――お二人のポポヴィッチ監督に対するイメージを教えてください。
太田宏介 セルビア出身の方だからか、ポポさんの明るい性格だからかは分からないですけれど、試合に勝ったとき、ロッカールームにビールやワインを用意してくれたのには、少しビックリしました。こういうことをしてくれる監督は初めてでしたから。
東 慶悟 僕はピッチ内外で選手のことをよく見ていてくれている監督だと思いますね。練習や試合では見られて当たり前なんですけれど、今年はよくプライベートでも目撃されていたみたいで……。
太田宏介 そうなんだ? そのとき監督は話し掛けてきたりしなかったの?
東 慶悟 車でパッと見掛けることがあったみたいなんですよ。そのときに「女性と一緒にいたところ見たぞ」とか、そういう冗談を言うんですよ。ホント“怖い人”だなって(笑)。
太田宏介 僕も「昨日、夜遅くまで出掛けてたんだろ?」とかよく言われたよ。確かに練習開始時間に間に合うようにギリギリまで寝ているから、普段から眠そうに見えるのかな? 始めは結構マジで「出掛けてないですよ!」と言っていたけれど、それがジョークと分かってからは「朝まで行っちゃいましたよ!」と返せるようになりました。ポポさんもお酒が好きな人だから、そういう風にコミュニケーションを取ってくれるのはありがたかったですね(笑)
――監督から言われた言葉で印象に残っているものなどはありますか?
東 慶悟 僕は「自信を持ってやれ」ですね。これは大分時代から言われ続けているんですけれど、東京に来てからも事あるたびに言ってくれるので印象に残っていますね。
太田宏介 僕は今シーズンからFKキッカーを任されるようになったのですが、蹴り始めた頃は練習中も全然入らなくて、蹴るのがイヤになりました。でも、そういうときでも僕を信じて、励まし続けてくれたのが印象的でしたね。
東 慶悟 僕も練習の時でシュートやクロスがうまくいかないことが多くて……。でも、とにかく「自信を持ってやれ!」と声を掛け続けてくれたので、すごくやりやすい環境を作ってくれたと思います。
太田宏介 確かにポポさんが励まし続けてくれたから、FKで3ゴールを決めることができましたし、数字として残ったことが自信になりました。また、チームにとっても武器になったので良かったです。すべてはポポさんのおかげですよ(笑)。
――最後にお二人にとってポポヴィッチ監督とはどういう存在ですか?
太田宏介 僕にとっては、“何でも言い合える監督”ですね。普段の体調のことやオフの過ごし方など練習中でも空き時間でもたくさんコミュニケーションを取ってくれましたから。ケガをしている時期などは正直に状態を話して無理しないように配慮してくれました。調整に専念させてもらったおかげで今シーズンはリーグ戦全試合に先発できたと思っています。
東 慶悟 僕は大分時代にも一緒にやりましたが、その中で感じたのは若い選手にも試合を経験させて“成長させてくれる監督”だと思っています。個人的にはすごい感謝していますし、ポポさんに出会えなければ、ロンドンオリンピックとか世界大会に出場する経験もできていなかったかもしれない。そういう意味でとても感謝していますね。