2012.02.07

試練を乗り越え、東慶悟は前進を続ける

東

[写真]=FAR EAST PRESS/アフロ

 大きく開くはずだった夢舞台への扉が、目の前で突然固く閉ざされてしまうような敗戦だった。
 
 2月5日に行われたロンドン五輪アジア最終予選で、U-23日本代表は最終了間際に失点を許してU-23シリア代表の前に1-2で敗北。グループ2位に転落した。首位突破での本大会出場に暗雲が垂れ込める黒星に、エースナンバー10を背負う東慶悟はチームの出来、そして自身の出来に満足できていないだろう。
 
 2010年11月のアジア大会から数えて18試合のうち、東はチーム最多の16試合に先発。指揮官の信頼は厚く、シリア戦では4-2-3-1の右サイドMFで先発出場を果たした。
 
 苦戦する中で前半終了間際に同点とすると、後半には日本も好機を作り出す。チームにリズムに合わせるように東も、徐々に存在感を発揮。カウンターの起点となり、「ゴールの近くでプレーしたい」と試合前に語ったように、前線に積極的に顔を出す。70分にはCKから高精度のキックで決定機を演出した。
 
 しかし試合終了間際、唐突に放たれたミドルシュートが状況を一変させた。シリアのキャプテン、アルサリフのミドルシュートがゴールネットに突き刺さり、土壇場で日本は勝ち越しを許してしまった。
 
 この敗戦で、日本の自力でのグループ首位通過が消滅した。試合後は、終了間際の失点への猛省や不完全燃焼を吐露するコメントが胸中を支配した。現在のチームで最多となる17試合に出場し、10番を背負う東が感じているであろう重圧は、想像に難くない。
 
 だが、決して五輪への扉が閉ざされたわけではない。過去2回の五輪予選では残り2戦で巻き返し、本大会への出場権を勝ち取っている。試練を乗り越え、そして東自身としては初となる世界大会への出場に向け、その力を証明するための時間はまだ十分に残されている。

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