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黒豚とんかつの次は炊き肉…空港エリアまで満喫し尽くす!

2015.02.21

 Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップの取材ではるばる鹿児島へ。ここまで来たからには、地のものを堪能しなければならぬ! ということで、Jリーグが理念に掲げる「地域密着」をキャンプ地取材でも徹底すべく、多数のJクラブが合宿を張る鹿児島県を満喫してきました。

 お昼の黒豚とんかつ、桜島を望む温泉に続き、ディナーとして地元の知人に紹介してもらったのは、天文館にある「牛ちゃん本店」。上質な黒毛和牛の炊き肉が食べられる創業28年の老舗です。そう、焼き肉じゃなくて炊き肉。鍋で炊くんです。

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 オーダーから数分、店員さんがたっぷりの具材が盛られた鉄板を大事そうに手にしながらテーブルへ。そこから鉄板をコンロの上に置き、着火しながら食べ方を説明してくれます。

 よく見てみると、鉄板中央のくぼみにダシが入っていて、その周りをモヤシやキャベツ、玉ねぎなど山盛りの野菜とお肉が囲んでいます。そしてダシがグツグツと炊けるまで火に掛けたら、土手を崩して中央のくぼみで炊くとのこと。食べる分だけ炊き上げるのがコツらしいです。もんじゃ焼きの食べ方に近いイメージとでも言いましょうか。とにかく野菜がボリュームたっぷりでヘルシー。お肉は新鮮なので、しゃぶしゃぶ風にサッとダシで炊いて、軽く色が変わればOKです。

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 ダシの味そのままで食べれば「あっさり」、特製のタレに浸して食べれば「こってり」。まさに一粒で二度おいしい。どこかのお菓子のようなフレーズですが、こちらは締めに「うどん」と「おじや」がセットに入っていて、実に一粒で四度おいしいわけです(笑)。ちょっとヘビーな感じがする方もいるかと思いますが、基本的には野菜たっぷりなので、ペロリと食べきってしまうはずです。お好みでイカやホタテなどの魚介類、牛ホルモンなどもトッピングできるので、楽しみ方のバリエーションも豊富。今回、生まれて初めて炊き肉を口にしましたが、少し時間が経っただけで早くも食べたくなっている自分が……。次回も行くのか、それとも別の店を選ぶのか。いずれにしても、やみつきになる名物料理でした。

 お腹いっぱいになったあとは、翌日の作戦を練ります。スタートはもちろん朝風呂(笑)。爽快な朝日を見ながら、とにかく滑らかな湯に浸りたいと考え、再び鹿児島の温泉ソムリエマスター、六三四さんに相談です。

 今回オススメに挙げてもらったのが、天文館エリアからほど近い「天然温泉湯乃山」。ここは「美人になる温泉」と言われていて、アルカリ性の泉質に肌の不要な角質を除く働きがあるとのこと。六三四さんが「泉質は本当に素晴らしい」と話してくれた湯を楽しみながら朝日を拝むべく、朝7時にホテルを出発します。

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 この「天然温泉湯乃山」、実は観光客にとってはアクセス抜群の温泉で、西郷隆盛の足跡を追う観光ルートを辿ると、そのゴール地点で待ち構えてくれています。鹿児島の中心、城山の麓で街を見下ろすように立っている西郷隆盛像をスタートし、隣の鶴丸城跡にある黎明館で歴史を学び、少しだけ北上して西郷隆盛終焉の地に足を運ぶと、その隣の路地を入ったところに位置しているんです。

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 到着して男湯の窓を開けると、ちょうど眩しいばかりの朝日が差し込んできます。話に聞いていたとおり、トロトロの滑らかな泉質でした。僕もそれなりに多くの温泉に入ってきましたが、初めてと言っていいくらいの柔らかさ。さすが六三四さんが推薦してくれただけあります。この薄く黄色の湯にはモール(泥炭層の有機物から生まれた植物起源の温泉。香りも個性的で石油やタールの匂いに類似)の含有がわずかながら認められるとのこと。モール湯はツルツルの肌になるとされることから、「天然温泉湯乃山」は女性ファンが多いとも聞きました。まさに「美人になる温泉」ですね。複数の家族温泉もあり、貸し切り湯も楽しめます。創業50年目という隠れた名湯だけに鄙びた雰囲気も味があります。力強い朝日を浴びながら、肌はツルツル。秘湯を満喫し、もう一度ホテルへ戻ってチェックアウトの準備です。

 もちろん空港までの帰り道も抜かりありません。鹿児島空港近くにある観光スポットを検索してみると、あるじゃないですか、名湯と有名な駅弁が!

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 空港から車で10分程度のところにある嘉例川駅の駅弁は、九州駅弁コンテストで3連覇したこともある名物とのこと。全国の鉄道ファンが憧れる逸品を手にするべく、溝辺鹿児島空港インターチェンジを降りて一路、嘉例川駅へ向かいます。山道を抜けた先に見えた駅舎は雰囲気のある木造。聞くところによると、明治36年開業で築100年を超える国の登録有形文化財なんだそうです。

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 駅舎に入るとすぐに右手に駅弁売り場が。すべて地元の食材で手作りしていることから限定数しか販売できないという幻の駅弁「百年の旅物語 かれい川」を幸運にも手にすることができました。

 せっかくなので待合室で食べようと準備していたら、一日2往復しか運行していない特急「はやとの風」が入線。駅弁購入のために嘉例川駅でしばらく停車するとのことで、写真を撮る機会にも恵まれました。度重なるラッキーに気分は上々。特急が出発した後に静かな駅舎で手作り感満載の健康的な駅弁を口にして、最終目的地となる温泉へと車を走らせます。

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 最後に向かったのは、鹿児島県内でも有名な高級温泉旅館「妙見石原荘」。源泉を加水も貯槽もせず、地中から溢れ出す自然そのままの湯で浴槽まで空気に触れさせずに引いているという名湯です。日帰りではありますが。これぞ「源泉掛け流し」という温泉をいただきに上がります。まずチャレンジしたのは、川沿いに配された露天風呂。脱衣所の先にある階段を下りると、霧島山系から流れ出る天降川沿いに石に囲まれた露天風呂が顔を見せます。力強く流れる川の真横でマイナスイオンを浴びながら浸るお湯はまさに格別。湯冷まし用の椅子も準備されており、景色を楽しみながら何度でも入れるよう配慮がされていました。夜に訪れたらまた別の趣きがありそうですね。

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 その後、源泉から最も近い場所でお湯を味わってもらうために母屋から離れたところに作ったという大浴場へ。毎分160リットルも吹き出るという「天降殿」で再び掛け流しの源泉を楽しみます。何も考えないで、ひたすら体をほぐす至高の時間……。本当に飛行機に乗る直前まで鹿児島県を満喫させてもらいました。

 今回は知人に紹介してもらったグルメスポットや温泉に足を運んでみましたが、鹿児島には、まだまだ食してみたいグルメが盛りだくさん。パワースポットの霧島山系も人気ですし、指宿の砂風呂にも入ってみたい。もし来年も行かせてもらえるのなら、どこに突入しようかと早くも模索しています。今から楽しみでなりません……って、ちゃんと本業もしてますからね(笑)。あくまでJリーグの理念に基づいた「地域密着」を鹿児島でもしっかり実現してきたということなので、あしからず。

 あーもう、今から来年が楽しみだ!

文・写真=青山知雄

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