ドイツ杯で4部クラブに敗れ、試合後は一部のサポーターが暴動を起こした [写真]=Bongarts/Getty Images
9日のDFBポカール1回戦で、ハンブルガーSVが4部カールツァイス・イエナに延長の末2-3で敗れるという失態を演じた。
50年を超えるブンデスリーガの歴史で、1度も2部降格を経験していない名門クラブだが、最近は2シーズン連続で入れ替え戦に回るなど、やらかした話題ばかりが目につく。
12日には、発売したTシャツにプリントされた横断幕が、対戦相手のサポーターによってつくられた作品だったことが発覚した。
問題となったのは、1部を意味する「ERSTKLASSIG」と描かれた横断幕。実は、HSVのサポーターではなく、2013年8月に対戦したヘルタ・ベルリンのサポーターの手によるものだった。“HSVがヘルタの横断幕を盗作”として、真っ先に報じたドイツ紙『ビルト』によると、ネット上の様々な掲示板にヘルタ・サポが大挙して突撃。騒ぎに気づいたのか、HSVはTシャツの販売を中止し、オンラインショップからもひっそりと商品が消えたもよう。
わずか4日の間に2つの失態。これだけでも十分だが、その前後にも痛い事件が頻発している。
DFBポカール敗退直後の10日には、ペーター・クネーベルSD(スポーツディレクター)が、監督・選手の給与リストやスカウティングリポートなど、クラブの機密情報文書の入ったリュックを紛失し、ハンブルク市内の公園で発見されていたという前代未聞のスキャンダルを『ビルト』紙がスクープ。
発見者が善良な市民であったことが幸いし事なきをえたものの、HSV側の対応のまずさが目立ち、批判を浴びている。
発見者の女性はすぐさまHSVに連絡を入れたものの、クラブ側はまともに取り合わず、当のクネーベルSDも紛失に気づいていないという始末。発見女性がクラブとの押し問答を根気強く続けた結果、ようやく解決したという。
クネーベルSDは『ビルト』紙に対し、「ちょうど引っ越しをした時期で、リュックを探し始めたところだった。書類は古いデータで、現在は必要としておらず、なくても困らない」と開き直りの発言をしているが、そういう問題ではないはず。書類と一緒に、同SDのクレジットカードも入っていたそうで、“この人に大事なクラブを任せて大丈夫なのか?”という反応はファンなら当然だ。
スケールの大きさでは、この事件には及ばないものの、HSVの残念なニュースは枚挙にいとまがない。
先週は、HSVがチームバスのラッピングデザインを公募したところ、約4割が「2部行き!」といった、おちょくり案で応募したことが表ざたに。ドイツのメディアは「HSVのアクション、オウンゴールに」と笑いものにしていた。
また、昨シーズンの入れ替え戦後に発売された残留記念Tシャツでは、ドイツの風刺ニュースサイトからデザインを堂々と盗んだことで、大ひんしゅくを買っている。メディアもこぞって次のネタを探しており、HSVのピッチ外での快進撃はしばらく続きそうだ。