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瀬沼優司(筑波大4年/FW)「“考える力”を身につけた筑波産ストライカー」

2012.08.21

 180センチを越える恵まれた体格を生かした野性味溢れる力強いプレーと、足下の柔軟さを併せ持つ瀬沼優司。1年時から筑波大の最前線を支えるストライカーは、清水エスパルスへの入団が内定し、同クラブの強化指定選手として迎えた8月8日の名古屋とのナビスコカップ準々決勝第2戦では、途中出場でプロデビューを果たし、いきなりゴールを奪ってみせた。

 筑波大での4年間を経て、プロへの扉を開いた彼は、この4年間で何を得たのか。そして、彼の描く未来とは……。

提供:大学スポーツ総合サイト「CS Park」

筑波大の4年間で身についた“考える力”

神奈川県の強豪校である桐光学園高で活躍した瀬沼選手ですが、筑波大に進学した経緯は?

瀬沼 正直、大学に入るまで風間(八宏前監督、現川崎監督)さんのすごさとか、彼がどういう人とかも知らなかったですし、筑波のサッカーも知らなくて。高校の先生が筑波を推してくれていたのが一番の理由でした。「筑波に行け、筑波に行け」って言われてて。

そんな中、筑波大に進学する自分の中での決め手となったのは?

瀬沼 みんな大学の近くに住んでいるので、今日みたいに(注:瀬沼選手はこの日、全体練習のあと1時間程、19:30頃まで自主練をしていた)夜遅くまで練習しても、どこかご飯に食べに行って家に帰ってゆっくりできるところですね。僕はプロになりたくて大学に行こうと思ったので、練習に取り組む上でこれほど良い環境はないかなと思って、自分で考えてここに決めました。

大学4年間で成長した部分は?

瀬沼 筑波のサッカーが初めてだったので、プレーの幅が広がったのは間違いないですね。風間さんに教えていただいたことが体に染み付いています。今年は途中から監督が代わりましたけど(風間監督が川崎の監督に就任。代わりに内藤清志ヘッドコーチが指揮)、風間さんから教えていただいたことを自分の中で持ちつつ、自分にまた何か求められることがあればそれを得ていければなと思います。

大学に進学して良かったと思うことは?

瀬沼 自分でやろうとすることが増えたと思います。高校のときは、集合時間とか、やってはいけないこと、持ってきてはいけないものなど決まりが多くて、これをこうしろ、ああしろと言われる中で生活をする日々でした。でも、大学では、やってはいけないこととかは当たり前のことですし。「ここまではやっていい」とか、「これはいけない」といったことを考えるようになりました。

例えば、高校で合宿に行くと、みんなで集まって朝ごはんを食べることから始まって、という感じですけど、大学で遠征に行ったときは、食べたい人は好きな時間に食べて、という感じ。自分で考えて重要だと思えば食べる。とにかく、自分で考えて行動するようになりました。

僕に求められていることは点を取ること

清水エスパルスへの入団が決まりましたが、清水への入団の決め手は?

瀬沼 自分が一番自信を持っているプレーは、クロスに飛び込んでいくプレー。高校時代はチームがクロスが主体のチームだったので、クロスの入り方などを徹底的にやっていましたし、クロスに飛び込むプレーには自信を持てるようになりました。それは筑波に入っても変わらなかったです。筑波は中央を崩して行くサッカーなので、クロスはあまり上がってこないですけど、筑波で経験したことも含めて、自分の特徴を一番出しやすいチームかなと考えました。中央突破の攻撃を求められても、それは筑波でやってきましたし、クロス主体のサイド攻撃を主体にやっても高校3年間で教わって得たことを出せる。そういった面で一番自分がやりやすいチームかな、と思って決めました。

プロになるという目標は叶えました。その次の目標は?

瀬沼 まずは日本代表に入ることを目標にしています。でも、日本代表に入るにはチームで活躍しなければいけない。なので、あまり焦らないで目の前の一つひとつの壁を越えて成長していけたらいいなと思っています。

大学でのプレーも残り少なくなってきましたね。

瀬沼 前期では、勝てる試合を何試合か落としてしまいました。もっとやれるはずなのにあまり結果はついてこなかったので、少しもったいなかったというか、実力を出しきれない感じが残りました。不完全燃焼という感じです。個人的には、やっぱり筑波は守備に力を入れるというよりは、「前に」という攻撃的なチームなので、僕が4点で赤崎(秀平、3年/佐賀東高校)が5点で、他のメンバーとかも4点じゃ少ないと思う。前期のうちに僕と赤崎それぞれ10点くらい取っておくのが理想でした。そういった点から見れば、全然足りない。後期に前期の倍は取らなければいけないと思ってます。

後期に向けての意気込みを聞かせて下さい。

瀬沼 やっぱり筑波で僕に求められていることは点を取ること。筑波が勝つために、そのために僕が点を多く取って行きたいです。


 その体格からは想像できない穏やかな口調で、この大型ストライカーは自身を育てた筑波大と、「日本代表」という大きな目標について細やかに語ってくれた。そして談話中、彼はこちらの質問に答える際、毎度、少し間を置いてから口を開いた。それぞれの質問に最も的した答えを探るために思考を巡らせていたのだろうと思うが、そういった点も、この大学生活で会得した数あるものの一つだと察する。

 彼は、その力強いプレーからは想像できないかもしれないが、とてつもない頭脳派なプレーヤーなのだろう。それを強く実感できた、印象的なインタビューとなった。そして同時に感じることのできた彼の得点に対する強い欲求。野心を存分に秘めたストライカーの後半戦のプレーにも、目が離せない。

瀬沼優司(せぬま ゆうじ) 1990年9月1日生まれ、185cm77kg、桐光学園高校出身。筑波の最前線を支える大型ストライカー。リーチを生かしたキープ力と力強いドリブルが魅力。来季からJ1清水へと活躍の舞台を移すことが決定した。

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