写真=兼子愼一郎
――今回は、蒼井そらさんにインタビューできることになりました。本日はよろしくお願いいたします。
蒼井そら 蒼井そらです。よろしくお願いします。
――今年のワールドカップで蒼井さんがサッカーの虜になったというのを伺ったのですが、実際蒼井さんはワールドカップをどれぐらいご覧になったのでしょうか?
蒼井そら そうですね。基本、テレビで流れている試合はほとんど観ました。夜寝られない時にテレビを点けたらたまたまワールドカップの開幕戦だったんですよ。最初はぼけっと見ていたんですね、選手もルールもあんまりよくわからなかったので。そうしたら、Twitterを開くと、みんなワールドカップをみていたので、Twitterでファンの人に教えてもらいながらみるのが、凄く楽しくて、それで…はまっていったという感じです。ルールはなんとなくはわかっていたんですが、オフサイドぐらいしかは知らなくて(笑)
――オフサイド知っていれば十分じゃないですか(笑)
蒼井そら サッカーファンの人がまずオフサイドを覚えるように言ってくださったので、オフサイドは前から知っていました(笑) でもオフサイドを覚えるのには結構時間がかかりました。
――蒼井さんのFacebookに7月19日の浦和vs新潟の試合を観に行ったことが載っていましたね。その時のスタジアムの雰囲気はいかがでしたか?
蒼井そら すごく大きな会場だと感じました。でも、サッカーって基本はこういう会場なのかなとも思いました。スタンドが真っ赤に染まっていて、ホームとアウェーの席を比べると、アウェーチームってすごい狭い所で応援しているんだなって。とにかく熱気がすごくて、アウェーの人たちって少ない人数でもすごい熱気だなって感じました。
――今日は川崎vs清水の試合を取材していただいのですが、今日の雰囲気に関して思ったことは?
蒼井そら 上半身裸になっているサポーターがいましたよね。私の席がエスパルスのサポーター側に近かったので、エスパルスサポーターの音がすごく聞こえてきました。フロンターレのサポーターの人たちもずっと飛び跳ねて応援していたので、『あの人たちいつ休むのかな?』って。あそこまでくると応援ももはやスポーツですよね。サポーターってスポーツなんだって思いました(笑)
――今日は印象に残った選手はいましたか?
蒼井そら ワールドカップで大久保選手を観てから『サッカーってすごい』と思ったんです。それで調べたら、日本でプレーしていることが分かって、今日も大久保選手を注目して見ていました。ゴールは見られなかったですが、ゴール前で怒っている感じとか、そういうのをみれて凄く良かったです。あと、フロンターレの2点目の小林選手のゴールがすごかったですね。私が見てすごいと思うことと、サッカーをよく見ている人がすごいと思うところが同じかはわからないんですが、あれはきっとすごいんだろうなって感じました。
――あれはパスも本当にきれいに回って、ファインゴールでしたよね。蒼井さんの目の前で決まりましたもんね。
蒼井そら 本当目の前で、『うわぁー!』と思って、凄いゴールを観れて本当にラッキーでしたね。
――サッカーを観るきっかけとなったワールドカップは、中国で観ていたんですか?
