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日本代表への思いを語る大津祐樹「W杯出場は小さい頃からの夢」

2013.07.23

[ワールドサッカーキング0801号掲載]

大津祐樹
インタビュー・文=諌元知英 Interview and text by Chie ISAMOTO
写真=藤巻祐介 Photo by Yusuke FUJIMAK

昨シーズン、オランダへと活躍の場を移した大津祐樹は、「もっと成長しなければいけないと強く感じた」と言う。向上心とブレない意志を持つ彼が、新シーズンへの思いを語る。

――昨夏に加入したVVVでの1年を終えて、率直な感想を聞かせてください。

大津祐樹 もっとできるシーズンだったと思います。結果的には2部へ降格することになりましたが、これからにつながる経験は得られたと思っています。

――リーグ戦では22試合に出場されました。試合に出場したことで感じたことは?

大津祐樹 もっともっと成長しなければいけないと強く感じました。

――成長というのは具体的にどういった部分ですか?

大津祐樹 そこは結果です。やっぱりゴールだったりアシストだったり、目に見える結果を残さないといけないですね。

――その結果を残すためには、どういったプレーを磨く必要があると思いますか?

大津祐樹 ゴール前に行くためにはドリブルが必要で、ゴールを奪うためにはシュート練習が必要。だからドリブル練習をしよう、シュート練習をしようという感じです。すべてのプレーはつながっているので、すべてのトレーニングが必要だと思います。

――試合によっては守備的なプレーを求められることもあったと思います。意識的に気を付けていたことはありますか?

大津祐樹 攻守の切り替えの早さは意識していました。これは海外の試合では特に大切なことです。意識一つで自分のプレーがまるで変わってきますし、攻守の切り替えの早さは本当に大切です。

――ご自身にとっても苦しんだシーズンだったと思います。モチベーションはどのように保っていましたか?

大津祐樹 モチベーションを保つということは、常に上へ行きたいという気持ちでいることだと思います。今、自分に何が必要で何をしなければいけないのか。それを考えながらプレーすることを意識していたので、ネガティブになることはありませんでした。常にポジティブな気持ちを持ち続けていました。

差を感じてはいけない。自信もすごく大事

――日本、ドイツ、オランダでプレーされました。海外でプレーしたことで世界のトップレベルと今の日本サッカーや大津選手ご自身とのレベルの差は感じましたか?

大津祐樹 日本には日本の良さがありますし、海外には海外の良さがあると思います。3つの国のリーグを経験しましたが、それぞれの国で良さや特徴があるので、一概にどのリーグがいいかを言い切ることはできません。世界との差というのも実際に対戦してみないと分からないと思っています。そういう意味では、差を感じてはいけないんじゃないですかね。海外でプレーする上では自信もすごく大事になってくるので、相手のことを「強いんだ、強いんだ」と思ってしまうのは……もちろん人によって考え方は違うと思いますけど、僕の場合は相手のことを意識しないようにしています。例えば、対戦する前から「絶対に勝てない」と思って戦うのと、そういう思いを持たないで戦って「ああ、意外と強いんだな」くらいの感覚を味わうほうが、僕としてはいいと思うんですよね。だから、相手のことは意識しないんです。

――オランダリーグでプレーして、ドイツとの違いを感じたところはありますか?

大津祐樹 オランダの場合は縦へのスピードが速いですね。スピードが問われる試合の中で、どこでスタミナを使い、どこで温存するのかがとても大切だなと感じました。例えば、プレーに緩急をつけて、100パーセント力を出すところと、力を温存するところを使い分ける。試合の中で、そのタイミングを見極めるのは難しいですが、流れに合わせて使い分けています。

――オランダリーグの特徴でもある縦へのスピードを含め、大津選手は繊細なボールタッチが武器ですよね。着用しているティエンポシリーズは『繊細なボールタッチ』をコンセプトとしていますが、実際にプレーしている時の印象はいかがですか?

