ワールドカップ王者のドイツは、FIFAランクでもトップに立つ [写真]=Bongarts/Getty Images
国際サッカー連盟は12日、最新のFIFAランキングを発表した。
サッカーファンにはお馴染みの同ランキングは、約1カ月に1度更新。1993年に開始されて20年以上の歴史を持ち、順位算出方式が2度改定されている。
初期は、勝てば3ポイント、引き分けで1ポイントが与えられ、累計で順位が決まる方式。2006年7月から続く現行方式も、賛否両論で様々な意見が交わされているが、重要度は増すばかり。ワールドカップ予選や大陸別選手権の組み合わせのみならず、ワールドカップ本大会でのシード国決定の際にも活用されている。
既に参考程度にとどまらないだけに、算出方法はFIFAの公式サイトでも公開されている。現行方式は過去4年間の国際Aマッチが対象で、実は算出方法もシンプル。各試合のポイント(P)は、結果(M)と重要度(I)、対戦国の強さ(T)、大陸連盟間の強さ(C)に基づいて、M×I×T×C=Pで算出される。
結果(M)は、ワールドカップでも親善試合でも関係なし。全試合で勝利が3、引き分けが1、負けが0(PKの場合、勝ちは2、負けが1)という値に設定。重要度(I)は、親善試合や東アジアカップなど小地域選手権が1.0、ワールドカップ予選やアジアカップなどの大陸選手権の予選は2.5、大陸選手権の本大会とコンフェデレーションズカップは3.0、ワールドカップの本大会は4.0となっている。
続いて、対戦国の強さ(T)は対戦時の直近ランキングで決定。1位は200で、2位から149位までは200から相手の順位を引いた値、150位以下は一律50に定められている。大陸間の強さ(C)は、南米サッカー連盟を1.0、欧州サッカー連盟を0.99、その他の大陸連盟を0.85と数値化。対戦2カ国の属する連盟の平均値を使用する。
1月に行われ、日本が2-0で勝利したアジアカップのグループ第3戦のヨルダン戦を例に計算すると、結果(M)は3、重要度(I)は3.0、対戦国の強さ(T)は107(1月発表のランキングでヨルダンは93位)、大陸間の強さ(C)は0.85。計算式に当てはめると、3×3.0×107×0.85=818.55となる。ちなみに、昨夏のワールドカップのグループリーグで、オランダが当時1位だったスペインを破った試合の場合は、結果(M)は3、重要度(I)は4.0、対戦国の強さは(T)200、大陸間の強さ(C)は1.0(当時の値)。3×4.0×200×1.0=2400という、ハイポイントマッチだった。
上記の4つの値を掛け合わせた数字が、各国際Aマッチでの獲得ポイント。4年を12カ月ごとに4分割し、それぞれの期間で獲得ポイントを合計し、消化した試合数で平均値を算出する。12カ月ごとの平均値を直近から100パーセント、50パーセント、30パーセント、20パーセントの割合で合算して弾き出された数字から、ランキングが決まる。
今回、先月に続いて1位の座を守ったドイツは、過去4年の合計ポイントが1728.78。直近12カ月における平均ポイントが1090.54で、以下が12カ月ごとに284.23(568.45ポイントの50パーセント)、225.42(751.40の30パーセント)、128.59(642.96の20パーセント)となっていた。
いかなる戦いでも、負ければ一切ポイントにならない弱肉強食のランキング。1993年の開始以降でランキング1位の経験国は、現在のドイツの他、ブラジル、イタリア、アルゼンチン、スペイン、フランス、オランダの7カ国のみで、ワールドカップ優勝8カ国よりも実は少なかったりする。
209の国と地域が、毎月シビアに順位付けされていることを考えれば、ランキングに対する見方も変わるかもしれない。