昨季2位のタンピネス・ローバーズとの対戦は、タイトな条件が設定されてはいるものの、昨年2月29日以来となる有観客での試合となった。アルビレックス新潟シンガポールが昨季2敗を喫したタンピネスは、主力選手がほぼ残留。ギャビン・リー監督のもとにテクニックに優れた選手がそろい、熟成された戦術は脅威となるに違いない。
一方のアルビSは、「クロスへの対応、そしていかにクロスを上げさせないかが重要になってくる」と直近2試合の反省を踏まえ、今節に向けて準備を進めてきた。短い準備期間の中でどこまで修正できているかが一つの見所となる。
試合は早々に動く。前半9分、タンピネスの左サイド、アルミン・ボスニャクにプレッシャーのかかり切らない場面でクロスを許すと、ボリス・コピトビッチが一足早くボールに触りゴールへ。アルビSは今季初めて追いかける展開となる。
しかし慌てることなく試合を進めるアルビS。ディフェンスラインでボールを回し、サイドチェンジや坪井清志郎へのロングパスからチャンスをうかがう。徐々に前線のオン・ユエンや谷口遼弥にもボールが入るようになり、攻撃のリズムが出てくるようになる。
迎えた20分。鋭いカウンターから一気に相手陣内へ攻め込むと、一度はボールを失うもののすぐにボールを取り返す。相手陣内で左右にボールを振って、ユエンから常盤悠へスルーパス。ワントラップして柔らかいクロスボールを上げると、走り込んだ谷口が丁寧にゴールへ押し込みアルビSが同点に追いつく。
その後も左サイドのユエン、常盤のコンビネーションや、谷口や坪井のフィジカルを生かした攻撃からチャンスを作るが、ゴールを奪うことはできず前半が終了する。
後半開始からファイロス・ハサンに代えて近藤蔵波を投入したアルビS。さらに攻勢が加速していく。54分、57分と立て続けに橋岡和樹がフリーでペナルティエリアまで侵入するシーンを作り、ゴールの予感を漂わせる。
すると、63分だった。この日積極的にボールを呼び込み攻撃の起点となっていたユエンから常盤とテンポよくボールをつないで谷口へ。ワンタッチでペナルティエリアに勢いよく侵入してラストパスを送ると、このボールの先に待っていたのは近藤。アウトサイドでシュートを放つとコントロールされたボールはゴール左に決まり、アルビSが逆転に成功する。
リードを得たアルビSは安定感のある試合運びを披露。タンピネスのヤシル・ハナピやゼルディン・メメドビッチ、仲村京雅などテクニックのある相手選手にも落ち着いて対応し続け、ピンチの芽を摘んでいく。終盤、坪井に訪れた2つのビッグチャンスこそ決め切ることができなかったものの、最後まで集中して試合をコントロールしたアルビS。2ー1でタイムアップを迎え、逆転勝利を飾った。
この結果でアルビSは首位をキープ。いまだ負けなしで次節、タンジョンパガー・ユナイテッド戦、第1クールの最終節へと向かう。
2021 SPL第6節(ホーム)
【日時】
2021年4月11日(日) 17:30キックオフ
【対戦相手】
タンピネス・ローバーズFC
【会場】
ジュロンイーストスタジアム
【スコア】
アルビレックス新潟シンガポール:2
タンピネス ローバーズFC:1
【アルビレックス新潟シンガポール得点者】
21′ 谷口 遼弥
63′ 近藤 蔵波
■次節の予定
2021 SPL第7節(アウェイ)
2021年4月17日(土) 20:30キックオフ
Vs タンジョン・パガー・ユナイテッドFC
@ジュロンイーストスタジアム
By サッカーキング編集部
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