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マラドーナ氏が“神の手ゴール”を認めた主審を訪問「永遠の友人」

2015.08.20

86年のメキシコW杯で“神の手ゴール”を決めたマラドーナ氏 [写真]=Getty Images

 元アルゼンチン代表ディエゴ・マラドーナ氏が、“神の手ゴール”で話題となった1986年のメキシコ・ワールドカップ準々決勝アルゼンチン対イングランド戦で主審を務めたアリ・ビン・ナサル氏を訪問していたことが明らかになった。18日付のスペイン紙『エル・パイス』が報じている。

 マラドーナ氏はCM撮影で訪れていたチュニジアでビン・ナサル元主審の元を訪問した。ビン・ナサル氏は、メキシコシティのアステカ・スタジアムで行なわれた試合で、イングランド代表GKピーター・シルトン氏と競り合ったマラドーナ氏が手でボールに触ったのを見逃し、ゴールを認めた主審である。

 マラドーナ氏は18日、自身のフェイスブックに「週末にチュニジアを訪れ、アリ・ビン・ナサルと感動的な再開を果たした。アルゼンチン代表のユニフォームに永遠の友人アリへと書いてプレゼントした。彼からは、家に飾ってあったあの試合の写真を貰った」と投稿している。

 0-0で迎えた51分、マラドーナ氏はゴール前でジャンプして左手の拳でボールを叩き、ボールはシルトン氏の頭上を越えゴールネットを揺らす。イングランド代表は激しく抗議したが、マラドーナ氏のハンドを見逃したビン・ナサル主審がゴールを認めた。その4分後にはマラドーナ氏がワールドカップ史上ベストゴールと評される伝説の“5人抜き”を披露。2-1で勝利を収めたアルゼンチンが準決勝進出を決め、決勝では西ドイツを破り2度目のワールドカップ優勝を果たした。

 当初、マラドーナ氏はハンドを認めず、「ただ神の手が触れた」と表現していたが、10年前にアルゼンチンのテレビ番組で初めて自身のハンドを認めた。更に、シルトン氏は185センチの長身だが、マラドーナ氏は166センチしかなく、「ヘディングでは彼に勝ちようがなかったため、最初から手を使おうとしていたという。

 しかし、手を使ってゴールを決めたことは1度たりとも後悔をしたことはないようで、「正直に言って、ハンドでゴールを決めたことを後悔したことはない。セリエAのナポリとウディネーゼ戦でも同じようなことをしてゴールを決めた。ブラジル代表のジーコがウディネーゼでプレーをしていて、私に間違ったことだと思わないのかと聞いてきたから、全く思わないと答えたよ」と、自身にとっても思い出に残る試合だと語った。

「あの時、副審を見たら、ハーフウェーラインに向かって走っていた。誰も俺のところに来てゴールを祝ってくれなかったから、チームメートに俺をハグしろ、大騒ぎをして喜べばゴールが認められると言ったんだ。ヤツらはもじもじと僕のところにやってきてハグをしたけど、まるで、イングランドから、試合を盗んだと言いたげだったよ。だから、俺は言ったんだ。盗人から盗みを働いた者は100年間、許され続けるってね。イギリス人は我々に対してひどいことをたくさんしてきた。俺たちはイギリス人と対戦していたんだ」

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