小学4年生から6年生を対象としたフットサル大会「EXILE CUP 2014」の四国大会が8月31日、香川県の瀬戸大橋記念公園球技場で開催された。全国9地区で行われてきた予選大会もこの四国大会が最後。9月28日に行われる決勝大会への出場権ラスト1枠を懸けて、香川、徳島、高知、愛媛から集まった計36チームが、雄大な瀬戸大橋を望む開放感抜群のピッチを舞台に、熱く激しい戦いを繰り広げた。
開会式には劇団EXILEの青柳翔と町田啓太が駆け付け、小学生、中学生の頃にサッカーをプレーしていたという青柳が、「僕も皆さんと同じように夢を追い続けてこれまでの人生を歩んできました。決してあきらめることなく、優勝を目指してがんばってください!」と子どもたちを激励。同大会ではおなじみとなっている、「EXダンス体操」でのウォーミングアップを選手たちと一緒に行い、いよいよ予選リーグが幕を開けた。
4チームずつ、9つのブロックに分かれて行われた予選リーグでは、地元香川のチームが存在感を発揮。香川県のサッカー大会で優勝歴のあるパステルジュニアFCや3チームを大会に送り込んだ飯山FC、1試合で18ゴールをたたき出した大川ジュニアフットボールクラブ、それに昨年のEXILE CUP決勝大会でベスト4に進出したDESAFIO C.F.らが危なげなく予選リーグ突破を決めていく。そして香川県勢に負けじと、徳島の田宮ビクトリーサッカー少年団は無傷の3連勝を達成。得点28失点4という圧倒的な強さを見せ付けた。
「全国と比べるとまだまだかもしれないが、四国にも着実にサッカー、フットサルの人気が根付いており、人口も増え、少しずつレベルアップしている」と、香川県サッカー協会の川島紀夫副会長が話した通り、予選リーグでも随所にレベルの高さを感じさせるプレーが続出。素早いパスワーク、キレのあるドリブル、息の合ったコンビネーションなど、関東や関西にも負けず劣らずの見応えある攻防が展開されていた。
そして各グループ1位の9チームと、2位のうち成績上位7チームによる決勝トーナメントへと突入。勝ち名乗りを上げた多くのチームが県レベルでは名の通っている強豪だけあって、どの試合もハイレベルな戦いが続く。徳島の田宮ビクトリーはFCオスト相手に戦ったベスト16では、土壇場で2点を追い付かれPK戦までもつれ込むも辛くも勝利。その後は準々決勝を7-0、準決勝を6-0と圧巻の攻撃力を披露して決勝へと駒を進めた。ファイナリストのもう1チームは、DESAFIO C.F.。こちらもベスト16から準決勝までの3試合で14ゴールを奪うなど攻撃力を武器に勝ち上がってきた。
そんな2チームが真正面からぶつかった決勝戦は、田宮ビクトリーが開始1分で先制に成功。なおもエースの近藤蔵波君を中心に波状攻撃を見せ、2分、4分と近藤君が立て続けにゴール。DESAFIO C.F.も個人技で局面を打開するが、なかなかゴールを奪えないでいると、後半には田宮ビクトリーが2点を加点。終わってみれば5-0の快勝で、決勝大会への切符をつかみ取った。
正岡巌監督は「試合をこなすごとに調子を上げていくことができました。うちは全国大会で勝つことを目標にしているチーム。決勝大会までにやれることをやって、頂点を狙いたい」と、その視線は早くも決勝大会を見据えていた。その言葉に同調するように、決勝でハットトリックの活躍を見せた近藤君は「攻守の切り替えが遅い場面が多かった」と、何よりもまず反省の言葉が口をついて出たが、その一方で「練習してきたことを試合で出せたのが良かった。決勝大会も全力を出し切ってがんばりたい」とあどけない笑顔も見せた。
四国大会初制覇を成し遂げた田宮ビクトリーは、サッカーを中心にプレーしながらフットサルにも取り組んでいるチーム。小学生年代において、このような手法を取るチームは珍しくないものの、「サッカーとフットサル、両方プレーすることで、どうレベルアップさせていくかが大事。そこの部分はしっかり考えてやっている」(正岡監督)の言葉通り、選手個々の高い技術が、フットサルでも存分に生かされているのが印象的だった。
なお、田宮ビクトリーは今夏の全日本少年サッカー選手権大会の全国大会でベスト16に進出。名実ともに四国を代表するチームとなっているだけに、9月28日に行われる決勝大会においても、“主役”を演じる可能性は十分にあるだろう。