中華民国男子サッカー代表監督 黒田和生氏(左2番目)
前回、当研究所では中国で日本人サッカー指導者が就職するための「虎の巻」なるものを提供した。日本人サッカー指導者海外就職!〜「次世代アジアサッカー大国」中国への道を読む
今回、中国サッカー界に新たな動きがあった。
中国サッカー協会は、中超・中甲・中乙の各リーグに所属する全52クラブに対し、「アカデミー組織の設立と協会への登録」を2019年12月31日までに完了するよう義務付けた。所属するリーグにより、条件は異なるものの、期日までに履行されない場合は、クラブのライセンスを剥奪するとのこと。
◇下部組織(アカデミー)設立は、各リーグにより要求が異なる
・中超リーグ(J1相当) 3カテゴリー U19、U17、U15
・中甲リーグ(J2相当) 2カテゴリー U17、U15
・中乙リーグ(J3相当) 1カテゴリー U15
この動きは、近年中国に渡る日本人指導者にとって追い風となる。単純に試算してみても、最低でも「400人」の指導者が必要となる。当然、すでにアカデミーのあるクラブもあるため、求人としては400人以下になる。それでも未だアカデミー組織を持たないクラブが多いことを考えると十分チャンスはある。
◎求人数 200-300人
全クラブ・カテゴリーチーム数 100チーム × 4人 = 400人
・中超リーグ クラブ数 16 × 3カテゴリー =48チーム
・中甲リーグ クラブ数 16 × 2カテゴリー =32チーム
・中乙リーグ クラブ数 20 × 1カテゴリー =20チーム
※単純に全クラブに必要な指導者数として計算
※1カテゴリー4人セット(メインコーチ・アシスタント・フィジカル・GKコーチ)と仮定
※中超リーグのいわゆるビッククラブでは、9歳~19歳まで各カテゴリーでチームを保有しており、指導者の入れ替えが十分考えられる
FC今治と提携している杭州緑城サッカークラブは、アカデミーのメインコーチはすべて日本人で構成されている。
また今年から河北華夏幸福サッカークラブユースチーム監督に高畠勉氏が就任するなど、日本人指導者のニーズは確実にある。
ちなみに先日、中国大陸側ではないが、中華民国(台湾)男子サッカー代表監督に黒田和生氏が就任した。67歳の名将は、4年前に海を渡り、現地で育成の種を蒔き、今年11月から代表チームを率いる。選手が海外に活躍の場を求めることが当たり前となった今、次は指導者が海外でチャレンジすることが、日本サッカー発展のために必要ではないだろうか?
67歳の名将が奮闘している中、若手指導者が挑戦しない理由はない。
(アジアサッカー研究所 中華圏担当/松下)
アジアのサッカークラブや事業者の”中の人”になって、本物のサポーターやスポンサーを相手にリアルな運営を体験し、楽しみながら学ぶ&自分を磨く海外研修プログラムです。ビジネスでも大注目のアジア新興国は、チャンスも無限大。何を成し遂げるかはあなた次第!日本にいては絶対得られない体験をこれでもか!と積重なてもらいます。経験・年齢・性別・語学力不問です。
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By サッカーキング編集部
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