[写真]=川端暁彦
新シーズンに向けて期待の高校生プレーヤーを取り上げていく企画の第5弾は、再び九州の有望株を紹介してみたい。先の高校サッカー選手権で8強まで勝ち進んだ宮崎・日章学園のセンターフォワード、村田航一だ。
選手権初戦で日章の前に立ちはだかったのは群馬代表・桐生第一。そのチームが最も警戒していたのが、「ゴリゴリ来る子」(小林勉総監督)であるところの2年生FW村田だった。
176cm・70kgと特別大きくなくともガッチリした体格の持ち主で、タフなコンタクトプレーをこなす1トップ。ただ、よくいるような“フィジカルのみ”のフォワードでもない。「(DFの視界から)消えて、もらい直して起点を作ってくる」(小林総監督)動きに、「10番(村田)を抑えろ!」と厳命されていた桐生守備陣は分かっていてもなお手を焼いていた。
中学・高校年代の指導を通じて多くのJリーガーを育ててきた名伯楽・小林総監督も「あの子はプロに行くだろうな。絶対にボールを失わない。『あの子に預けておけば安心』というのがある」と将来性に太鼓判を押した。
対戦した各校から厳しく警戒されていたこの選手権は無得点と、本人にとっては悔いの残る大会となった。ただ、この苦い経験もまた貴重な糧となるはず。前線の柱と期待される新シーズンでの、さらなる成長を待ちたい。