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<インタビュー>玉田圭司「西野監督には自分が成長した姿というのを見せたい」

2014.01.24

 名古屋グランパスに所属するFW玉田圭司が、フットサルコートを初めてプロデュースした。1月11日に行われた「KT ESTADIO フットサルポイント 津田沼」のオープニングイベントに駆けつけた際には、「地元の千葉でオープンできたことは、非常に嬉しい」と喜びを語った。同コートでは、3月から「次のサッカー界を担う選手達を育成できれば」という思いで、ジュニアサッカースクールも開校予定。日本を代表するストライカーであり続ける傍ら、次世代の発展にも思いを注いでいる。

 かつて、王国ブラジルに衝撃を与える一発を叩き込んだ男が抱く、幼少期から変わらぬサッカーへの思い、覇権奪回を狙う新シーズンへの意気込み、そしてワールドカップに挑む日本代表への助言とは――。

玉田圭司

インタビュー・文●小谷紘友 写真●瀬藤尚美

――フットサルコートを初めてプロデュースされましたが、ご自身はプロ入り以前にフットサルをなさったことはあるのでしょうか?
「フットサルというのはなかったですけど。(所属していた)市川カネヅカSCでは、4対4や5対5など狭いスペースでの練習が多かったので、テクニックは磨かれたと思います」

――プロデュースされた最大の理由は何になるのでしょうか?
「やはり、サッカーに携わりたいと、その中で何か貢献できないかと言う思いがありました」

――今回、3月から開校されるスクールでは、特色があると聞いています。
「malva(マルバ。サッカーとフットサルを融合させたスクール)と一緒にやらせてもらうので、malvaの意向を聞きながら自分の色や味、自分の好きなプレーや得意なプレーをトレーニングに入れたいとは思っています。テクニックは自分の中ですごく重要なので、そういうものを磨きつつ、子供達それぞれの特長を生かしていきながらやっていきたいですね。その中でも、まずはサッカーを楽しんでもらいたい。サッカーが好きな子供達が通うと思いますが、その中でもサッカーを続けていきたいとか、サッカー選手になりたいなと思わせるようなスクールにしていきたいと思います」

――習志野高校や柏レイソルに進まれて、フットサルコートの他に、「もんじゃダイニング TAMA」も津田沼でやられていることから、地元の千葉に対する思いが強いのかなという印象があります。
「名古屋に移籍するまでは千葉を出たことがなかったし、そう考えると25、6年。生まれたのも育ったのも千葉県だったので、思い入れは強いですね」

――オープニングイベントでは、母校である習志野高校の後輩とフットサルで対戦しました。
「やはり、みんなテクニックがあっていい選手だなと思いましたね。僕の年代もすごくテクニックのある選手がいっぱいいて。当時のチームは、今のプロ選手と比べてもテクニックの面では変わらないくらいで。自分の中では強いチームだったし、好きなチームでしたね」

――厳しい練習もあったと思います。
「自分の中で、当時は厳しいなと思っていたんですけど、プロに入って九州の高校の練習を聞いたら、もっと走っていましたね。そういうところと比べたら、やっていない方だったんだなと。朝練もあったんですけど、その中で走りは全くなくて、リフティングなどのテクニックの練習がほとんどで、自分には合っていたのかなと思います」

――高校時代で一番印象に残っている出来事は?
「3年生の選手権・千葉県大会決勝です。市立船橋と対戦したんですけど、関東大会やインターハイでずっと負けていて。唯一勝った試合がその決勝。それで全国に行けたんですね。それは、今でも鮮明に思い出せます」

――サッカー人生、全てを含めると?
「ひとつでは表せないですね。高校で培ったものがあったからすごく印象深いというのはありますが、プロに入ってから多少苦労して試合に出て初ゴールを決めたときや、ワールドカップ出場、Jリーグで優勝したときにゴールを決めたことも印象的。だから、ひとつでは表せないですね」

――名古屋は2014シーズンから西野朗監督が就任されますが、玉田選手にとっては柏でのプロ1年目当時の指揮官が西野監督でした。
「当時、レイソルはすごく強くて結果も残していたチームでしたが、その中で自分は1、2年目だったので力不足でしたし、子供でしたね。だから全然チームの助けになることができませんでした。また一緒に戦えるという縁があるので、自分が成長した姿というのを見せたいとは思いますね」

――新監督を迎える時、選手はどういう思いなのでしょうか?
「僕としては楽しみ。6年間同じ監督で、多少マンネリしていたところもあったので、新鮮だと思います。それに、西野監督のもとではほとんど結果を出すことはできなかった。そして、Jリーグの中で一番勝利を得ている名将で、ガンバのときも印象的なサッカーをしていたので、すごく楽しみですね」

――昨季はプロ15年目でしたが、プロ入り当初と比べてサッカー観が変わってきたりしていますか?
「サッカー観は、子供のときから変わっていないですね。自分の中でサッカーというのは、仕事ではあるんですけど、やはり楽しみの延長線上だと思っています。だから、サッカーは小さいときから楽しいから続けてきた。それは今も変わらないです」

――『30歳を過ぎたらサッカーが楽しくなった、見方が変わった』という選手もいます。
「言っていることはわかりますし、それはあります。今もずっと楽しいという気持ちは変わらないんですけど、サッカーを余裕を持って見られるというか。やっぱり経験がものをいうのかなと。ちょっと、言い方が難しいですね。プレー面での余裕もあります。若い選手と比べても、自分は経験を得ている方で、自分のプレーに加えて色んなアドバイスを送ったりもできる。若い選手を見て、『もうちょっとだな』という見方もできる。色んな見方ができて、サッカーは楽しいなと思いますね」

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