決勝ゴールを挙げた試合の後、サポーターと写真を撮るマネー [写真]=Bongarts/Getty Images
ブレーメンに所属するガンビア人FWウスマン・マネーが、ブンデスリーガ初得点を記録した。選手のコメントを16日、ブンデスリーガ公式サイトが伝えている。
同選手は2014年に、17年間を過ごした西アフリカの母国ガンビアから亡命。同国ではマネーが生まれる前から現在に至るまで同一の独裁者による統治が続いている。サッカースクールに所属していた経験もあるが、将来的なプロ選手としての成功を考えてドイツに渡ってきた。
家族と離れて単身ヨーロッパへ渡ったマネーは、ドイツで難民認定を受けてブレーメンの施設に入った。地元のアマチュアリーグに所属するブルーメンソールでフットボールを再開すると、その才能は瞬く間にプロクラブからの注目を集め、ブンデスリーガのブレーメンのユースへの入団が決まった。
昨シーズンはアレクサンダー・ヌーリ氏が率いるU-23チームで1年間プレーしたマネー。今シーズンの開幕時点ではトップチームに登録されていなかったが、9月に同クラブのビクトル・スクリプニク前監督が成績不振で解任されると、ヌーリ氏が後任として指揮官に就任。これに伴ってトップ昇格を果たしたマネーは、47番を背負って4試合連続でセンターフォワードとしてスタメン出場していた。
そして15日に行われたブンデスリーガ第7節のレヴァークーゼン戦で、歓喜の瞬間が訪れた。1-1の同点で迎えた59分、ブレーメンは左サイドでフリーキックを獲得。キッカーがグラウンダーのボールをエリアに送り込むと、ディフェンダーに当ってこぼれたボールがマネーの前へ。同選手が倒れ込みながら右足を振り抜くと、相手選手の間を抜けてボールがネットに突き刺さった。
同選手のブンデスリーガ初得点が決勝点となったブレーメンは、シーズン2勝目を挙げた。監督交代を機に一躍ヒーローとなった19歳のストライカーは試合後、「ここに立っている今も、何が起きたのかわからないんだ。本当にゴールを決めたのか、それともただの夢なのか、わからないよ。レヴァークーゼンのような素晴らしいチームを相手に決勝ゴールを挙げられるなんて、言葉にできない感覚なんだ。信じられない!」と、喜びを爆発させている。
母国の家族とも頻繁に連絡を取っており、大きな期待を背負ってブンデスリーガの舞台に立っているマネー。あこがれの選手には対戦したばかりのメキシコ代表FWハビエル・エルナンデスや、チームメートの元ペルー代表FWクラウディオ・ピサーロの名を挙げた。
また、マネーにとってのブンデスリーガ初ゴールは、同時にガンビア人にとっての初ゴールとしても記録されることになった。これについては「とても誇りに思う。ガンビア人として初めて、4試合も出場したことを誇りに思っていたし、今はゴールできたことを誇りに思っているよ」とコメントしている。
新戦力の活躍もあり、ブレーメンは順位表でも13位まで順位を上げてきた。上向き調子の同クラブは次戦、23日に3位ライプツィヒと対戦する。亡命から2年、一気にトップレベルの舞台に駆け上がった19歳が今後どのような活躍を見せるのか、注目だ。
By サッカーキング編集部
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