国を代表してプレーすることは、何物にも代えがたい
――2014年10月、日本代表に選出されました。4年9カ月ぶりの代表復帰となりましたが、改めて吉報が届いた時の気持ちを聞かせてください。
「すごくうれしかった。ずっと目指し続けてきたステージですからね。それに、うれしい気持ち以上に、感謝の気持ちを強く感じました。僕を信頼して起用してくれている監督をはじめ、チームメートたち、いつも応援してくれているサポーター。本当にみんなのおかげだなと」
──日本代表への思いは、強く持ち続けていたと?
「はい。21歳の時にアジアカップ予選のイエメン戦に出場して、それ以来、『また選ばれたい』という気持ちを持ち続けて、プレーしてきました。あの青いユニフォームを着て、国歌斉唱をして、国を代表してプレーすることは、何物にも代えがたいことですし、大きな誇りでもある。2013シーズンくらいから、自信と余裕を持ってプレーできていたので、すごくいいタイミングで選んでもらえたと思います」
──0─4と敗れはしましたが、10月のブラジル戦では左サイドバックとしてスタメンフル出場しました。
「完敗でしたね。一つのミスが失点に直結してしまうという印象でした。まだまだ差は大きいと痛感しました」
──ご自身のプレーはいかがでしたか?
「『まずは守備から』という意識で臨みました。右サイドバックの(酒井)高徳も、自分と同じように攻撃の意識が強い選手ですから、彼が上がった場合はしっかり中央に絞って守備のバランスを取らなければいけない。一方で、攻撃面に関しては数少ないチャンスの中でも、自分の持ち味は出せたんじゃないかなと思います。クロスからシュートシーンを作り出すこともできましたし」
──日本代表で生き残っていくために、必要なこととは?
「1日1日を大切に過ごし、アピールして結果を残すこと。自分の長所は左足のクロスですから、いい形で攻撃参加をしてアシストを決めたい。もちろん、攻守のバランスであったり、一つひとつの状況判断であったり、プレー全体のクオリティーにもこだわってやっていきたいと思っています」
──チームメートとの連係やコミュニケーションも、手応えを得ていますか?
「そうですね。まだまだ足りていないと思いますが、徐々に深められている。ほとんど会ったことのある、かつ僕と年齢が近い選手が多いですし。海外組の選手たちとも一緒に過ごしていく中で、『もっとやらなければいけない』、『もっと上に行きたい』という思いも強く持つようになりました。常に危機感を持って過ごし、もっともっと成長していきたいですね」
マッシモのサッカーをピッチで表現できるようになった
──FC東京での2014シーズンを振り返っていただけますか?
「良いことも、悪いこともあったシーズンでした。マッシモ(フィッカデンティ監督)を迎えて新しいスタートを切った中で、徐々に監督のサッカーが浸透していきましたが、チームとして満足できる結果は残せませんでした」
──改めて、フィッカデンティ監督が目指すサッカーとは?
「まずは守備を安定させること。しっかりリスクマネジメントして、その中で攻撃はカウンターを狙っていく。ゲームの流れをつかんで、このスタイルでやれれば、負けない自信はある。マッシモのサッカーを選手たちが理解して、それをピッチで表現できるようになったと思います」
──では、フィッカデンティ監督のもとで、太田選手自身が成長したと思う部分は?
「チーム戦術に応じて、攻守のバランスをうまく取れるようになったと思います。我慢することの大切さを学んだというか。前に出て行きたい気持ちをグッとこらえて、我慢して我慢して、ここぞというタイミングでオーバーラップする。そのタイミングをうまくつかめるようになったのかなと」
──太田選手の一番の持ち味は攻撃参加にあると思いますが、その一方で守備もレベルアップしている手応えはありますか?
「まだまだですけどね。チームでは、無駄な攻撃参加を控えるように言われていますので、自然と守備のことを考える時間が増えました。対人プレーに強く、ポジショニングもうまい(徳永)悠平さんをお手本にしながら日々のトレーニングに取り組み、試合でも納得のいく守備ができるようになってきていると思いますが」
──その成長を示すように、初めてベストイレブンを受賞しました。
「一つの夢がかない、本当に光栄です。東京にかかわるすべての方に感謝したい。それに、僕だけではなく、東京からはモリゲ(森重真人)、よっち(武藤嘉紀)と、ベストイレブンに3名も選ばれたことは自信になります。2015年こそはJリーグ制覇を成し遂げて、チーム全員でJリーグアウォーズに参加できるよう、さらに頑張っていきたいですね」
MORELIAがないとサッカーができない
──今回は太田選手が長年愛用しているスパイクMORELIA Ⅱについても話を聞かせていただきます。MORELIAのどういうところに魅力を感じていますか?
「やっぱり革ですね。フィット感が抜群で、柔軟性もある。キックに関しても、走る上でも最高のモデルだと思っています。これが“本物”のスパイクという感じ」
──いつからMORELIAを履くようになったのですか?
「高校時代です。“ここぞ”のシューズとして両親に買ってもらって、高校3年の時に出場した国体で、初めてMORELIAを履いて大会に出たんです。そこでいいプレーができたことが、プロ入りするきっかけになりました。だから、思い入れは強い。もう本当に、MORELIAがないとサッカーができないレベルですよ」
──MORELIAとの信頼関係は揺るぎないと?
「はい。長いですからね。丸10年くらい、ずっとMORELIAですから。プロに入る前も、入ってからも自分が成長してきた過程をずっとMORELIAと過ごしてきた。だから、他のモデルを履こうという気が起こらない。これからもMORELIAとともに成長していきますよ。というか、MORELIAじゃないと成長できない(笑)」
──改めて、太田選手がスパイクに求めることとは?
「まずはケガをしないこと。そのためには自分の足に合うものじゃないといけない。つまり、フィット感が最も大事じゃないかなと。繰り返しますが、その点において、MORELIAは文句なしです。あとは、軽さも重要ですね」
──その軽さですが、今回、MORELIA Ⅱはリニューアルを果たし、45グラムの軽量化(片方27.0cm)を実現。さらに「軽量・柔軟・素足感覚」が進化しました。
「うれしいですね。もともと軽かったのが、さらに軽くなった。それに、フィット感も向上していますからね。サイドで激しくアップダウンするという、僕のプレースタイルを考えても、MORELIAが進化してくれるのは本当にうれしい限りです」
──最後に、MORELIAは30周年を迎えました。メッセージをいただけますか。
「30周年という節目の年に自分がMORELIAを履いてプレーしていることを、うれしく思います。次の40周年の時も、現役でプレーしていたい。そのためにも、MORELIAを履いてもっともっと頑張っていきたいですね。あと、2014年の開幕前に、とある選手名鑑のアンケートで『契約しているメーカー』という項目があって、僕、『“世界の”ミズノ』って書いたんですよ。だから、それをしっかり証明するためにも、世界の舞台で活躍しなければいけないと思っています」