世界への扉を開いた前園真聖氏が自身の経験と取材を基に日本サッカーがさらに強くなるための方策をちょっと辛口で提言。今回は、ホームで4失点を喫して完敗に終わったキリンチャレンジカップ2013のウルグアイ戦について自身の見解を語った。
先週行われたキリンチャレンジカップ「日本vsウルグアイ」では、7月末に行われた東アジアカップのメンバーから選ばれた選手がどんなプレーを見せてくれるのか!? ここに注目してみていた。
写真●Getty Images
FWの常連、前田遼一、ハーフナー・マイクの2人が選ばれてないことから、柿谷曜一朗と豊田陽平の両FWに期待がかかっていた。新戦力の中で唯一スタメンに名を連ねたのは柿谷だった。
東アジアカップでも結果と可能戦を残した柿谷が海外組の主力メンバーの中でどんなプレーを見せてくれるか期待していた。
結論から言うと、局面でのプレーやDFラインの裏への飛び出し、香川や本田、岡崎の2列目の選手とのコンビネーションなど可能性を感じさせるプレーはあったが、ザッケローニの信頼を勝ち取るまではいかなかったと思う。
ただ、技術的には主力メンバーとも変わらない柿谷だけに、もう少し準備期間を与えればフィットする可能性も感じる。そしてもう1人のFW豊田はなかなか試合に入れていなかったような気がする。
というより、チームとして豊田を活かす為に、戦術を変えることは考えてなかったようだ。早い段階で縦パスを入れたり、両サイドからのクロスをあげたりなどのプレーが増えれば、もっと豊田のプレーが活きるだろうね。
もうひとり、東アジアカップMVPの山口螢も同じようにインパクトを与えるまでのプレーではなかった。新戦力を試す場合に、柿谷であれば、香川や清武、今回招集されなかった乾などとの共存もみてみたかった。それは豊田、山口にも同じことがいえるが、選手の組み合わせによって新しいハーモニーが生まれ、代表での新しいオプションになり得るからだ。組み合わせにより選手の可能性は変わってくると俺は感じている。
それと、この試合での日本代表は、動きも悪く全体的にいい内容ではなかったと言える。相手がウルグアイという素晴らしい相手だけに、もう少し内容のある試合をしてほしかったと同時に、新戦力の選手達には、もう少しチャンスを与える時間を増やしてほしいね。ザッケローニ監督が「コンフェデ杯の後からは、また選手をリセットする」の言葉通りに、本当に“可能性”のある選手には監督のサッカーを理解させる時間を与え、主力組とのコンビネーションとコミュニケーションの時間も必要だと思う。
今回のウルグアイ戦は、内容は残念だったけど、新戦力が今まで固定されていたフルメンバーの中に入るだけで、今まで以上に期待感が持てたのは確かだ。だからこそ、これからも可能性のある新戦力に期待したいね!