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敵は身内? サッカー連盟のインタビューでドイツ代表MFの笑顔が消える

2014.06.14

ドイツ代表のグロスクロイツ [写真]=Bongarts/Getty Images

 DFB(ドイツサッカー連盟)は13日、公式ホームページでブラジル・ワールドカップに臨む同国代表MFケヴィン・グロスクロイツのインタビューを掲載した。

 しかし同選手にとってこのインタビューは、いささか居心地の悪いものになってしまっただろう。なぜなら質問をする側であり、本来味方であるはずのDFBインタビュアーが開口一番「(ドイツ代表のキャンプ地である)カンポ・バイアにドネルケバブの店がないことはあなたにとって嬉しかったのでは?」と聞いたからだ。

 そして、これに対しグロスクロイツは笑顔を見せることなく真剣な表情で「正直言って、別に嬉しくないよ。ここにはホテルのロビーもないしね。その話はこのインタビューのメインテーマではないと思うんだが」と答えたという。

 同選手は遡ること5週間、ケルンにあるケバブ屋でケルンのファン達から揶揄されたことを理由に、彼らに向かって自身が食していたドネルケバブを投げつけたとされ、またそれから数週間後の先月18日未明、DFBポカール決勝後に開かれたパーティーを終えた同選手は、友人が宿泊していたベルリンのホテル内ロビーで立ちションをするという騒動を立て続けに起こしていた。

 これらの事件はドイツメディアに大きく取り上げられ、グロスクロイツはヨアヒム・レーヴ監督やドイツ代表マネージャーのオリバー・ビアホフ氏からきつい叱りを受けたと言われている。

 しかしDFBインタビュアーは上述のグロスクロイツの回答に「もう片付いたことだから?」と改めて聞き、同選手が「そういう問題ではない」と答えれば、更に「じゃあ何が問題?」と追及の手を緩めなかった。

 そしてグロスクロイツが「このテーマについては全て話されている。僕は自分が犯した過ちを笑いながら話すことはできない。家族や周囲の人間を失望させてしまったから。許しを請うこと以外自分にできることはない。僕はそれよりもスポーツのこと、サッカーのこと、そしてワールドカップのことについて話したい。それこそ僕のテーマだ」と話したところで、ようやく話題はサッカーに移った。

 改めてお灸を据えられた格好となったグロスクロイツ。所属クラブから6万ユーロ(約840万円)の罰金を科せられた醜聞の苦い思い出はまだまだ忘れられそうにない。

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