カンボジア戦に出場したMF香川真司 [写真]=兼子愼一郎
文=元川悦子
3月のヴァイッド・ハリルホジッチ監督就任後、アジア相手に公式戦4戦未勝利という苦境に直面していた日本代表。3日の2018 FIFAワールドカップロシア アジア2次予選・カンボジア戦(埼玉)は絶対に勝ち点3が必要だった。
自陣に引いて人数をかけて守る相手に対し、いかにゴールをこじ開けるかが最重要テーマであることを、選手全てが強く認識してこのゲームに挑む。
8月15日に今シーズンのブンデスリーガが開幕して以降、公式戦5試合で4ゴール2アシストという華々しい活躍を見せている日本のエースナンバー10・香川真司(ドルトムント)はそのキーマンになる存在と目されていた。本人は「クラブと代表は別物。切り替えなければならない」と慎重な物言いを崩さなかったが、ドルトムントのように前線にいるアタッカー陣をうまく生かしつつ、状況を見ながら自らがスペースに飛び出していければ、確実に得点が奪えるはず。そんなイメージを彼自身も持って試合に入ったに違いない。
この日の香川は6月のシンガポール戦(埼玉)に比べて立ち上がりからキレが感じられた。前回は中央突破にこだわりすぎて窮屈そうにプレーしていたが、今回は左右に大きく動きながらゴール前へ侵入していく。そんな彼からはゴールの予感も少なからず漂っていた。
実際、前半45分の間には、DF酒井宏樹(ハノーファー)のマイナスクロスにニアサイドで反応した30分の右足ボレー、MF山口蛍(セレッソ大阪)とのワンツーからゴール左寄りの位置に抜け出した41分の決定機、そして左を深くえぐったFW武藤嘉紀(マインツ)の折り返しに抜け出し無人のゴールに流し込もうとした43分の得点機と、3度のビッグチャンスが巡ってきた。とりわけ3つ目は完璧な崩しで、普通に蹴れば文句なしに入っていたシーンだった。それを外したのは、やはりいただけない。シュートミスの後、日ごろ冷静な香川が芝生を蹴り上げるという極めて珍しい行動に出たことが、ショックの大きさを物語っていた。本人も「あれは自分が慎重に行き過ぎて固くなった。あってはいけないミス」と悔やみきれない様子だった。
後半に入ってハリルホジッチ監督が武藤と香川のポジションを入れ替え左サイドに開いてからは、彼はトップ下にいた時より余裕を持ってプレーできるようになった。後半16分にFW岡崎慎司(レスター)のシュートのこぼれ球を押し込んだ3点目も、ポジション変更によるメンタル面の変化、視野の広がりがプラスに働いたのではないだろうか。このゴールは彼にとって1月のアジアカップ・ヨルダン戦(メルボルン)以来、9カ月ぶりの得点。日本代表通算21点目で偉大な元日本代表FW中山雅史氏に並んだ。そしてチームもMF本田圭佑(ミラン)、DF吉田麻也(サウサンプトン)と香川自身のゴールで3-0の勝利。指揮官にやっと公式戦初白星をプレゼントできた。
目に見える結果が出て彼自身も安堵感を垣間見せたが、やはり試合を通してみると不完全燃焼感の方がどうしても強かったのだろう。「前半早い時間帯に点が取れることを狙っていて、チャンスもいっぱいありましたし、僕には決めないといけないのが2~3点はあった。外してることには課題を感じます」と口をついて出るのはいつも通り、反省の弁ばかりだった。
こうした取材ゾーンでの受け答えに象徴されるように、香川は日本代表に来るたび、心からサッカーを楽しめていない様子をどこかに感じさせている。ドルトムントではFWピエール・エメリック・オーバメヤン、MFマルコ・ロイス、MFヘンリク・ムヒタリヤンらクオリティの高いアタッカー陣との共演をエンジョイし躍動しているのに、代表ではいつも責任感ばかりが前面に出ている。武藤からラストパスを受けたシーンで必要以上に固くなってしまうのも「自分がやらなければいけない」という思いが強すぎるからに違いない。それがエースナンバー10の重圧なのか、攻撃の主軸としての義務感なのか分からないが、とにかく香川はいったんそういうものを脱ぎ捨てた方がいい。
数々のシュートミスを繰り返しながらも、喉から手が出るほどほしかった1点をカンボジア戦で手に入れた事実は大きい。この結果を努めて前向きに捉えることが肝要だ。ドルトムントで絶好調をキープしている今だからこそ、彼は自分の感性を大事にしながら、イメージした方向に進んでいくべきだ。自らアクションを起こす積極性とアグレッシブさがあれば、次はもっとゴールを量産できるはず。8日のアフガニスタン戦(テヘラン)ではもっともっと躍動感ある香川真司の姿を多くの人々に見せてほしいものだ。
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By 元川悦子