。
今野は今季に入って予期せぬ不調に陥り、長谷川健太監督も「いい時の今ちゃんとはかけ離れた状態」と深刻に捉えている。それでも過去の実績と経験が買われ、開幕からコンスタントに起用されてきた。しかし、4月12日のセレッソ大阪との大阪ダービーで左ひざを負傷。今野が下がった後、長谷川監督が遠藤をFWからボランチに下げて内田達也と並べたことで、攻撃のリズムが著しく改善した。
この出来事をきっかけに、今野の立場が危うくなった。続く19日の大宮アルディージャ戦は大事を取ってベンチスタートとなったが、本人は「スタメン落ち」と受け止め、ショックを隠さなかった。最終的に決勝点を挙げてチームの今季2勝目の立役者となったが、本人の表情は異様なほどにこわばっていた。
次の26日の川崎フロンターレ戦ではボランチの先発に復帰したものの、チームは1─2で完敗。今野自身も良さを見せることができなかった。そして29日の柏レイソル戦は、川崎戦で顔面を強打したオ・ジェソクの代役として右サイドバックで出場。しかし、リンスの今季初ゴールを活かせないまま、チームは連敗を喫してしまう。
そして今回の横浜FM戦。オ・ジェソクの完全復活によって、ついに今野はベンチに押し出される形になった。彼がケガや体調不良以外の理由でスタメンを外されたのは、2012年にG大阪へ移籍してから初めてだ。ボランチには遠藤と内田が入った。
前半は決定力不足に悩む横浜FMに対し、遠藤らが確実にボールを握り、リズムを作った。今野が交代出場したのは後半22分。内田の足がつったためだった。実際、長谷川監督は2点を失った後、倉田秋と二川孝広の2枚代えを画策していた。そこで内田の足がつるというアクシデントが起きたため、急きょ二川ではなく今野を投入したのだ。最後のジョーカーは宇佐美貴史と決まっているから、この日の今野は突発的な事態に救われた格好だ。
しかしながら、23分の出場時間で際立ったパフォーマンスは示せなかった。ガムシャラにゴールを狙おうという積極性は垣間見えたが、結果につながらなければどうしようもない。31歳のベテランの背中には、苦境から抜け出すきっかけをつかめない苦悩の色が滲む。
「0─2で負けている状況だったし、マイボールになった瞬間に前へ走ってマークを引きつけたりとか、どうにかして打開したかったけど、何もできずに終わってしまった。今日サブに回った理由は僕自身が一番よく分かってるし、今の状態だったら納得できる。また這い上がらないといけないと思うし、どうにかして早く自分を取り戻してチームに貢献したいという気持ちはすごく強くですけど……」
「今は全てがかみ合ってない。メンタル、モチベーション、フィジカルコンディション、全てにおいて良い状態にない。だから思うようなプレーもできないし、イメージも広がらない。俺も今、苦しいけど、ガムシャラに、ミスしてもいいからやりたいし、この状況を打開するために何でもやろうと思ってる。今は連戦が多いからなかなかハードな練習はできないけど、自分の感覚を取り戻すために、遠征に帯同しないメンバーと一緒に練習したり、メンタル的にも良い時の映像を見てマイナス思考にならないように気を配ってます。でも状況は全然変わってないですね。これまでのプロ生活の中でも波はあったけど、ここまでひどいのはない。いろんなことを経験して、考えることが多くなりすぎて、シンプルに考えられなくなってるのかもしれない。若い頃は何も考えないで本能だけでやってたけど、今は難しいですね。だけど、人が解決してくれるわけじゃないし、自分自身で何とか解決して、またピッチに立ちたいです」
自身もかつて日本代表選手だった長谷川監督は「W杯メンバー発表前のこの時期は気持ちと体の持っていきようが難しい」と教え子の心理を代弁したが、それは間違いなくあるだろう。
今野の場合は特に、2010年南アフリカ大会では右サイドバックのレギュラーとして主力で戦うはずだったのに、本大会直前のコートジボワール戦で左ひざじん帯を損傷。ポジションを駒野友一に譲ったという過去がある。「日本は16強に行ったけど、俺自身は何もしてない」と当時悔しさを吐露していただけに、今回に賭ける気持ちは人一倍強い。その強い思い入れが空回りにつながっている部分もあるのかもしれない。
もう1人の守備の要・吉田麻也も負傷離脱している今、今野が計算外の状況なのはザックジャパンにとっても大きなダメージになりかねない。いかに早く浮上の糸口をつかむか。6日の最下位・徳島ヴォルティス戦は、16位に沈むチームにとっても、本人にとっても重要な一戦となる。
文/元川悦子
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