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【インハイ注目選手】広島皆実の背番号7・横路翔太、裏への飛び出しが魅力

2014.06.30

作陽戦で2ゴールをあげた広島皆実の背番号7・横路翔太【写真】=安藤隆人

 1.5列目で正確なボールコントロールとパスで飄々とプレーしながらも、チャンスと見るや一気にその牙をむく――。

 広島皆実の背番号7・横路翔太は、4-3-3を敷くチームの2シャドーの一角を担っている。

「常に相手にとって怖い選手になることを心掛けています」

 横路の持ち味は高いキープ力と、キレのあるドリブルからのパスとシュートに加え、鋭い裏への飛び出しにある。バイタルエリアで起点を作りながらも、常に相手の守備のほころびを狙い続け、絶妙なタイミングで勢いよく急所をえぐるように飛び出してくるのだから、相手にとって脅威でないはずがない。

 インターハイ出場権を獲得した後のプリンスリーグ中国・第8節の作陽戦。この試合でも、横路は相手にとって大きな脅威となった。広島皆実は第7節終了時点で2位、広島皆実同様にインターハイ出場を決めている作陽は4位。上位対決とはいえ、首位の立正大淞南に引き離されないためにも、絶対に勝利を収めたい一戦だった。

 開始7分、いきなり横路が牙をむく。左からの崩しから、一気にトップスピードでDFラインの裏に抜け出すと、先制弾を蹴り込んだ。これでチームに勢いをもたらすと、16分には中央突破を仕掛けたMF油井喬介の動きを見て、CBの間のスペースに急加速して走り込む。油井から糸を引くようなスルーパスが届くと、GKとの1対1を冷静に制して、2点目を決めた。

 作陽の出鼻をくじく、見事なライン突破からの2ゴールで、試合を優位に運んだ。

 その後、作陽に1点を返されるが、後半に入っても横路は脅威であり続けた。63分に右FKを得ると、得意の左足を一閃。これはゴール右ポストに直撃するが、その直後の64分に、ロングボールから油井が鮮やかなハーフボレーで、試合を決定づける3点目を挙げる。72分にも交代出場のMF丸川太誠が、ダメ押しの4点目を決め、4-1の完勝を収めた。

「中国総体で(準決勝で)米子北に1-3で負けて、みんなの気持ちにスイッチが入った。今のままではインターハイでも勝てなくなる。(第7節の)瀬戸内戦とこの作陽戦は絶対に勝ちきろうとみんなで思っていた。瀬戸内と作陽に勝てて、いい流れになったと思う」

 殊勲のスピードアタッカーは、安堵の表情を浮かべた。だが、「もっと流動的に攻めないといけないし、個人的にももっとシュートを狙って、攻撃のリズムを作り出していきたい」と、攻撃の牽引者として、すぐに気持ちを引き締め、先を見つめた。

インターハイでは自分たちが何もできなかったということがないように、やりたいことをやりきった試合をしたい。そうすれば結果はついてくると思います」

 勝つことで深まる自覚。5年ぶりのインターハイで、より相手の脅威となるように。バイタルエリアで激しい鼓動を放つスナイパーは、その牙を研ぎ澄まし続ける。

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