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「僕の力不足」…初戦敗退の京都橘FW岩崎悠人、リベンジ誓う来季は主将就任

2016.01.01

 痛感したことは、ただ一つ。「力不足。本当に僕の力不足だったと思います」。京都橘高校のU―18日本代表FW岩崎悠人は、同じ言葉を何度も繰り返した。

 尚志高校との1回戦。実力校同士による伯仲の攻防は1点を争うスリリングな展開となった。セットプレーで1点を先行した相手に対して、京都橘は攻勢を強めたものの、最後まで1点を奪うことはできず。岩崎自身も「ほぼマンツーマンで付いてきた」(岩崎)尚志DF井出隼人のハードマークに苦しみ、当初は中盤で下がってボールを受けようとしたが、これは相手の思うツボ。ボランチとセンターバックが挟む形で岩崎をつぶす尚志の狙いにハマってしまう。好相性の2年生FW堤原翼が投入されてからいくつか決定的な形は作ったものの、スコアは0-1から動かず。京都橘の冬は1試合で終わってしまった。

「球際の強さ、フィニッシュの精度……。今日の試合でいろいろと甘かったと気づけた」(岩崎)

 米澤一成監督はそんなエースについて「精神面を含めて、まだまだ成長しなければいけないところがある」と断じつつ、「ここから新しいチャレンジが始まる。来年は岩崎が主将と決まっている。プレーに集中させたほうがいいという考えも分かるが、自分のことだけでなくチームのことにも目を配る中で、彼自身が成長してくれれば」と期待を込めた。

 来年に向けて、岩崎は試合後のロッカールームで主将の小川礼太から「来年、俺を楽しませてくれよ」と言われ、キャプテンマークを託された。尊敬する大先輩・小屋松知哉名古屋グランパス)もかつて巻いていたその腕章について「重いっす」と漏らした岩崎はしかし、「とにかく一所懸命にやって、周りで起こることを拒否せずに受け入れてやっていきたい」と前向きに語った。

 小川主将は「来年、大変になるのは間違いない。でも、僕が憧れた小屋松さんもプレーで引っ張っていってくれる選手だった。アイツなら大丈夫ですよ」と太鼓判を押した。最後に「来年度は(堤原と)怪物コンビになって戻って来ます」と誓った岩崎。その成長とさらなるブレイクスルーを期待して待ちたい。

文=川端暁彦、写真=鷹羽康博

By 川端暁彦

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

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