写真=鷹羽康博 文=いしかわごう
8月11日、マリノスタウンで開催された「COPA COCA-COLA 2014」の横浜地区予選。午前の熱気そのままに、午後の部も気持ちのこもった試合が各コートで展開された。
午前に比べると、引き分けや僅差での決着が目立ち、実力的にも拮抗した試合が多かった印象だ。そんな試合が続く中、プレイヤーたちを悩ませていたものがある。それがピッチに吹き荒んでいた強風だった。当日は晴天には恵まれていたものの、午後になるとより強い突風が襲い始めていたのだ。大会アンバサダーの中山雅史さんも「この風をいかに利用するか」を試合のポイントにあげたほどだった。
各グループの1位同士の対戦では、Fグループの首位で追加した都筑オールスターズが、Eリーグ首位のFCエスブランコを撃破。登録メンバーが8人しかおらず、交代選手要員がいないチーム事情ながら、安定した試合運びで決勝に駒を進めた。一方、Gリーグを勝ち上がって来たのはIJH.FC。Hリーグ首位のドラゴンピーナッツ戦では、3-0の展開から2点を追撃されるも、なんとか逃げ切った。午後の部は、都筑オールスターズとIJH.FCの顔合わせとなった。
FIFAワールドカップやその他FIFA公式大会同様、「FIFAアンセム」の入場曲で両チームの選手がピッチに入り、決勝戦が開始。
積極的だったのは、風上のIJH.FC。キックオフゴールを狙うなど立ち上がりから果敢に攻め、開始20秒、サイドでの巧みなキープから中央で合わせ、幸先良く先制した。
反撃に出た都筑は、ロングボールは風で押し戻されてしまうため、パスワークを生かした地上戦で応戦。この狙いが実り、ドリブルからPKを獲得。スコアを1-1に戻した。一進一退の白熱した攻防には、大会アンバサダーの中山雅史さんも「面白い試合展開」と、唸った。
後半は、両者ともに慎重な試合運びを見せていたが、追い風を味方につけた都筑オールスターズが次第にチャンスを掴むと、CKから阿部翼選手が豪快に一閃。見事なミドルシュートをネットに突き刺す。これで勝負あり。都筑が逆転勝ちで午後の部の横浜地区優勝をおさめた。
「試合巧者ですね。先制されたけれど、自分たちの時間が来た『ここぞ』というときにパワーを出していた」と、中山雅史さんは優勝した都筑の試合運びを賞賛。決勝弾を決めた阿部翼選手も「最後に決めることができてよかった。コースが見えました」と照れながらも喜んでいた。
閉会式では「負けたことから学べる。これからもサッカーを楽しんでいきましょう」と、中山雅史さんが参加した中学生たちに熱いメッセージをおくって、大会は無事に閉幕した。
都筑オールスターズは、午前の部に優勝したピオーズとともに、9月に静岡で行われるCOPA CAMPに参加。11月3日に日産スタジアムで開催される優勝決定戦に進めるか注目となる。
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