8月23日、小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会「EXILE CUP 2014」の北信越大会が、新潟聖籠スポーツセンターアルビレッジで開催された。晴れ渡る空の下、たった一つの“北信越大会代表”の座を懸けて集まったのは、北信越圏のクラブチームや少年団、計36チームだ。
開会式では、特別協賛者の挨拶、歓迎の言葉に続き、EXILEのパフォーマーUSAが「EXILE CUP」のために考案した「EXダンス体操」でウォーミングアップ。応援に駆け付けた劇団EXILEの青柳翔、秋山真太郎、小野塚勇人とともに、子どもたちが思い思いのダンスを披露すると、会場は笑顔に包まれた。
開会式を終え、いよいよ予選リーグがスタート。予選リーグは、36チームをAからIまでの9ブロックに分けて行われ、各ブロックの1位9チーム、各ブロック2位の成績上位7チーム、計16チームが決勝トーナメント進出となる。厳しい暑さをものともせず、6つのコートではハイレベルな戦いが繰り広げられた。
注目を集めたのは、攻守の切り替えが早く、前線からのプレスを徹底していたFブロックのグランセナ新潟FCジュニア。フィジカルとテクニックに優れたキャプテン遠藤貴成君を中心に攻撃を組み立て、得点を量産。予選リーグ3戦で2勝1分け、24得点1失点という結果を残し、決勝トーナメントに勝ち上がった。
Cブロックでは、初戦で「EXILE CUP 2012」の北信越大会を制した加茂FCジュニアを相手に、7-1の大勝を演じた朝日サッカー少年団の躍進が目をひいた。今大会、朝日サッカー少年団は5人での出場、つまり、全選手が全試合フル出場という過酷な戦いとなったが、3戦を終えて2勝1敗、14得点4失点。ブロック2位の上位に滑り込み、こちらも決勝トーナメントに進出を決めた。
その他、「EXILE FANTASY CUP 2010」(現「EXILE CUP」)で新潟大会優勝、「EXILE CUP 2012」北信越大会で3位入賞を果たしたGブロックのclubF3、今年6月に「第38回全日本少年サッカー大会」の新潟県大会を制したBブロックのエスプリ長岡FCなど、強豪チームが下馬評通りの強さを見せ、それぞれ決勝トーナメント進出を果たした。
そして、激戦を勝ち抜いた16チームによる決勝トーナメントに突入。予選リーグでは大差のつく試合が多く見られたが、決勝トーナメントでは最後まで気の抜けない拮抗した試合の連続となった。そんな中、準決勝に勝ち上がったのは、グランセナ新潟FCジュニア、朝日サッカー少年団、フォルツァ魚沼SC、clubF3の4チームだ。
準決勝第一試合はグランセナ新潟FCジュニアと朝日サッカー少年団の顔合わせ。試合開始から攻守が目まぐるしく入れ替わる激しい戦いとなったが、先制はGKとの一対一の場面で冷静にゴールへ流し込んだグランセナ新潟FCジュニア。その後、右サイドからのミドルシュートが決まり、2-0。追いすがる朝日サッカー少年団に1点を返されるも、前半のうちにさらに2点を重ね、4-1でハーフタイムに突入。後半は得点こそ奪えなかったものの、反撃に転じた朝日サッカー少年団の攻撃を1点に抑え、4-2のスコアで決勝進出を決めた。
敗れた朝日サッカー少年団は、続く3位決定戦で強豪clubF3と対戦。開始早々に先制点を奪うも、その後立て続けに3失点。最終的に3-4と一歩及ばず、ベスト4に終わる。しかし、5人という少数精鋭で7試合を戦い抜いた。監督が試合直後に掛けた「よくやった。よくやり切った」という言葉通り、選手の表情には満足感が浮かんでいた。
迎えた決勝戦。グランセナ新潟FCジュニアと対峙したのは、奇しくも予選リーグを同じFブロックで戦い、1-1と引き分けていたフォルツァ魚沼SCだ。グランセナ新潟FCジュニアにとっては、今大会ここまで唯一“勝てなかった相手”。決勝に臨む選手たちのモチベーションは高まるばかりだった。
決戦は、グランセナ新潟FCジュニアの選手全員で放った「やってやんぞ!」の掛け声とともに始まった。前半は、試合開始直後から立て続けに3点を奪ったグランセナ新潟FCジュニアのペースで進む。ハーフタイムを3-1のスコアで迎えると、グランセナ新潟FCジュニアの須田敏男監督は「ここからがスタートだ。前からの守備を徹底しろ。前しか見るな。ゴールだけを見ろ」と選手たちに檄を飛ばす。後半は拮抗した展開が続くも、グランセナ新潟FCジュニアのキャプテン遠藤貴成君が右サイドを一人で切り込んで鋭いシュートを放ち、追加点を奪う。その後、フォルツァ魚沼SCに1点を返されるも、4-2のスコアで試合終了のホイッスルを迎え、見事「EXILE CUP 2014」決勝大会への切符を手にする。
試合後、須田敏男監督は「どの試合も厳しくて、やっとこさ、という感じ」と7試合に及んだ厳しい戦いを振り返り、「今日はとにかく前に早く、横パスはせずに個人個人がどんどん仕掛けていくことを徹底させた。何より、選手たちには『“楽しむ”ことを一番の目的にやろう』と伝えていたので、それができて良かった」と、チームの勝因を語った。「ここを目指してきた。『横浜に行こう』とみんなで話し合っていたので、それが叶って良かった」と喜びの声を上げたのはキャプテンの遠藤貴成君。「将来はサッカーの日本代表に入って活躍したい」と力強く語るその目は、すでに「EXILE CUP 2014」決勝大会に向けられている。