引退試合に参加したGKロジェリオ・セニ(中央) [写真]=LatinContent/Getty Images
サンパウロの“レジェンド”がついにユニフォームを脱ぐ。42歳の元ブラジル代表GKロジェリオ・セニは12日、自身の現役引退を正式に発表した。
セニは1973年生まれの42歳。パラナー州はパト・ブランコの出身で、ユース時代はマット・グロッソ州のシノッピで3年間過ごした末に1990年にサンパウロのユースへ移籍した。トップチームへの昇格は1992年で、セニは四半世紀に渡ってサンパウロでキャリアを全う。1997年からレギュラーの座を獲得してサンパウロのゴールマウスを守り続けてきた。
23年間サンパウロ一筋の選手生活を送り、1237試合に出場。2005年にはコパ・リベルタドーレス王者としてFIFAクラブ・ワールドカップ出場のため来日もしている。ゴールキーパーながらフリーキックの精度が非常に高く、通算で131ゴールをマーク。この記録はギネスワールドレコーズにも認定されている偉業である。さらに2002年には(控えではあったが)ブラジル代表GKとして来日し、日本でワールドカップ優勝も経験している。
サンパウロの本拠地モルンビーで行われる予定のセニ引退試合については、約5万枚のチケットがすでに完売。そんなセニの功績について、元サンパウロ監督のムリシ・ハマーリョ氏は次のように評価している。
「セニは真のプロフェッショナルであり、サンパウロに多くのものをもたらした偉大な功労者だ。引退試合のチケットが完売したのも、彼の功績を顧みれば当然のこと」
キーパーとしてのゴール世界記録は2006年まで元パラグアイ代表GKホセ・ルイス・チラベルト氏が保持していたが、その記録をセニはあっさりと塗り替えた。セニは自身の引退を今年のブラジレイロン最終節を迎える前に表明していたが、ひざの怪我のため最終節には出場できずに引退を迎えた。
セニは自身の引退を受けて周囲に対する感謝の意を示した。
「私はサンパウロに関わり、私を支えてくれたすべての皆様に深く感謝している。国内外を問わず、サンパウロを応援してくれた全員にも感謝したい。25年間も居続けられたサンパウロは“私の故郷”であり、この素晴らしいクラブチームで選手生活を全うできたことを誇りに思っている」
現地では“神話”とまで表されているセニの現役生活。長らく続いたサンパウロの“神話”は、今年で終焉する。
(記事/Cartao Amarelo)