ブラジルW杯でキエッリーニ(奥)に噛み付いたスアレス(手前) [写真]=Getty Images
ウルグアイのプロサッカー選手労働組合が、FIFA(国際サッカー連盟)の汚職事件を受けて、同国代表FWルイス・スアレスの処分取り消しを要求している。イギリスメディア『BBC』が28日に報じた。
スアレスは、昨年夏のブラジル・ワールドカップでイタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニに対して噛みつき行為を行ったため、FIFAから9試合の代表戦出場停止、4カ月のサッカー活動の禁止(後に練習や親善試合の出場は許可された)、罰金約1100万円の処分を言い渡されていた。
その後、4カ月の処分を消化し昨年10月から、所属するバルセロナで試合に出場していたが、代表での処分は消化できておらず、6月11日から開幕するコパ・アメリカは参加できない状況となっている。
しかし、同組合は、複数名のFIFA幹部が逮捕、起訴されたことを受けて、スアレスに対する処分が不当だと主張。組合の公式サイトで次のようにコメントしている。
「もしルイス・スアレスが合意するならば、不正が横行する組織によって下された処分の撤回を要求する。スアレスがこの汚職疑惑の犠牲者なのは間違いない」
また、同組合の顧問弁護士を務めるエルネスト・リオッティ氏は、逮捕されたベネズエラサッカー協会のラファエル・エスキべル会長が、処分を決めたFIFA懲戒委員会のメンバーだったことを指摘し、さらに以下のように語っている。
「これらの(汚職疑惑の)事実から、ここ数年のFIFAの決定は疑惑に覆われている。(スアレスの処分が)違法行為の枠組みの中で決められたという証拠はない。だがそれが正しかったという保証も一切ない」