蒼井そら 今日ワールドカップの開会式が始まるというのをTwitterでたまたま見た時、中国にいたんですよ。中国では部屋で一人でいることが多いんですけど、暇でテレビを浸けたら開会式が始まったんです。なんかオリンピック的な雰囲気もあって、『これから始まるんだ。しかもこの後ブラジルがやるの?』って思って、ブラジルがやるなら観てみようかなと。ブラジルが強いっていうイメージはあったので、全然選手とかもわからなかったんですが、強いブラジルがやるんだからちょっと観てみようという感じで観始めました。それがきっかけで、一番最初に見たゴールがオウンゴールだったんですよ。それで、オウンゴールってこんな簡単に、簡単にっていうか、『珍しくないのかな』みたいな感想でした。
――ブラジルの1点目はマルセロのオウンゴールでしたね。テレビで観たゴールもオウンゴールで、生で試合を観たJリーグ最初の試合もオウンゴールでしたね。ちょっとオウンゴールと縁がありますね(笑)
蒼井そら そうなんですよ。初めて見たのがそうだったんで、『あぁ、結構あるんだな』って思ってたんです。
――普通はそんなにないですよ(笑)
蒼井そら 選手が『入れてやるぞ!』というゴールじゃないんで……。
――ある意味貴重なシーンが観れたということですよね。
蒼井そら そうですね。それを『貴重だ!』って思ったので、なんか『いい試合を観たな』っていうか、『面白い試合だったのかな?』みたいな感じで思ったんですよね。そしたらすぐに日本の試合があってそれも観ました。また、日本戦だけじゃなくて、他の試合も観ていたら、『いい試合だった』みたいなTwitterでのつぶやきも見て、『あっ、これがいい試合だったんだ』みたいなのを教えてもらって、ライブで観ているのがすごく自分の中で感動しちゃって。そう考えていたら、テレビでこんなに感動しているんだから、実際生で観たらどうなんだろうっていうことで、Jリーグに興味を持ったんですよね。
――Twitterをしながらサッカーを観る楽しみに気づいたんですね。
蒼井そら そうですね。Twitterはなんでも教えてくれる先生だらけです。Jリーグのことをつぶやいてから、サポーターのみなさんが、本当に親身になって教えてくれるので、すごく助かっています。
――今日も取材している間に、すでに蒼井そらさんが等々力に来ていることがツイッターでは話題になっていました。
蒼井そら Yahooの急上昇ワードで3位まで上がりました(笑) 等々力も上がっていましたよね? サッカーって凄いですよね。
――多くのJリーグのファン・サポーターが、『蒼井そらさんにウチのスタジアムに是非来てほしい』と言ってくれることはどう思いますか?
蒼井そら もっと色んな試合を見たいですね。今日もそうだったんですが、アウェーのチームの応援ってやっぱりすごいじゃないですか。人数では負けていても熱気が凄い。だから今日のアウェイだった清水エスパルスと、前のアウェイだったアルビレックス新潟の試合も観に行きたいなって思いました。選手は、やっぱりサポーターに支えられているんだなって凄く感じました。
――そんな熱いサポーターの方々が、是非ウチのチームを蒼井そらさんに応援してほしいということが、Twitterでも言われることが多いですが?
蒼井そら いやでも、どこかのチームに所属しちゃうと……いや所属じゃないですけど(笑)、そうなると逆に他のチームの人たちにすごく罵られるんじゃないかとか思って、すごく恐いです(笑)
――そこは難しいですよね。どっか一個に決めたほうがいいのか、それとも万遍なく、Jリーグ全体がいいのか……。
蒼井そら やっぱり代表選手って色々なチームから選ばれるじゃないですか。だから色々なチームを見て、全部把握したいなって思いました。日本代表にいきなりはならないじゃないですか? やっぱりJリーグで活躍している人たちじゃないですか? そういうのをすごく把握したいなって感じました。
中国でのサッカー観戦は?
――アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)というアジアの各国のリーグのチャンピオンや上位のクラブチームが出る大会があるんですが、そこで中国の広州恒大というチームが『蒼井そらはみんなのもの』という弾幕を掲げたというのが、すごい日本で話題になったんですが、それは知っていましたか?
蒼井そら はい、知ってました。去年ですよね。その時はサッカーのことも全然知らなかったんで、何で私の名前が出ているんだろうと思いました。凄くびっくりしました。
――中国ではサッカーを観られたことありますか?
蒼井そら ないんですよ。見に行きたいとは思っているんですけど、時期が合わなくて。一度は行ってみたいなと思っています。
――今、中国で生活されることが多い中で、日本人ということで不便や危険を感じることはありますか?
蒼井そら うーん。私の周りでは特に何もないですね。逆に心配してくれる人が多いぐらいです、特に2年前は。実際生活していると、そういう感じを受けたことはないです。ファンと交流するときに、罵られたりみたいなことは1回もないですね。
――中国のサッカーチームのサポーターから『うちにも来てくれよ』など言われたりというのはないですか?
蒼井そら 前に多分広州の方だったと思うんですけど、ファンの方にサッカーボールを渡されて、それがニュースに「蒼井そらは広州のファンだ」と、取り上げられてまって……。だから、『私はまだ中国を知らないよ』って、日本人だから日本のことアピールしなきゃって思ったんですよね。
――一挙手一投足が注目されて、ちょっとしたことでも大きく報道されてしまう怖さがありますね。
蒼井そら そうですね。今日もホームだからユニフォームを着て写真とりましたが、やっぱそうすると、『もうフロンターレに行ったんだろ!』みたいな感じの反応もTwitterであったんですよね。それと同じで……私は、本当に色々なのを観ていきたいなって思っています。でも、もう川崎フロンターレを2回観たので、あと大久保選手もいるので、ちょっと川崎フロンターレよりではありますけど……。でも他のチームも見たいなっていう気持ちはあります。
――サッカーではACLで、中国との交流がJリーグにはありますが、蒼井さんが考える日中の友好関係や交流は、どうやったらうまくやっていけるのかみたいなことは考えることはありますか?
