かつて27年間にわたってマンチェスター・Uを率いていたファーガソン氏 [写真]=Getty Images
マンチェスター・Uの元監督アレックス・ファーガソン氏が、自身の代名詞ともなっている“ヘアドライヤー”について、意外とも言える事実を告白した。今週、ミラノで行われたワールドビジネスフォーラムの場でのファーガソン氏の発言をイギリス紙『サン』が伝えている。
名門マンチェスター・Uで27年間にわたり指揮を執ったファーガソン氏。その在任期間中にプレミアリーグを13回、チャンピオンズリーグも2回制覇した紛れもない名将であるが、一方で癇癪を起こしやすい性格であったことでも有名である。選手の顔のすぐ近くで大声で怒鳴りつける様子は「ヘアドライヤー」と呼ばれて恐れられていた。しかし実際にこの方法を用いる機会はごくわずかだったようである。
「それについてはいろんな神話が語られているが、27年間でそのように怒ったのは6回だけだ。選手たちもそれを証明してくれると思う」と意外な事実を告白した同氏。その一方で、自身の性格については「選手が私に言い返してきた時、そちらの方にしか気が向かなくなってしまう。それが私の問題だ」と述べ、反省している様子だ。それでも、自身の監督としての姿勢については確信を抱いているようで、恩師である元スコットランド代表監督ジョック・ステイン氏とのエピソードを交えながら次のように語った。
「ステイン氏には『月曜日になるまでは選手たちに言いたいことは言うな』と常に言われていたが、私には無理だった。だから日曜日の試合後に、自分が感じたありのままのことを選手たちに伝えていた。そして翌日にはそのことは忘れて、再び次の勝利に向けて準備を進めていた。私の仕事はチームに勝つためのポジティブな姿勢を植え付けることであり、選手たちが自分を表現し、決して屈することなく、クラブのために楽しんでプレーするようにすることだった。これが何よりも大切なことだったんだ」
さらに、「恐怖によってチームを統率したことはない」と断言したファーガソン氏。本人が認めるように多少怒りやすい性格であったのかもしれないが、彼が残した偉大な功績の数々を考えると、監督としての選手への接し方、試合に臨む姿勢、また“ヘアドライヤー”さえも、チームを成功に導く要因の1つなのかもしれない。
(記事/Footmedia)
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