[写真]=Getty Images
FIFAとアディダスは3日、来年行われるブラジル・ワールドカップで使用される公式試合球「ブラズーカ」を発表した。
1970年からFIFAのパートナーになっているアディダスは、1970年ワールドカップ・メキシコ大会から、12大会にわたり公式球を提供している。ペレ、マラドーナ、ジダンといった幾多の名プレーヤーたちとともにW杯の歴史を形作ってきた大会公式球。1970年誕生の初代モデル「テルスター」から最新の「ブラズーカ」まで、歴代12代の軌跡をたどりながら、W杯の歴史を振り返る。
■1970年メキシコ大会
『テルスター(telstar)』
ワールドカップを世界中の人々がテレビ観戦できるようになった時代のスター(星)という意味が込められている。白黒亀甲のデザインで視認性を向上させた。
大会成績:優勝 ブラジル、準優勝 イタリア、3位 西ドイツ
■1974年西ドイツ大会
『テルスター(telstar)』
前回大会のゴールドのブランドロゴを新しく黒色ブランドロゴに変えて再登場。地元西ドイツがこのボールで幾多のゴールを決めて優勝した。
大会成績:優勝 西ドイツ、準優勝 オランダ、3位 ブラジル
■1978年アルゼンチン大会
『タンゴ(tango)』
開催地であるアルゼンチンの音楽(舞踊)のタンゴをイメージ。その革新的なデザインでフットボールの新たな歴史を創造し、ボールに革命を起こした。
大会成績:優勝 アルゼンチン、準優勝 オランダ、3位 ブラジル
■1982年スペイン大会
『タンゴ・エスパーニャ(tango espana)』
アルゼンチン同様ラテンの国での開催により、前モデルからデザイン性を引き継ぎ、天然皮革を素材としたものの、防水性のある密閉式の縫い目を特色とした。
大会成績:優勝 イタリア、準優勝 西ドイツ、3位 ポーランド
■1986年メキシコ大会
『アステカ(azteca)』
古代アステカ文明の歴史を表現したW杯で最初の人工皮革製試合球。本革に比べ耐久性が増加し、吸水性を抑えた。ディエゴ・マラドーナとともに語り継がれるボール。
大会成績:優勝 アルゼンチン、準優勝 西ドイツ、3位 フランス
■1990年イタリア大会
『エトルスコ・ユニコ(etrusco unico)』
古代文明エトルリアの歴史を表現。レイヤーに総合フォーム・システムとポリウレタンを使用し、万全の防水性を実現。動きとスピードが一層改善された。
大会成績:優勝 西ドイツ、準優勝 アルゼンチン、3位 イタリア
[写真]=adidas photo
■1994年アメリカ大会
『クエストラ(questra)』
宇宙を駆け巡る星をイメージさせる革新的なデザイン。ハイテクノロジーを駆使し、ボールのスピードをより速め、よりソフトな感触を生み出した。
大会成績:優勝 ブラジル、準優勝 イタリア、3位 スウェーデン
■1998年フランス大会
『トリコロール(tricolore)』
赤、青、白からなるフランス国旗に由来。伝統的なフランスのシンボル雄鶏と、近代フランスのシンボル高速列車とタービンを融合したデザインが話題を呼んだ。
大会成績:優勝 フランス、準優勝 ブラジル、3位 クロアチア
■2002年日韓大会モデル
『フィーバーノヴァ(fevernova)』
大会共催に向けられた両国の情熱や、近年の目覚ましい技術革新を称えるとともに、W杯に注がれる世界中の人々の熱気を表現。NOVAには「新星」という意も込められた。
大会成績:優勝 ブラジル、準優勝 ドイツ、3位 トルコ
■2006年ドイツ大会
『+チームガイスト(+teamgeist)』
革新的な14枚のパネル構造を採用し、究極の球体を実現。基本色を開催国ドイツの伝統色である白と黒、プロペラ型のファインゴールドはW杯トロフィーから着想した。
大会成績:優勝 イタリア、準優勝 フランス、3位 ドイツ
■2010年南アフリカ大会
『ジャブラニ(jabulani)』
南半球の明るい太陽に映える「輝く白」を基調に、南アフリカの伝統的なパターン模様を表現。8枚(2種類)の立体パネルを組み合わせることで、限りない真球に近付けた。
大会成績:優勝 スペイン、準優勝 オランダ、3位 ドイツ
■2014年ブラジル大会
『ブラズーカ(brazuca)』
“感情豊かで、リズムに溢れ、友好的”でブラジルサッカーにも通じるブラジルらしいスタイルを表している。