三宅(左から2番目)の先制点を喜ぶ東福岡の選手たち [写真]=瀬藤尚美
第94回全国高校サッカー選手権大会の決勝が11日に行われ、福岡代表の東福岡と東京A代表の國學院久我山が対戦した。
12年ぶり史上6校目の“夏冬連覇”を目指すインターハイ王者・東福岡は、1回戦で遠野(岩手)、2回戦で新潟明訓(新潟)、3回戦で市立船橋(千葉)を撃破。準々決勝では駒澤大高(東京B)に1-0の勝利を収めると、準決勝では前回王者の星稜(石川)を下して17年ぶりの決勝進出を果たした。一方、初優勝を狙う國學院久我山は、1回戦で広島皆実(広島)、2回戦で明秀日立(茨城)、3回戦で神戸弘陵学園(兵庫)に勝利。準々決勝で前回準優勝の前橋育英(群馬)を下すと、準決勝では後半アディショナルタイムの決勝点で青森山田(青森)を下し、初の4強入りを果たした。
最初に相手ゴールに迫ったのは東福岡。8分、最終ラインの裏でボールを受けた餅山大輝がエリア内右から右足シュートを狙ったが、國學院久我山DF野村京平が必死に戻ってブロック。体を張って序盤のピンチをしのいだ。続く17分、右サイドでFKを獲得すると、中村健人の右足クロスからファーサイドの小田逸稀がヘディングシュート。しかし、ここは惜しくも枠の左に外れてしまった。
一方の、國學院久我山も直後にチャンスを作る。18分、左サイドの小林和樹がエリア手前中央の名倉巧へパス。名倉が相手を背負いながら右に流すと、内桶峻が左足シュート。しかし、ここはGK脇野敦至がなんとかキャッチした。
24分、東福岡が怒涛の攻めを見せる。中盤でボールを受けた藤川虎太朗がドリブルでエリア手前まで持ち込み右足ミドルシュート。しかし、ここは1年生GK平田周がなんとかセーブした。跳ね返ったボールを拾った藤川が横パスを出すと、これを受けた中村が右足シュートを放ったが、ここも平田がなんとか抑えて得点を許さない。
スコアが動いたのは36分、左サイドから中央へ切り込んだ中村が餅山大輝とダイレクトパスをつなぎ攻めこむと、エリア手前でパスを受けた藤川がエリア右へ落とし、最後は走りこんだ三宅海斗が左足シュート。これがGK平田の脇下を抜け、ゴールネットを揺らした。ペースを握っていた東福岡が先制に成功した。
リードを奪われた國學院久我山は、42分に小林を下げて準決勝で決勝点を決めた戸田 佳佑を投入した。
東福岡は44分にも決定機。相手のミスからボールを奪った餅山がドリブルでエリア内に進入したが、上加世田達也がなんとか突破を防いだ。このまま1-0で東福岡がリードして前半終了を迎えた。
後半立ち上がりに東福岡がトリッキーなセットプレーから再びスコアを動かす。47分、エリア手前でFKを獲得すると、東福岡の選手3人が肩を組んで壁の前に立ち、相手GKからシュートコースを隠す。3人が大股で後ろに下がりながら姿勢を下げると、中村が右足で直接狙ったシュートがゴール左下に決まり、東福岡がリードを2点に広げた。
まずは1点を返したい國學院久我山。57分、エリア手前で戸田からパスを受けた名倉がドリブルから左足シュート。しかし、ここはGK脇野に防がれてしまった。続く65分、エリア手前でボールを持った宮原直央が右足でミドルシュートを狙ったが、東福岡のDF福地聡太がヘディングでブロック。体を張って相手の決定機を防いだ。
すると67分、東福岡がワンチャンスをものにする。鍬先祐弥が前線へ送ったロングボールに餅山が反応してエリア手前でボールを受けると、GKをよく見て左足ループシュート。これがゴール中央に決まり、東福岡が追加点を奪った。続く70分、右サイドからゴールに迫ると、エリア右横でパスを受けた児玉慎太郎の折り返しをニアの餅山がスルー。走りこんだ藤川が右足で蹴り込み、4点差をつけた。
國學院久我山は79分、内桶に代えて比留間公祐を投入。一方、東福岡は先制点を決めた三宅に代えて毎熊晟矢を投入した。
その後も東福岡の猛攻は続く。80分、エリア手前左でボールを持った餅山が中央へパス。これを受けた中村がワンタッチから右足シュート。これがゴール右上に決まり、東福岡が大量5点のリードを手にした。
このままリードを守り切った東福岡が5-0で國學院久我山を下し、1998年の第77回大会以来17年ぶり3度目の高校選手権優勝を飾った。インターハイと高校選手権の“夏冬連覇”は2003年の国見以来12年ぶり6校目の快挙となった。
【得点者】
1-0 36分 三宅海斗(東福岡)
2-0 47分 中村健人(東福岡)
3-0 67分 餅山大輝(東福岡)
4-0 70分 藤川虎太朗(東福岡)
5-0 80分 中村健人(東福岡)