終盤まで残留争いを演じたパレルモ、ウディネーゼ、フロジノーネ、カルピ(左上から時計回り) [写真]=Getty Images
今シーズンのセリエAは、フィオレンティーナが16年ぶりに首位に立ったり、近年低迷を続けていたインテルがトップを走ったりと、例年とは違う顔ぶれが前半戦の上位争いを彩った。また、中小クラブのサッスオーロが大健闘を見せ、カルピとフロジノーネという2つのクラブがセリエAに初参戦したことなど、見どころは色々とあった。
最終的には序盤戦でつまずいたユヴェントスがしっかり立て直して、1930-35年以来、2度目の5連覇という偉業を達成。下位では、熾烈な残留争いの結果、最下位のヴェローナに加え、昇格組のフロジノーネとカルピが1年での降格を余儀なくされた。
そんな2015-16シーズンのセリエAの11位から20位までを改めて振り返ってみる。
■11位:ジェノア(65点)
昨シーズンは6位と躍進したジェノア。UEFAライセンスが取得できなかったため、ヨーロッパリーグへの出場は叶わなかったが、今シーズンも欧州カップ戦出場圏内を争うことが期待された。
アンドレア・ベルトラッチ、イアゴ・ファルケら主力を引き抜かれたことも影響し、序盤戦は苦戦。折り返しとなる第19節を終えた時点で17位と、降格の危機に晒されていた。それでも後半戦で復調すると、最終的には11位でフィニッシュ。宿敵サンプドリアよりも上の順位でシーズンを終えた。
2015年1月に加入し、昨シーズンも10試合6ゴールとインパクトを残したレオナルド・パヴォレッティは、今シーズンも25試合14ゴールと印象的な活躍を披露し、ユーロ2016に向けてトレーニングキャンプを実施するイタリア代表にも初招集された。来シーズン、再び欧州カップ戦出場を狙うためにはパヴォレッティをチームに留めたいところだ。
■12位:トリノ(60点)
昨シーズンを2シーズン連続の1ケタ順位で終え、ELでも躍進を見せるなど、近年は中堅クラブとして着実に力をつけていた。5年目を迎えたジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督の下、さらなる上位進出を見込まれていたが、安定した戦いを見せることはできなかった。
冬の移籍市場では後半戦の起爆剤として、2シーズン前のエース・ストライカーだったFWチーロ・インモービレをレンタルで獲得。復帰初戦から1ゴール1アシストを飾り、その後の活躍を期待されたが、ゴール量産とはいかず。チームも中位を抜けだせないでいた。終盤戦はFWアンドレア・ベロッティが得点を重ねて白星を拾ったが、12位でのフィニッシュは十分とは言えないだろう。
■13位:アタランタ(75点)
アタランタは昨シーズン、セリエAに昇格した2011年以降で最悪となる17位に終わった。今シーズンは、昨シーズン途中から指揮官に就任したアドアルド・レーヤ監督のもと、復調を期して臨んだ。
開幕戦ではインテルに敗れたものの、その後5試合を無敗で切り抜けるなど、序盤戦から好調を維持。冬の移籍市場ではここ数年チームの中心選手として活躍したマキシ・モラレスとヘルマン・デニスが退団したが、マルコ・ボリエッロとアレッサンドロ・ディアマンティといった実力者を獲得。後半戦も大きく崩れることはなく、13位でフィニッシュした。
■14位:ボローニャ(70点)
2年ぶりに復帰したセリエAでは思うように勝点を積みあげられず、序盤戦は降格圏に沈んでいた。しかし、昨年10月末にロベルト・ドナドーニ監督が就任すると、3位のローマに引き分け、首位のナポリを撃破するなど躍進。また、破竹の勢いで勝利を重ねていたユヴェントスの連勝記録を15で止めた。
残留というミッションを見事にクリアしたことは評価されるべきだろう。一方、第26節以降はわずか1勝しかできなかったことは、来シーズンへの不安要素となりそうだ。
■15位:サンプドリア(45点)
前年度を7位で終え、今シーズンは開幕前から期待値が高かった。迎えた開幕戦で大勝を収め、ヴァルテル・ゼンガ監督の下で順風満帆なスタートを飾ったかに思われたが、中盤戦から徐々に失速。昨年11月にゼンガ監督を解任し、ヴィンチェンツォ・モンテッラを新指揮官に据えた。監督交代で好転することが望まれたが、その後もチーム状態は上向かずに残留争いを強いられた。
第27節のフロジノーネ戦、第28節のヴェローナ戦と、残留を争うクラブとの直接対決を制したことでなんとか降格は免れたが、ライバル・ジェノアよりも下の順位で終わるなど、成功のシーズンとは程遠い1年だった。
■16位:パレルモ(45点)
セリエA復帰1年目となった昨シーズンはパウロ・ディバラやフランコ・バスケスの活躍もあり、11位と好成績を収めた。しかし、ディバラをユヴェントスに売却した今シーズンは、迷走の1年となった。
序盤は開幕2連勝を飾るなど上々のスタートとなったが、次第に調子を落とすと、マウリツィオ・ザンパリーニ会長は11月にジュゼッペ・イアキーニ監督の解任を決意。しかし後任に招へいしたギジェルモ・バロス・スケロット氏がUEFAライセンスを取得していなかったことなどもあり、2月までに5回の監督交代が繰り返され、その後イアキーニ監督が再びチームを率いることとなった。
