イングランドに逆転勝利を収めたアイスランド [写真]=Getty Images
ユーロ2016決勝トーナメント1回戦が27日に行われ、イングランド代表とアイスランド代表が対戦した。
予選10戦全勝で前評判が高かったイングランドだが、グループステージは1勝2分に終わり、初出場ウェールズに次ぐ2位で突破した。しかし、2006年ドイツ・ワールドカップを最後に、主要国際大会の決勝トーナメントでは10年間未勝利。不名誉な記録を止めてベスト8進出を狙う。
一方、初出場のアイスランドは、ポルトガルとハンガリーに引き分けると、最終節でオーストリアから金星を挙げ、グループステージを2位通過。その勢いをそのままに、主要国際大会において初出場となる決勝トーナメントでも快進撃を目指す。
なお、大会前の両チームの選手市場価値総額は、イングランドが4億7700万ユーロ(約535億3000万円)で、4500万ユーロ(約50億5000万円)のアイスランドに約11倍の差をつけている。
試合は開始早々の4分に動く。イングランドはペナルティエリア内左に抜け出したラヒーム・スターリングが相手GKハンネス・ハルドルソンに倒されてPKを獲得。キッカーを務めたウェイン・ルーニーが落ち着いてゴール左隅に蹴り込み、先制に成功した。
しかし、イングランドのリードは長く続かなかった。直後の6分、アイスランドがすぐさま試合を振り出しに戻す。右サイドからのロングスローをエリア内右のカリ・アウルナソンが頭で繋ぐ。ゴール前に走り込んだラグナル・シグルズソンが右足ボレーで合わせてゴールネットを揺らした。
同点ゴールで勢い付いたアイスランドは18分、エリア手前中央のパス交換から、コルベイン・シグソウルソンがエリア内中央で右足を振り抜く。枠の右隅を捉えたシュートはGKジョー・ハートに反応されたが、そのままゴールに吸い込まれた。
逆転を許したイングランドは28分、ダニエル・スタリッジが右サイドの深い位置からクロス。ファーサイドでフリーとなったハリー・ケインが右足で強烈なボレーシュートを放つが、相手GKハルドルソンにセーブされた。前半はこのままアイスランドの1点リードで終了した。
イングランドは後半からエリック・ダイアーを下げて、ジャック・ウィルシャーを投入。主導権を握るイングランドだが、後半最初のチャンスはアイスランド。55分、エリア内の混戦から、中央のR・シグルズソンがオーバーヘッドキックで狙うが、シュートはGKハートのセーブに阻まれた。
アイスランドの堅守に苦しむイングランドは、ミスや精度を欠くシーンも目立ち、なかなかチャンスを作れない。60分、スターリングに代えてジェイミー・ヴァーディを投入。直後には、右サイドのスタリッジからのクロスを、中央のデレ・アリが右足でダイレクトシュートを打つが、クロスバー上に外れた。78分には、ウィルシャーからの浮き球パスに、エリア内右のケインが頭で合わせるが、シュートに勢いがなくGKハルドルソンにキャッチされた。
試合を決めたいアイスランドは84分、味方のロングパスに反応したアロン・グンナルソンがエリア内右に進入。マークについたウィルシャーをかわして右足シュートを放つが、GKハートに阻まれた。イングランドは87分、ルーニーを下げて18歳FWマーカス・ラッシュフォードに最後の望みを託す。
しかし、試合はこのまま終了。初出場のアイスランドが2-1の逆転勝利でイングランドを破る大波乱となった。勝ち抜いたアイスランドは7月3日の準々決勝でフランス代表と対戦する。
【スコア】
イングランド代表 1-2 アイスランド代表
【得点者】
1-0 4分 ウェイン・ルーニー(PK)(イングランド)
1-1 6分 ラグナル・シグルズソン(アイスランド)
1-2 18分 コルベイン・シグソウルソン(アイスランド)
By サッカーキング編集部
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