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熱中症で2選手が救急搬送…夏場の大会運営見直しが必要か/国際ユースサッカー新潟

2015.07.20

熱中症で倒れたU17セルビア代表のチュブリロ [写真]=川端暁彦

文=川端暁彦

 7月18日から20日にかけて『国際ユースサッカーin新潟』が開催された。今年で19回目を迎える同大会にはU-17日本代表をはじめとして、U-17セルビア代表、U-17メキシコ代表、そして地元のU-17新潟県選抜が参加。総当たり戦で優勝を競った。

 その最終日に当たる20日の第1試合、日本とセルビアの一戦でアクシデントは起こってしまった。前半終了間際、セルビアの左SBチュブリロが熱中症になって倒れたまま立ち上がれなくなり、そのまま救急搬送されてしまったのだ。さらに右SBのペヨヴィッチも同じ症状を訴えて同時に救急搬送。二人の選手を失ったセルビアのイヴァン・トミッチ監督は「この大会のオーガニゼーションはどうかしている」と試合の続行を拒否。そのまま試合は中止となった。

 トミッチ監督は第2試合終了時点でも、ハーフタイムに2選手が嘔吐していたことを明らかにした上で、18人登録で3日連続90分ゲームを昼間にこなす大会運営について「本当におかしな日程だと思わないのか。どうかしている」と怒りをあらわにしており、この試合前にも強い要請で前後半に2度ずつ(通常は1度)のウォーターブレイク(飲水タイム)を設けることを認めさせていた。しかし結果として指揮官の懸念が的中する形で、2選手が救急搬送されるという最悪の事態になってしまっている。

 U-17日本代表の内山篤監督は「この時期にやるのであれば、たとえばナイターにするとか、90分ゲームではなくすといった形もあるのではないか。選手目線で環境を考えていく必要があるのではないか」と提言したが、選手の安全以上に大切なものはないだけに、夏場の大会運営について一石を投じる事件となった。

 なお、搬送されたセルビアの2選手についての容態は現時点では不明。大事に至らず、問題なく回復されることを祈りたい。

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