蒼井そら よく聞かれるのですが、自分から発信してというか、私自身は、芸能人として振舞っているのはすごく嫌で、隣のお姉さん、妹みたいな感じにはなりたいなって思っているんです。Twitterだったり、ウェイボーっていう中国版のTwitterだったりで、色んなひとと交流しています。民間で交流が出来たら凄くいいのかなって思います。一方でそれがスポーツになると、ちょっと大変ですよね。スポーツとは言え、戦う“敵”じゃないですか? 大変だと思います。でも試合後に選手同士が握手したりとか、ハグしたりとか、倒れた選手を相手チームが起こしてあげるとか、ああいうのを見るとすごくほっこりするんです。スポーツでは、そういうのがあるといいなと思いますよね。
ドログバとの恋愛報道の真相
――中国でドログバ選手と付き合っているんじゃないかという報道がされたそうですが、それは中国のメディアでは大々的に報じられたんですか?
蒼井そら いや、中国では『ドログバが蒼井そらのファンで中国に移籍した』と報道されていたのが、なんか日本では、二人が付き合っているという報道になっちゃったんです。そもそも、『そんな理由で移籍するわけないじゃん!(笑)』って思ってました(笑)
――中国の報道の飛ばし方も凄いところがあるんですね。
蒼井そら そうですね。だから『ちょっと待ってください、私この人と付き合っているんですか?』と思いました(笑) でもドログバ選手ってすごい選手じゃないですか? 私はその時点では知らなくて、『わぁ』と思って、考えたこともない選手だったので。日本に帰ってきて、あるテレビ番組のディレクターさんにもの凄いサッカーファンがいて、『お前ドログバと付き合ってるのか? グッジョブ!』とか言われて(笑) 『ナイスだね! センスいいな!」みたいなことを言われたんですけど、『違います!違います!』みたいな、『違います!全然わかんないです(笑)』みたいな感じで思っていたら、日本のワールドカップの試合でドログバ選手が出てきたじゃないですか? それを見て『すごい人なんだ、本当に!!』と思って、『付き合っていても良かったかもしれない!』って思いました(笑)
――そうですね(笑)もし蒼井さんが付き合っていてくれれば、あの2点はなかったかもしれないですね(笑)
蒼井そら 本当ですよねー! 本当に流れが変わっちゃって、もう『ドログバー!!』って思いながら観てました。でもなんかちょっと恥ずかしくなりながら、見てましたけど(笑) 『あっ、この人か』って。何か変な親近感があります。面識は全くないんですが(笑)ドログバ選手には、ニュースで騒がれてしまって『ホントにすいません』って感じです。
――お友達のJリーガーはいないですか?
蒼井そら もし友達にJリーガーがいたら既にもっとJリーグにのめり込んでいたと思います。ただ、『行ってみたーい!』という感覚だったので、これから是非Jリーガーを紹介していただいて(笑)
――じゃあ、蒼井そらさんとお友達になりたいJリーガー募集しましょうか(笑)
蒼井そら とりあえず、スカパー契約しようかなって思っています! ただ、ほぼ日本にいないので…。オンデマンドだと日本を越えられないなと……。とりあえずはインターネットで情報を集めながらとは思っています。でも試合があったら観たいです。週末日本にいたら、『Jリーグどこでやっているんだろう』って最近すごく気になるようになっています。でもやっぱり他に仕事があって行けなかったりで。今日で3回目ですが、来れて本当によかったなって思っています。でも今シーズンはもう終わっちゃうんですよね。
――蒼井さんが今後、どこのスタジアムに行くのかっていうのを、楽しみにしているJリーグファン・サポーターのも多いんじゃないでしょうか。
蒼井そら でもやっぱり試合を観に来るのは選手のプレーであって、私じゃないので、そこは気を使ってほしいなって思います(笑)。 私に気を使うんじゃないくて、選手に気を使ってほしいですね。主役は選手なので。今度は仙台とか、福岡とか、北海道とかに行ってみたいと思います。
――それでは今日はどうもありがとうございました。
蒼井そら ありがとうございました!