<<enter caption here>> at Appiano Gentile on November 15, 2014 in Como, Italy.
インテルのエリック・トヒル会長がついに決断を下した。23日の“ミラノ・デルビー”を控えた14日、ヴァルテル・マッツァーリ監督の解任、そして新監督にロベルト・マンチーニを迎えることを公式に発表したのだ。
マッツァーリに関しては、すでに“イエローカード”が出されていた。同会長は、ミラン戦を含む次からの3試合で勝ち点6を獲得するミッションを課していたとも言われている。しかしミラン、ローマ、ウディネーゼと続く相手では、現在のインテルでは勝利をもぎ取ることは難しいに違いない。
どうしてもチャンピオンズリーグ出場圏内にインテルをのし上げたい同会長は、最有力候補であったマンチーニを引っ張ってきた。その経歴はここに書くまでもないが、2004-08シーズンでスクデット3回、コッパ・イタリア2回制覇と強豪インテルを復活させた立役者だ。その後にジョゼ・モウリーニョ時代へと続く基盤を作り上げたのが、マンチーニだった。
このニュースを聞いてインテリスタたちは狂喜乱舞した。ナポリの監督時代からマッツァーリに立ちはだかっていたヨーロッパの壁、それをインテルでぶち破れるのはマンチーニしかいないと、誰もが新監督の復活を喜んだ。そしてマンチーニは就任会見で「戻ってくれるとは思わなかった。サポーターをスタジアムに集められる情熱のあるチームにしたい。そして何より勝利が大事」と終始笑顔で語った。
イタリア代表のアントニオ・コンテ監督は「ロベルトが最高の監督であることは間違いない。セリエを制するなどインテルで素晴らしい成績を残した。今回もうまくいくよう願っている」とコメントした。また指導者としては大先輩のマルチェロ・リッピ氏も「マンチーニには保証性がある。イタリア国内でもタイトルを獲ったし、国際経験もある。トップクラスの監督だ」と太鼓判を押した。
インテルで主将を務めるイタリア代表DFアンドレア・ラノッキアは「監督の解任は選手たち全体の責任にあたる。いつも監督が代償を払わせられる。今やらなければならないのは、練習を重ねてインテルの価値を見せなければならない。新監督は経験が豊富だ」と気を引き締めた。
具体的にインテルがどう変わるのか。初練習後のユースチームとの練習試合で、マンチーニ監督は[4-3-1-2]の布陣を試している。マウロ・イカルディとパブロ・ダニエル・オスヴァルドの2トップ、そしてロドリゴ・パラシオをトップ下に配置した。長友佑都は右サイドバックに入っていた。このテストマッチでも「攻めろ、シュートだ。ボールを回せ!」と言う指示が飛んでいたという。
今週は代表ウィークのため、ラノッキア、マテオ・コヴァチッチ、エルナネスらレギュラークラスの選手たちが練習にいなかった。しかし今週末のダービーまでには選手を分析し、調整を重ねてマンチーニ体制のインテルを作り上げるだろう。いずれにしても、心理面で選手たちが気持ちを切り替えられるのが大きいはずだ。初戦となるダービーでの采配ぶりは、全世界のサッカーファンの注目を浴びるに違いない。