だがイアキーニ監督は復任後3試合で勝ち点1を獲得するに留まると、ザンパリーニ会長からの酷評もあり、辞任を決意。クラブは3月10日にワルテル・ノッヴェリーノ氏の新監督就任を発表した。ノッヴェリーノ監督就任後もチームの調子はなかなか上がらず、34節終了時点では19位に沈んでいた。それでも、残り4試合で3勝1分けと復調し、なんとか残留を勝ち取った。
■17位:ウディネーゼ(65点)
3シーズン前までの3年間は3位争いを狙えるほどの高いチーム力を誇っており、スカウト部門の優秀さは定評があった“北の雄”ウディネーゼ。しかし2013-14シーズンの13位、昨年シーズンの16位に続き、今シーズンは最後の最後までなかなか残留をものにできなかった。残留、降格ラインは毎年40ポイント前後となる。今年は19、20位を除く勝ち点38から42の間で、5チームが争った。
アタランタ、パレルモなどを率いた経験のあるステファノ・コラントゥオーノ監督の新体制でシーズンを迎えた。長い目で見ていたオーナー、ジャンパオロ・ポッツォ氏は3月中旬で16位と迷走していため、第29節のローマ戦後、同監督を解任し、ルイージ・デ・カーニオ新監督を迎えた。1999年から2年間ウディネーゼを指揮していたこともあり、残留というミッションは果たした。また、クラブで2004年から12年間を過ごしたベテランFWアントニオ・ディ・ナターレが通算445試合出場、227得点という素晴らしい成績を残してグラウンドを去った。最終節のカルピ戦では途中出場からPKを決めて、自ら花道を飾っている。
■18位:カルピ(70点)
最終節までセリエA残留をかけて戦い、ウディネーゼ相手に2-1と勝利で締めくくったが、パレルモも白星を収めたため、降格となった。昨シーズン、セリエBを制覇した立役者のファブリツィオ・カストーニ監督が一年を通してチームを率い、「モチベーションを高くしてやってきた」と最後まで選手たちを鼓舞し、決してあきらめない姿勢を貫いた。ウディネのスタジアムにはサポーター300人以上が駆けつけ、セリエAのラストゲームを見守った。
前年から所属している選手に加え、パルマ、ミランなどセリエAでの経験抱負な35歳のDFクリスティアン・ザッカルドを獲得、またミランから若手のトップ下、シモーネ・ヴェルディがレンタル移籍で加入した。マルコ・ボリエッロが1月にアタランタへ移籍した後は、ケヴィン・ラザーニャが5得点とチームを牽引。再びセリエBへ降格することとなり、そのラザーニャらチームを離れる選手も多くのではないか、とみられている。
■19位:フロジノーネ(65点)
第37節でサッスオーロに0-1で敗れたことで力尽き、再びセリエBへ戻ることになってしまった。5月に入って故障や出場停止処分などでチームの主力選手たちが出場できなかったことが響いた。ルーカ・パガニーニ、ダニーロ・ソッディモ、ミルコ・ゴーリ、そしてラマン・チブサー、ダニエル・パヴロヴィッチらだ。数字で見ると、失点「76」は全20チーム中ワースト1位。セリエAの洗礼を受ける形となった。
現役時代は大型ストライカーとして知られたロベルト・ステローネ監督はこのフロジノーネで現役最後の2シーズンを過ごした。そしてユースの監督を経て2012年、当時セリエBからレーガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネ(3部)に降格したトップチームを指揮している。13-14シーズンから順調にステップアップし、昨シーズン、クラブ史上初のセリエA昇格に導いた。最終節後、クラブを離れることになったディヴィジオーネ監督は「残念でならない。全力を尽くしたが残留という結果を得られなかった」とコメント。指導者としての今後を見守りたい。
■20位:ヴェローナ(55点)
キエーヴォとのヴェローナ・ダービーが定着していたヴェローナ。今シーズンは全く良い所がなく、早々とB降格となってしまった。2010年、レーガ・プロ・プリマ・デヴィジオーネ(イタリア3部)時代からアンドレア・マンドリーニ前監督とともに歩み、2回の昇格で2013-14シーズンには10位、昨年は13位とそれなりに安定した結果を残してきた。だが今シーズンは11月末の時点で最下位とふるわず、クラブは監を変更。そしてユヴェントスなどを率いた経験があるルイージ・デル・ネーリ監督がベンチに座った。30年間の指導歴とキャリアにすがる形だったが、5勝13分20敗と、結局再浮上することはできなかった。セリエAに数シーズン留まることができたとしても、毎年しっかりと選手補強や準備をする危機感を持たなければならないという厳しさを教えてくれた。
昨シーズン、38試合で22ゴールを決めて再び脚光を浴びた元イタリア代表FWルカ・トーニは5月に入ってから引退を発表。第37節のユヴェントス戦ではPKの先制弾が勝利につながった。「ヴェローナをBに残してチームを去るのは辛い。僕個人にとっても最悪の一年だった」と話し、辛いラスト・シーズンとなった。
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By サッカーキング編集部
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