大津祐樹 僕はプレーの中でボールタッチをとても大事にしているので、ティエンポはコントロールがしやすいですし、ボールタッチの部分ですごく助かっています。皮だったりフィット感も良かったので、一度履いてみて「これだな」と思いました。

W杯出場は小さい頃からの夢

――ここからは日本代表について聞かせてください。昨夏のロンドン・オリンピックでは、日本の44年ぶりのベスト4進出に大きく貢献されました。そして今年、日本代表デビューも果たしました。代表の一員になったことで、気持ちに変化は生まれましたか?

大津祐樹 日本のトップレベルの選手たちとプレーすることはとても刺激的でした。もっと試合に出たいと感じましたし、代表で中心的な選手になりたいという気持ちがより強くなりましたね。

――現在の日本代表は海外でプレーする選手が中心に構成され、若い選手も注目されています。大津選手もその中の一人だと思いますが、来年ブラジルで開催されるワールドカップ(W杯)への思いを聞かせてください。

大津祐樹 W杯に出場するということは小さい頃からの夢ですし、出場したいという気持ちは強く持っています。

――W杯に臨む日本代表のメンバーに選ばれるためには、ご自身のプレーでどんなところを成長させる必要があると考えますか?

大津祐樹 まずは新シーズンが始まって、チームでしっかりと自分のプレーをすることですね。もちろん日本代表のことは意識はしますけど、それよりもまずはチームでしっかりと結果を残すことが一番だと考えています。毎日毎日、一つひとつが大切になってくると思いますから。

――では、日本代表がチームとしてW杯で結果を残すために伸ばすべき部分はどういったところでしょう?

大津祐樹 チームとして成長するためにも、選手一人ひとりがクラブチームで成長することが重要だと思います。それと、代表選手が集まって一緒にプレーする期間は限られているので、チームとして形を作っていくことが難しい部分もあります。集まった時の短い時間に集中してコミュニケーションを取って、意識やプレーを合わせることも必要だと思います。

――続いてトレーニングについて聞かせてください。海外でプレーされたことでトレーニングへの取り組み方も変わってきたのではないでしょうか。新たなシーズンに臨むに当たって、オフのトレーニングではどんな準備をされる予定ですか?

大津祐樹 そこはいつもと変わらないですね。どこにいても毎日やることは変わらないです。何かを新しく取り入れるというよりは、いつもどおりやるだけです。

――例えば、コンディション回復のために意識されているトレーニングなどがあれば教えてください。

大津祐樹 個人的には腹筋や背筋などのトレーニングを練習後にやっています。チームでの練習ではなく、自主トレとしてやる体幹やストレッチくらいです。でも、それはコンディションを回復させるために特別に意識してやっていることではないですね。結果的に回復につながるんだと思ってやっています。

――今のご自身に何が必要なのかを考えるために、試合を見直すことはありますか?

大津祐樹 見直しますね。気になったところがあったら確認するようにしています。そして、次にそのプレーができるように練習しています。

――ご自身のプレー以外に試合を見ることはありますか?

大津祐樹 普段はJリーグの試合はあまり見ませんが、先日は柏レイソル対浦和レッズ戦(5月26日、J1第13節)を見に行きましたよ。海外だとブンデスやオランダリーグの試合は見ますね。あとはチャンピオンズリーグ(CL)などの大きな大会も見ます。

――CLのお話はブログでも書かれていましたね。

大津祐樹 そうです。すごく刺激になりましたし、おもしろかったですよね。

――シーズンオフのリラックス方法はありますか?

大津祐樹 帰国してからは友だちと食事へ行ったり、旅行や買い物へ行ったりしています。シーズン中のオフ日とあまり変わらないです(笑)。

――帰国されたその日に藤田俊哉さんの送別試合に出場されて先制点を決めていましたね。

大津祐樹 藤田さんの試合は、普段あまり一緒にプレーできない方々とできたのでとても楽しかったですし、リフレッシュできました。僕が小さい頃に見ていた選手たちと一緒にプレーするのは楽しかったです。そういう機会はあまりないですし、本当に俊哉さんに感謝です。

大津が自身のプレースタイル、最も大事にしている信念について語る。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0801号でチェック!

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