ドイツの大手スポーツメーカー、プーマは20日、イギリスのロンドンで最新のスパイク「トリックス」を発表した。左右にそれぞれイエローとピンクという別々の配色を施した同スパイクは、「エヴォパワー」と「エヴォスピード」の2つのモデルで展開される。
同発表イベントに参加したチェルシーのスペイン代表MFセスク・ファブレガスは、プーマの新作トリックスについての感想をはじめ、今夏フランスで開催されるユーロ2016への意気込み、自身の今後、来季からチェルシーに就任することが決まっているイタリア人監督アントニオ・コンテ氏、そして様々な選手に対する思いを語ってくれた。
■サッカーは情熱と楽しさから成り立つもの
――プーマの新スパイクについてどう思う?
セスク・ファブレガス(以下、セスク) 毎年改良が施されているし、手袋を足にしているみたいな感じ。すごく快適だし、僕の動きやプレースタイルに合っていると思う。
――新スパイクの一番好きな部分を挙げるとしたら?
セスク フィット感だね。正直、軽すぎるのはあまり好きじゃない。僕にとっては、中盤の激しい攻防で足を蹴られたりするから、足を保護してくれるスパイクの方が好きなんだ。
――新作のスローガン「PlayLoud(=目立て)」から連想することは?
セスク サッカーは情熱と楽しさから成り立つものだ。それぞれの人が持つサッカーへの情熱や楽しみ方は異なる。パスやシュートのスキルを磨く人もいれば、ゴールを決めることだけにこだわる人もいる。目立ち方は多種多様だね。
――ユーロ2016フランス大会についてどう思う?
セスク 毎回、大会は激しいものだし、予想がつかないものだ。今回もスペイン、ドイツ、イタリアは優勝できる選手がそろっていると思う。でも、大会本番の7,8試合でどれだけ力を出せるかがカギになると思う。
――ワールドカップ優勝国のドイツについての印象は?
セスク 素晴らしいチームだし、今大会でも脅威となるだろう、彼らはDF陣から試合を組み立てることができる。
■チェルシーがあるべき本来チームになる
――来シーズンからチェルシーに就任するアントニオ・コンテ監督についてどう思う?
セスク 今、僕が知っていることは彼が勝利者だということ。彼は何かを勝ち取りたいだろうし、1年目からそれを狙うと思う。カギとなるのはどれだけ彼のやり方に選手たちが順応できるかということ。戦術や技術の部分でね。プレシーズンでは監督が求めるサッカーが分かるだろう。僕らは全力で彼の力になるつもりだし、全力を尽くしてチェルシーがあるべき本来チームになろうと思っている。
――来シーズンの目標は?
セスク 選手としてもっと成長することだね。今シーズンは全くよくなかったから。チェルシーには新監督が来るし、新しい哲学を学べ、そして新しい経験ができると思う。
――自分自身、近い将来の移籍はあると思う?
セスク 正直、サッカー界では何が起こるか分からない。僕はアーセナル、バルセロナ、チェルシーでプレーしてきたけど、それぞれのクラブで、そこにずっととどまるつもりでいたし、それは今も変わらない。
――今、最強だと思うチームは?
セスク それはバルセロナとバイエルンだ。彼らは最高峰のレベルにいる。
――プレミアリーグとリーガ・エスパニョーラの違いは?
セスク バルセロナとレアルマドリーには常に世界最高レベルの選手たちが在籍しているし、彼らは戦術的にも優れている。プレミアリーグの戦術は一流とはいいがたいけど、似ていると思う。ラ・リーガはバルセロナとレアルマドリーの2強で成り立っているけど、それに比べてプレミアリーグはかなり競争が激しいね。
■最高の選手はメッシ。100%断言できる
――イングランドでの生活はどう?
セスク 16歳で初めてきて、今年29歳になるから、バルセロナでの3年を引くともう10年になる。一番食べた料理はフィッシュ&チップスだね。パイ&マッシュも好きだよ。
――今シーズンのプレミアリーグで最優秀選手は誰だと思う?
セスク トッテナムの(イングランド代表FWハリー・)ケインも候補だと思うけど、レスターの選手であるべきだと思う。だから(同国代表FWジェイミー・)ヴァーディーか(アルジェリア代表MFリヤド・)マフレズだね。どちらかと言えばマフレズかな。
――今までプレーした中で最高の選手は?
セスク (アルゼンチン代表FWリオネル・)メッシだね。100パーセント断言できる。練習でも見たことのないプレーをするんだ。
――今までプレーした中で最高のセントラルMFパートナーは?
セスク 選ぶのが難しいな。でも正直、アーセナルで組んだ(元フランス代表MFマチュー・)フラミニとの2年間はすごくやりやすかったよ。彼は僕のカバーをよくしてくれた。僕は攻撃参加するタイプの選手で彼は守備的だから、役割がはっきりしていた。(元ブラジル代表MF)ジウベルト・シウバかフラミニのどちらかだね。
――バルセロナでプレーしたシャビやイニエスタは?
セスク 僕は彼らをセントラルMFの選手じゃなく、違うタイプの選手たちだと思っている。このポジションのパートナーというのは2人1組で成り立つし、一人が攻撃参加したら一人が守備をするものだからね。シャビとイニエスタは素晴らしいけど、セントラルMFとしてのパートナーとしては挙げられない。パートナーとして選ぶなら、ジウベウト、フラミニ、そして(セルビア代表MFネマニャ・)マティッチといった選手になる。だから一人選べというなら、難しいけど、ジウベルトかフラミニのどちらかだね。
――今まで一番服装がおかしかった選手は?
セスク (カメルーン代表MFアレックス・)ソング!
――今まであった選手の中で冗談(ドッキリ)が上手かった選手は?
セスク (スペイン代表DFジェラール・)ピケだね。彼は平気で選手の車のタイヤをナイフでパンクさせる奴なんだ。僕が一番やられたと思ったのは、チャンピオンズリーグのアウェイ戦でポルトと対戦した時、僕の子供たちを勝手に連れ出して家中を荒らされたことだ。本気でとんでもないことが起こったと思ったよ。
――今、プロを目指している子供たちへのアドバイスは?
セスク 自分よりサッカーを知っている人の話をよく聞くこと。そして楽しむことだね。子供のうちからプレッシャーばかり感じながらプレーするのはよくない。自分の良さを出して、自由に楽しむことが重要だと思う。楽しめれば実力はつくからね。プレッシャーと付き合いながらプレーするのを学ぶのは大人になってからでいいと思う。
By サッカーキング編集部
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