<1月28日>
三田:今週のコラムはちょっと普段と趣向を変えまして、FC東京U-18の佐藤一樹コーチに来ていただきました。よろしくお願いします。
注)佐藤コーチは2月からFC東京U-18の新監督に就任
佐藤:よろしくお願いします。
三田:今回はいつもとちょっと違う番外編といった感じですね。
前田:まあ、たまにはいいよね。
三田:そうですね。何と言っても、佐藤コーチは実は前田さんと同じ横浜フリューゲルスに在籍されていたということで。
前田:僕が引退した翌年に入って、ちょうど入れ替わりなんだよね。
佐藤:そうですね。
前田:でも、僕はジュニアユースの監督としてチームに残っていたし、共通の友人もいたし、選手たちの集まりがあったときには僕も顔を出して、そのときに一樹も来てたりしてね。意外と入れ替わりという割には、他の選手よりは接点があったんですよ。
三田:なるほど。この前も、波戸さんの引退試合で…。
佐藤:そうですね。18日にも会ったばかりで。
前田:一緒にサッカーができるっていうのは滅多にない機会だったんで、楽しかったね。
佐藤:楽しかったです。本当にみんな集まって。
前田:2度とあれだけのメンバーが集まることはないだろうなというくらい集まったんだよね。
三田:チームが消滅してしまうっていうのはなかなか例がないことですし、今回は非常に貴重な機会でしたよね。
前田:うーん。僕自身はずっと(横浜フリューゲルスの)生え抜きでやってきただけに、まさかなくなるっていうのは思わなかった。そういう寂しさはあったけど、一樹はどうだった?
佐藤:僕はプロ2年目で、これから頑張っていけるかなという時で、子供も(夫人の)お腹にいて、「チームがなくなったら、どうなっちゃうのかな」っていう不安はありましたね。
合併の後に運良くマリノスには行ったんですけど、結局その後に、トータルで7チームくらいに移籍したんですけどね。そういう選手生活を送らざるを得なくなったのは、まあ自分自身の力がなかったのもあるかもしれないですけど。選手のときは本当に移動が多くて、大変でしたけれど。
ただ、逆に指導者になってからは多くのチームを見られて、いろんな経験もできたので、人脈も含めて今はそれがすごく生きているとも思いますね。
だいたいどこのチームに行っても、知らない人間がいないくらいなんで。関西から九州から、ちょっと北海道には縁がなかったですけど、そういう意味では今考えると、良かったのかなと思います。
三田:年代は少し離れていますが、お互いに現役時代のプレーヤーとしてはどんな印象をお持ちですか。
前田:(佐藤コーチが)フリューゲルスに入ってきたばかりのときは、僕はジュニアユースの監督で、(トップチームの)現場になかなか行ける時間もなかったんで…。入ってすぐにチャンスをもらっていたんだっけ。
佐藤:そうですね。レシャック監督になってからはずっとチャンスをいただいていて。
前田:同期は誰が…。
佐藤:佐藤尽とか、大久保(貴広)とか。
前田:その下が(現G大阪の)遠藤(保仁)かな。
佐藤:そうですね。ヤット(遠藤)、辻本(茂輝)、大島(秀夫)、手島(和希)。すごくいいメンバーが入ってきましたね。
前田:現役のときよりも、その後の印象の方が強いね(笑)
佐藤:治さんといったら、僕には本当に雲の上の存在でしたね。点を取りまくっていたし、学生時代から大学リーグにこういうすごい選手がいたとずっと聞いていたんで。
(フリューゲルスの)選手になってからは、オフでの治さんしか知らないんですけどね。すごく人脈、交友関係も広い方ですし、オフでの治さんの方が魅力的なんじゃないかって(笑)。治さんだったら、きょうも何でも話をしてしまいそうですけどね(笑)
三田:前田さんがFC東京の解説をずっとされてるのはご存じでしたか?
佐藤:はい。知ってます、もちろん。
前田:一樹が広島のコーチをやっているとき、僕がアウェーで取材に行ったときはしょっちゅう会って、結構いろいろ話を聞いたりしてたんでね。
三田:指導者としても、既にいろいろな経験を積まれていますが、2012年からFC東京のユースのコーチをするまでは、どういったことを学んでこられたんでしょうか。
佐藤:最後は横浜FCで引退したんですけど、その後はサンフレッチェ広島のユースのコーチを務めました。そのときの監督が森山(佳郎)さんで、これまたフリューゲルスつながりで、大学(筑波大)の先輩だったんですが、森山さんから(コーチを)やってみないかという、願ってもないありがたい話をいただいたんです。
そこで3年間で、全国優勝をさせてもらったり…。森山さん、通称ゴリさんって言われてるんですけど、ゴリさんの熱い指導などを目の当たりにしながら、「こうやって勝っていくチームっていうのはできるんだ」と。プロになっている選手もたくさん出していましたし、そういうものをまず最初に学べたっていうのは、指導者としてのスタートっていう部分では恵まれていたんじゃないかなと思いますね。
そこで3年経ったあとは、サッカー協会に出向っていう形で、今度はナショナルトレセンコーチで若年層の代表のコーチだったり、いろんな指導者養成だったり。そこではパワーポイントを使って講義をしたりとか。
協会の発信することを理解してもらうために、ピッチ上もそうですけど、ピッチ外のところでの目上の方、いろんな関係者とのコミュニケーションの取り方を学ばせてもらいました。
協会にいたときも、いろいろ人脈が広がりましたので、例えばB級のコースを受けに来てくれる先生とか、サッカーを本当に好きな人だとか、いまだに連絡をくれたりもしますし。
そういう本当に草の根の部分のことも分かると、今やらせてもらっている仕事のありがたさも分かるので、そういった意味でも、まあ良かったなと思いますね。
前田:広島のユースは、学校もみんな同じところに通わせて、練習も時間帯が一緒で、寮で管理して、すごく理想的な育成システムを一番早く作り上げたよね。
そういうやり方ですごく結果を出したっていうかな。全国のタイトルを何回も取ったし、多くの選手がプロになって、どんどん広島のトップチームで活躍している。代表にも選ばれたり、他のチームに引き抜かれたりとか、今はそういう状況だよね。
そういった意味では、一樹は広島でコーチとしてゴリの下に就いて、いいところで学んだっていう感じがするね。
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