バイエルンに所属するT・ミュラー [写真]=Bongarts/Getty Images
元ドイツ代表FWの“爆撃機”ことゲルト・ミュラー氏が、アルツハイマー病のため今年2月から介護施設に入居していることが明らかになり、ドイツサッカー界から悲しみの声が上がっている。
7日、ドイツ紙『ビルト』が伝えたところによると、ミュラー氏と同時代にバイエルンとドイツ代表でともに戦った同クラブ名誉会長フランツ・ベッケンバウアー氏は、「1960年代当時、(バイエルンがクラブハウスを置く)ゼーベナー通りにあった木製の小屋のようなクラブハウスで、私たちはともに練習着に着替えていた。ゲルト・ミュラーという男がいなければ、バイエルンのクラブハウスは今もまだ木の小屋だっただろう」と話したという。
またミュラー氏やベッケンバウアー氏と同じく1960年から1970年代のドイツサッカーを盛り上げたユップ・ハインケス氏も、「彼のような素晴らしい人物が、もう自分で自分のことをできなくなるなんて悲劇でしかない。この病気は人間に起こるものの中で最もひどい病気の1つだ」と沈痛な面持ちで語ったそうだ。
さらに、バイエルン所属のドイツ代表FWトーマス・ミュラーは、同クラブのトップチームへ昇格する前に、U-23チームを経由しており、そこでコーチを務めていたミュラー氏の薫陶を受けている。
「ゲルトは僕にとって巨大なお手本なんだ。まだ若い時にアマチュアチームに昇格し、彼と知り合う機会を得ることができた。彼は僕に、ペナルティエリア内でどのように動いたら良いのか、そのヒントをたくさん与えてくれた。今でも心から感謝している。ゲルトの得点率に到達できる人はドイツでは1人もいない。にもかかわらず、彼はいつも謙虚で、誰に対しても優しく、どんな時でもファンからのサインに応じていた。彼は僕が知っている中で最も温かい人物だよ。だから本当につらい」
By サッカーキング編集部
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