U-17W杯MVPに輝いた杉田(左)、常盤木のエース白木(右) [写真]=FIFA via Getty Images、馬見新拓郎
第23回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が、2015年1月3日(土)から11日(日)まで、兵庫県を舞台に開催される。大会は32チームによるノックアウト方式で行われ、女子高校生の日本一を決定する。
開幕を前に同大会へ出場する32校の中から、注目選手を紹介したい。
■白木星(FW/常盤木学園)
数多の名選手が付けてきた名門・常盤木学園の背番号10を預かる、ストライカー兼チャンスメイカー。最前線のポジションだけでなく、下がり目のポジションも経験したことで、プレーの幅がさらに広まった。常盤木学園に入学する以前のノルディーア北海道時代には、すでになでしこリーグ2部で公式戦に出場した経歴を持つ。昨季はU-19日本女子代表(ヤングなでしこ)として、アジアU-19女子選手権に出場し得点を挙げた。プレナスなでしこリーグで優勝した浦和レッズレディース加入内定。
■岸野早奈(FW/村田女子)
激戦の関東地区予選を1位通過に導いた、生粋の点取り屋。関東予選では4試合で5得点を決め、遅攻でも速攻でも最終的に得点に結びつけられる決定力の高さを見せつけた。優勝を収めた昨季のインターハイでも活躍し、今大会で全国の舞台に舞い戻ってきた。「激戦の東京と関東の予選を勝ち抜いた分、自信がついてきている。予選で敗退したライバルの分も、全国大会では上を目指したい」と、上位進出に懸ける思いは人一倍大きい。
■杉田妃和(MF/藤枝順心)
今大会の注目度No.1選手。2014年のU-17女子ワールドカップ(コスタリカ)で優勝した、U-17日本女子代表(リトルなでしこ)の主将。11月にはAFC年間最優秀ユースプレーヤー(女子)を受賞し、早くも2020年の東京オリンピックで中心選手として活躍することが期待されている。ボールの受け方、ドリブルの緩急、そして広い視野はどれも一級品で、藤枝順心では1年時からレギュラー。主に中盤でプレーし、近年はシュートの正確性がさらに向上中。世界を経験するごとに責任感も増し、2014年は精神的に大きく成長した。前回大会では決勝で先制点をマークしたが、悔しい逆転負けを経験。「高校最後の大会でキャプテンの役割を果たす」と語気を強める。
■園田瑞貴(MF/京都精華)
抜群の足元のテクニックは見る者を釘付けにすること間違いなし。相手にボールを触らせないよう、自在にボールを操る姿はまさにマジシャン。今季の京都精華サッカーを体現するために欠かせないピースだ。夏のインターハイではセンターポジションで試合を動かし、初の準優勝に大きく貢献。U-18日本女子代表候補に選ばれるだけでなく、フットサル日本女子代表にも選出され、12月には第5回世界女子フットサルトーナメント(コスタリカ)に出場し、得点を奪ったばかり。異色の経歴を持つ司令塔が日本中を驚かせる。
文=馬見新拓郎