無所属状態が続くグロスクロイツ(右) [写真]=Bongarts/Getty Images
昨夏、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントからガラタサライへの移籍を試みるも、提出書類の不備により移籍が破談となったMFケヴィン・グロスクロイツ。同選手は、来年1月からの契約を前提に9月からガラタサライでトレーニング、そして練習試合への参加を許可され、イスタンブールで汗を流す日々を過ごしていた。
しかしすでに、その9月の時点で「家族や友人がいなくて本当に寂しい。特に兄弟と会えないのは辛すぎる」と弱音を吐き、今月上旬にはついにホームシックがピークに。3年総額500万ユーロ(約6億7500万円)という文句のない契約を目前にしながらガラタサライを去り、ドイツ紙『ビルト』によると、現在は再びドルトムントで家族とともに生活しているという。
同紙によれば、グロスクロイツは数年前、ドルトムント中心部から北へ約8キロのブレヒテン地区に隣り合わせの住居を2軒購入。片方に本人が住み、もう片方には父マーティン、母ピア、そして15歳年下の弟レニーらが住んでいるという。それほどまでに家族との時間を大事にしていたグロスクロイツであれば、そもそもホームシックにかかるのは時間の問題だったのかもしれない。
さて、ガラタサライとの関係を解消し、祖国へ帰還したグロスクロイツの次期所属クラブがどこになるのかは、非常に気になるところ。しかし5日、ドイツ誌『スポーツビルト』が伝えた内容によれば、ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEOは「ケヴィンはこのクラブに功績を残してくれた。いつでも友人やゲストとして歓迎したい。しかし我々の登録メンバーの状況は、彼がこのチームを出ていった時と何も変わっておらず、彼がここに戻ってくるのは意味のないことだと思う」と語っており、古巣への復帰は現実的ではない。
また『ビルト』は、ドルトムントを地図の中心に置き、図解する記事を掲載。それによると、自宅から車通勤が可能であろう100km圏内にあるクラブは、ブンデスリーガ1部から同3部まで計13あるという。
ただし、グロスクロイツがこれまで公に罵倒し続けてきた“宿敵”シャルケへの移籍はどう考えてもあり得ない。またパーダーボルン、ボーフム、デュイスブルク、デュッセルドルフなど2部のクラブ、オスナブリュックやミュンスターなど3部クラブは財政規模が小さいため、移籍の可能性は非常に低いものと思われる。そうなると選択肢はレヴァークーゼンかボルシアMGしか残されていないのだが…。
10日にはかつての恩師ユルゲン・クロップ監督が率いるリヴァプールへの移籍話も浮上している。しかしトルコより近いとはいえ、イングランドへ渡ってしまえば家族と頻繁に会うこともできなくなり、ホームシックが再燃することも十分考えられる。
グロスクロイツが冬以降に所属するクラブは、果たしてどこになるのだろうか。
文=鈴木智貴
By 鈴木智貴