練習中の衝突が伝えられたボアテング(左)とレヴァンドフスキ(右) [写真]=Anadolu Agency/Getty Images
20日に行われたバイエルンの練習で、ドイツ代表DFジェローム・ボアテングとポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキが小競り合いを起こし、ジョゼップ・グアルディオラ監督が両選手を練習場からつまみ出すという事件が起こった。
ドイツの各メディアが伝えたところによると、1対1の場面でレヴァンドフスキがボアテングの足を踏みつけると、すぐさまボアテングがスラインディングをお見舞い。両者がつかみ合いかけたという。
だが、184センチのレヴァンドフスキとにらみ合う192センチのボアテングを、172センチと小柄なDFラフィーニャが勇敢に制止。170センチの元ドイツ代表DFフィリップ・ラームも仲裁に入り、大ごとにはならなかった。しかし、一部始終を目撃していたグアルディオラ監督は両選手にレッドカード、退場を命じた。
練習で熱いファイトを見せたバイエルンだが、現在リーグ戦3連敗中。そのやる気のなさを批判する声も出ている。
16日のブンデスリーガ第33節では、残留争い中の15位フライブルクに1-2の逆転負けという失態を演じたばかり。この結果、フライブルクは14位に浮上し、バイエルンの勝利をアテにしていた残留争い中のクラブのサポーターからは不満が噴出した。
ツイッター上では、バイエルンの“残留争いゆがめ”で盛り上がり、雑誌『FOCUS』のウェブサイトには、『バイエルンがフライブルクに敗北。これは競争をねじ曲げているか?』なるアンケートが登場した。(56パーセントが「その通り。バイエルンは恥を知るべき」と回答。残り44パーセントは「ご冗談を。バイエルンに非はない」と答えている)
不満はサポーターに限ったことではなく、残留争い中の当事者からも出ている。日本代表MF清武弘嗣と同DF酒井宏樹が所属するハノーファーは、リーグ第33節に約5カ月ぶりの勝利を収めたがフライブルクを抜けず、順位を一つ上げただけの16位にとどまった。すると、マネージャーのディルク・ドュフナー氏は「いくつかのクラブは、シーズン終盤にバイエルンと試合をさせてくれと申し出るようになるんじゃないか」と皮肉たっぷりのコメントを残している。
だが、ボアテングとレヴァンドフスキによる闘争心あふれる行動は、バイエルンに対して「やる気がない」という批判がとんだ言いがかりだと証明することに、一役買った格好だ。
ドイツ紙『ビルト』は、ロッカーに引き上げた後、両者が握手を交わしたことを伝え、さらに、今回のもめごとの背景には、ボアテングの疲労がピークに達していることに加え、双子の娘の養育権争いというプライベート問題が、関係しているのではないかと指摘している。