「スペシャルな選手を育てるためには、反復練習で1対1のスキルを磨くことが大事」
バイエルンやレアル・マドリー、マルセイユなどのテクニカルアドバイザーを務めるアルフレッド・ガルスティアン氏が力説する。
指導者やサッカーファンを対象にしたトークセミナー「欧州最先端の育成事情を学ぶ」(主催:サッカーキング 協力:クーバー・コーチング、キャプテン翼スタジアム東京北、サッカージャーナリスト養成講座)が9月18日、中央区八丁堀のフットボールプラザで行われた。
クーバー・コーチング共同創設者のガルスティアン氏は、スペシャルな選手の育て方について、「育成には時間がかかります。技術を身に付けるには反復練習しかありません。特に7歳から16歳までの年代で繰り返し練習をして技術を身に付けることが重要です」と指摘する。
「試合は11人対11人で行われます。しかし、実際のプレーに注目すると、ボールの周りで1対1、2対1、2対2、3対2などの形になっている場面がほとんどです。優れた選手を育てたいなら、この狭いエリアの中で良いプレーができる選手を育てないといけない。つまり、この中で瞬時にボールを奪い、キープし、奪われたら奪い返す技術を磨くことが大事なのです」とスライドに映像や図を映しながら70分にわたり解説した。
第2部では質疑応答が行われた。「レベル差のある子供たちをどのように指導すればいいか?」という参加者からの質問に対し、ガルスティアン氏は、「さまざまなレベルの子供たちに合う練習方法は三つに分けられる」という。
「一つ目は技術を完成させるための反復練習です。レベル別に3、4人のグループを作って繰り返しトレーニングを行います。二つ目はDFを付けた練習です。DFが不利になるような状況を作り、これもレベル別に選手を分けるといいでしょう。三つ目はゲームです。試合形式の練習では、どのチームも同じレベルになるように、うまい人もそれほどうまくない人も同じチームに入れましょう。そうすることで、どのレベルの選手も技術を向上させることができるのです」
講義終了後、参加者の一人は、「海外で活躍されているアルフレッドさんの貴重な話を聞けてよかった。普段、子供たちにサッカーを教えているので、今日学んだことを練習で生かしていきたい」と意気込みを語った。